ホロライブ博衣こよりの「WBC」起用が賛否を呼ぶ理由 VTuberへの差別的な感情も表面化

ホロライブ博衣こよりの「WBC」起用が賛否を呼ぶ理由 VTuberへの差別的な感情も表面化
VTuberグループ・ホロライブ所属の博衣こよりさんが、「2026 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」日本対チェコ戦のプレイボールコールに起用されたことを巡り、SNS上で賛否両論が飛び交っている。
侍ジャパン(日本代表)が同大会過去最低の戦績となるベスト8に終わったこともあってか、敗戦した感情の矛先がVTuberである博衣こよりさんに向けられた形だ。
お笑いコンビ・霜降り明星の粗品さんも「大会にVTuberなんか出すから負けんねん」「騙し絵やからなぁ? VTuberって。盛り下げてくれてありがとう」と、コント動画シリーズ「1人賛否」において本件に言及。
様々なVTuberへの批判的な声を受けてか、博衣こよりさんが自身のXにて声明を発表する事態に至っている。
「WBC」日本対チェコ戦のプレイボールコールを担当したVTuber・博衣こより
博衣こよりさんは、2021年11月にVTuberユニット・秘密結社holoXのメンバーとしてデビューした女性VTuber。

ホロライブの中でもトップクラスの配信頻度/時間を誇る“配信モンスター”としてファンの間では知られている。現在YouTubeのチャンネル登録者数は135万人、Xのフォロワー数は97.5万人。
野球に関しては初心者ながら馴染みも深く、KONAMIの野球ゲーム「パワフルプロ野球」シリーズを用いた配信大会「ホロライブ甲子園」の主催などもつとめていた博衣こよりさん。
そういった文脈もあってか、3月8日に行われた日本対オーストラリア戦(※)から、「WBC」の同時視聴配信をYouTube上で実施していた。
3月10日には、MLB(メジャーリーグベースボール)の日本公式Xが、博衣こよりさんが、東京ドームで開催される「WBC」日本体チェコのプレイボールコールを担当することを発表(外部リンク)。
国民的な祭典の大役であり、VTuberの起用は異例の出来事。VTuberファンの間でも期待が高まっていた。

同日、東京ドームのディスプレイにLive2Dの姿で登場した博衣こよりさんは「皆さん、こんこよ〜。ホロライブの博衣こよりだよ〜! 待ちに待った最高の舞台! 歴史に残る一戦の幕開けです ! それでは参ります……PLAY BALL!!」と、試合開始の合図を行った。
※博衣こよりさんは、半年ほど前から「WBC」の同時視聴配信ができないか交渉を行っていたことを明かしている。なお、日本対台湾戦、日本対韓国の同時視聴配信を実施しなかったのは、ホロライブの大型イベント「hololive SUPER EXPO 2026 & hololive 7th fes. Ridin’ on Dreams」と時期が重なってしまったためとも説明している。
「VTuberがWBCに関わるべきではない」という職病差別的な意見も紛糾
博衣こよりさんがプレイボールコールをつとめたチェコ戦で、侍ジャパンは大谷翔平選手ら主力選手を温存しながら、9-0で勝利。
結果的に大勝したものの、8回表まで0-0の均衡状態が続いており、格下と見られていたチェコ相手に苦戦を強いられた──とも解釈できる試合結果となった。
その後、グループリーグを抜けた侍ジャパンは順々決勝に駒を進め、3月15日にベネズエラと対戦。しかしながら5-8で敗北し、歴代最低の戦績となるベスト8で終えることとなった。

野球などのスポーツでは試合の運びを“流れ”と絡めて言及されることが多い。選手のファインプレーやミスプレーが、その後の展開やチーム全体の士気やパフォーマンスを左右すると、当たり前に考えられている。
そういった文化的風土もあったのか、一部の視聴者から「博衣こよりさんがプレイボールコールを行い、会場が盛り下がって“流れ”が悪くなったから、侍ジャパンが敗北したのではないか」との声がインターネット上に紛糾。
さらに「WBC」という公の舞台にVTuberが関わるべきではなかったなどの職業差別的な意見までもが飛び交い、VTuberファンと野球ファンの対立が生じる事態にもなっている。
粗品、コント動画「1人賛否」で“博衣こよりへの酷評”を代弁
博衣こよりさんの「WBC」プレイボールコール起用を巡る賛否両論について、3月16日、粗品さんもコント動画シリーズ「1人賛否」の中で言及。
「1人賛否」は、インターネット上で話題を集めたニュースを題材に、粗品さんが1人で賛否両論のどちらも意見を言うというコント企画。
その中で粗品さんは、「選手にね、心ない言葉浴びせるノリとかもありますが、まあそんなんはやめとこうと。いやほんまにお疲れ様でした」「まあ負ける時あるからね」など侍ジャパンを擁護。
その上で、「大会にVTuberなんか出すから負けんねん」「騙し絵やからなぁ?VTuberって。盛り下げてくれてありがとう」と、博衣こよりさんへの酷評を扱ったネタを披露。
なお粗品さんは「1人賛否」の意見について、自身の本心ではなく、あくまでコントであることを強調している。しかしながら、このコントが分断を加速させる一因になってしまったという側面もある。
博衣こより「まだ受け容れられない人もいるかもしれない」
VTuber文化が誕生してからまもなく10年になろうとしている。ネットカルチャーを代表するような規模や市場にまで成長し、YouTubeをはじめとする配信サイトの外側にもVTuberが露出することももはや珍しくはない。
一方でコラボなどを通してVTuber文化を広げようとするムーブメントは界隈同士の軋轢も生んでおり、特に昨今、VTuberへの風当たりは強まりつつある。SNS上においても、VTuberへのファン活動やそのタレントを“茶化す”ようなリプライは非常に多い。
つい先日も「VTuberは楽な仕事」という言説がSNSで広がり、ファンやそうでない人の間で賛否両論を巻き起こしたばかりだった。
「WBC」の一件を受けてか、博衣こよりさんは3月17日、「アニメなのか人なのか難しい領域でまだ受け容れられない人もいるかもしれない」と自身のXに投稿。
3月28日(土)に生誕記念ライブを実施することに併せて、「Vtuberもね本気で命をかけてボイトレで歌磨いてダンスレッスンで自分らしさを追求して沢山の人を笑顔にするため人生注ぎ込んで活動している人もいるんだ」「注ぎ込んでる情熱は本物だってライブで観てくれたら嬉しいです」と声明を結んでいる。
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