<ちるらん>原作者・橋本エイジ、俳優陣の熱演に感激「原作漫画家として、太鼓判を押します。観ないなんてもったいない!」

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化, ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」, 「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」, 制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

スペシャルドラマ「ちるらん 新撰組鎮魂歌“江戸青春篇”」(TBS系)の第2夜が3月27日(金)に放送

TBS×U-NEXT×THE SEVENによるグローバルプロジェクト「ちるらん 新撰組鎮魂歌」。TBS系では、3月26日・27日に「江戸青春篇」と題したスペシャルドラマを2夜連続放送(27日[金]は夜8:57-10:54/放送終了後からU-NEXTにて配信)。続編となる「京都決戦篇」はU-NEXTで毎週金曜に各話を独占配信する。このほど、原作漫画を手がけた漫画家・橋本エイジにインタビューを敢行。制作陣との意思の共有、キャスト陣が体現したキャラクター像、そして漫画と映像という異なるメディアの表現差について、原作者としてどう受け止めたのか明かしてくれた。

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化

本作は、幕末の京都を舞台に、最強のサムライ集団・新撰組の志士たちの荒々しくも熱い生きざまを、ド派手なアクションと、史実に基づきながらも大胆な解釈で描いた累計発行部数300万部超の同名コミックス(原作:梅村真也、漫画:橋本エイジ/ゼノンコミックス)の実写化作品。

後に新選組副長となる土方歳三が近藤勇という“器”と出会い、沖田総司、斉藤一といった個性的な仲間たちと共に、歴史に名を刻む“新撰組”をいかにして作り上げていったのか。そして、激動の幕末を駆け抜けた若者たちの物語を、現代的かつ艶やかで魅力的なキャラクター造形と、史上最速とも評されるハイスピードな殺陣(たて)を交えて描く“ジャパニーズ・ソードアクション・エンターテインメント”だ。

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化, ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」, 「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」, 制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

江戸の“バラガキ”だった歳三(山田裕貴)は、試衛館の仲間たちとの出会いを機に少しずつ“武士”となっていく

ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」

――完成映像をご覧になった率直な感想から聞かせてください。

橋本エイジ(以下、橋本):もう言葉が出ないですね。漫画原作の実写化って不安な声も飛び交いやすい場面だと思うんですが、今回に限っては「漫画よりも実写で見たほうがいい」とすら思ってしまいました(笑)。

だって、僕は誰よりもストーリーを知っているはずなのに、試写室でボロボロ泣きましたからね。それくらい、胸がいっぱいになってしまって。悔しいですけどね。でも、それ以上に嬉しかったです!

――特にどの部分に圧倒されたのでしょうか?

橋本:やっぱり「音」ですね。漫画という媒体は、どうしてもオノマトペなど文字での表現を、読者の脳内で補完してもらう必要があるんですが、映像は違う。キャラクターが動いているその瞬間に、耳からダイレクトに音がなだれ込んでくるのは……正直ずるいとしか言いようがないです(笑)。

――橋本先生の作品といえば、躍動感あふれるアクションが魅力です。今回の映像での殺陣はどう映りましたか?

橋本:僕が漫画を描くとき、表現できるのは「動きの始まるところ」と「終わるところ」の2つだけなんですよ。その「中間」の部分まで描きすぎてしまうと、逆に漫画としてのリズムが死んでしまうことも。

でも、映像はその「中間」の動きをすべて網羅できるんです。刀を振り抜く途中の微妙な体重移動や、筋肉の緊張、呼吸、間合い……そういった“流れ”を全部見せられる。エンターテインメントとしての総合力で言えば、正直「漫画は勝てないな」と、作者でありながら思わされてしまいました。

――映像との差でいうと、漫画では説明的なモノローグが物語を進めていく印象もあります。

橋本:その点は、原作にはないオリジナルのシーンで感情や背景が補足されているのを感じました。それも「こんなふうに掘り下げてくれるなんて、ありがとうございます!」という嬉しさにもつながる部分でした。

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化, ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」, 「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」, 制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

さまざまなキャラクターがハイスピードな殺陣を展開していくバトルシーンは圧倒的

「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」

――実写化のお話を受けたときの心境はいかがでしたか?

橋本:お話をいただいたのは、今から3年くらい前だったと記憶しています。連載が終わって、自分の手からは離れた作品なので、映像化に関しては正直“別もの”というか。「いい形になってくれたら嬉しいな」という、どこか一歩引いた目線でいました。

そうしたら、次々に出てくる名前があまりにも豪華すぎて。「これは風呂敷広げるだけ広げて、やっぱナシです」とならないか不安になったくらいでしたね(笑)。でも、今回こうして完成した映像を観て、本当に実現したんだなって改めて実感しました。

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化, ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」, 「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」, 制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

歳三(山田裕貴)が試衛館の面々と出会い、共に成長していく姿が描かれた第1夜から、第2夜は本格的に京都を舞台とした物語に

――キャラクターの造形で、特に思い入れのある人物はいますか?

橋本:デザインに最も力が入ったのは、やっぱり斉藤一です。これまでも新撰組をモチーフにした作品では、どれもカッコいいイメージがあったので、その印象を崩さないようにと。

個人的に一番親近感を持っているキャラクターは、永倉新八でした。新八は、自分が凡人だからこそ、努力で前に進む泥臭さが魅力。うまくいかなくてもとにかく前に進んで、自分を認めていくところが好きですね。自分の分身みたいな存在。土方歳三については、共感するというよりも「こうなれたらいいな」という憧れに近いです。

――みなさん、再現度が素晴らしかったですね。

橋本:本当にそう感じました。実は、クランクインしてすぐに撮影現場におじゃましたことがあったんですが、そこで斉藤一を演じた藤原季節さんが、カメラの回っていないタイミングにも関わらず、すみのほうでゴロンと横になってニヤニヤしながら、試衛館のみんなのことを眺めていたんですよ。その姿に「もう、ここに斉藤一いるじゃん!」って思いました。

源さん(井上源三郎)役の岩永ひひおさんも、金子ノブアキさん演じる佐々木只三郎さんも、“そのまま”でしたね。それぞれの解像度の高さに「漫画から出てきた」っていう言葉がぴったりで。いや、むしろ「この作品が先にあって、僕が漫画化したんだっけ?」って思ってしまうほど。もはや僕の十数年はなんだったんだと(笑)。

――現場での印象的な出来事はありましたか?

橋本:山田裕貴さんが僕の顔を見るなり駆け寄って、開口一番「自分、大丈夫ですか? イメージ通りにできていますかね?」と聞きに来てくれたんです。「土方として頑張りますので、何かあったら言ってください」というようなことをおっしゃってくれて。

実写化って、原作者と現場が切り離されて進んでいくような話もよく聞きますが、役者さんたちがこれほどまでに「自分たちにできるのか」と真剣に悩み、ぶつかってきてくれるんだなと感激しました。もちろん、キャストのみなさんだけではなく、セットや小道具を作られているスタッフの方々も。原作を隅々まで読んでくださっているのがひしひしと伝わる現場でした。

ここだけの話、綾野剛さんが芹沢鴨を演じるって聞いたとき、少しだけ不安があったんですよね。鴨って漫画だとかなり大きいビジュアルをしていたので、スリムな印象の綾野さんとイメージが違ったように思えて……。でも、打ち上げのタイミングでしたけど、実際にお会いしたら、身体もすっかり鍛えられていて、想像よりもずっと大きくて驚きました。

また色気もすごいんですよ。「不安とか思ってすみませんでした! 鴨は綾野さんしか考えられません」って土下座したくなるくらいでした! なのに、ご本人はまた謙虚な感じで話しかけてくださって。しかも、その時ふわっといい香りなんか漂ってて、「もう……好きになっちゃう!」ってなりましたよ(笑)。

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化, ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」, 「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」, 制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

圧倒的な強さと色気で、身内である壬生浪士組の隊士たちをも恐れさせる芹沢鴨(綾野剛)

制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

――「ちるらん 新撰組鎮魂歌」では、史実を下敷きにしながらも大胆な再構築を施されています。どんなことを意識されていたのでしょうか?

橋本:原作の梅村真也さんとも話していたんですが、時代劇ってどうしても「歴史を知らないと楽しめないんじゃないか」っていう敷居が高いイメージがあると思うんです。だから「少しでも間口を広げたい」というのが、僕らの共通した思いでした。

キャラクターのビジュアルを現代っぽくしていたり、史実としては出会っていないふたりを戦わせてみたり、インパクトのある武器が出てくるのも、とにかく「何これ面白そう!」って思ってもらいたいという願いがあってのこと。

そんな「もしこうだったらどうだろう?」という仮説を楽しみながら、「本当はどうだったのか」と実際の新撰組の歩みにも興味を持ってくれたら、うれしいなと。そのうえで、新撰組の“散る美学”みたいなものを最後に感じてもらえたらと思っていたんです。

今回の実写化に向けて、特別その思いについてお話をしたわけではなかったんですが、プロデューサーの森井輝さんから「新撰組について全く知らない人でも楽しめるようにしたかった」って言われて。「まさにそれ!」となりました。そのマインドが一致していたので、もう原作側としては文句のつけどころがないです。

悔いが残るとしたら、もっと現場に行きたかったっていうことですね! 「どうやってあのシーンを撮っているのか」と、完成映像のアクションを観てウズウズしました。なので、もし続編が作られたら、今度は「映像チームの一員か!」ってみんなからツッコまれるくらい、現場に潜入したいです(笑)。

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化, ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」, 「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」, 制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

近藤勇(鈴木伸之)ら“試衛館派”は、芹沢鴨(綾野剛)率いる“水戸派”と対立

――続編も楽しみになるくらい大満足の作品ということですね。

橋本:きっとご覧になっていただいたら、みなさんそう思わずにはいられないと思います。現在の日本がどうやって形作られてきたのかを、難しく考えることなく、最高にスリリングなエンターテインメントとして体験できる作品。もっとこの世界の続きを観たいと素直に思わせてくれるはずです。

幕末の歴史や新撰組が好きな人はもちろん、原作漫画を愛してくれた人も、そして全く何も知らない人も! 原作漫画家として、太鼓判を押します。絶対に観て損はない。いや、観ないなんてもったいない!

そして、一度見ただけでは気づかない細かなこだわりも詰まっているので、配信で何度も楽しんでほしいですね。そして、もし映像を気に入っていただけたら、ぜひ漫画の方にも戻ってきてもらえたら、作者冥利に尽きます。

僕個人としては、漫画家としてもさらに気合が入りました。映像にしかできない表現をここまで見せつけられたら、自分は漫画でどれだけ戦えるのか。ペンという刀で、今度は映像作品に真剣勝負を挑んでやろう、と。そんなふうに、きっとそれぞれの熱い心を刺激してくれる作品にもなると思います!

累計発行部数300万部超のコミックスを実写化, ダイレクトな音の表現に「正直ずるいとしか言いようがないです(笑)」, 「解像度の高さは『漫画から出てきた』っていう言葉がぴったり」, 制作陣の実写化に対する思いに「まさにそれ!」と共感

「ちるらん 新撰組鎮魂歌」ポスタービジュアル