オンラインで知り合った親友に恋…“オタク男子”と“トランス女性”がデートした結末に「涙が…」と感動の声【漫画】

オンラインゲームで知り合った親友から、まさかのカミングアウトが…

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はコミックブランド「CandleA」の作品で、漫画家・朝野おやつさんが手がけた『俺のカノジョはかわいいだろうが』をご紹介しよう。

『俺のカノジョはかわいいだろうが』キービジュアル

同作は、恋愛初心者なオタク男子とトランス女性による恋模様を描いた一作。以前CandleAの公式X(旧Twitter)に第1話が投稿されると、約7000の「いいね」が寄せられている。そこで作者の朝野さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。

オンラインゲームの仲間から恋人に発展?

『俺のカノジョはかわいいだろうが』第1話(1/20)

オンラインゲームで知り合ったボムに好意を寄せていたオタク男子のチョコ。2人は男同士だったが、チョコは自分の気持ちに正直になって「ボムのことが好き」と告白をする。

後日チョコがオンライン上で「びっくりしたと思うけど…」とボムに伝えると、「驚きはしたけどさぁ」「でもすごく嬉しいよ?」と前向きな回答が。しかし、付き合えると思ったチョコに対し、ボムは曖昧なリアクションをしつつ「だってウチ男じゃないし」と返答する。

ボムいわく自身は“トランスジェンダー”であり、見た目は男に見えても本当は女という状態だそう。まさかのカミングアウトに驚いたチョコだったが、それでもボムを想う気持ちは変わらず…。

読者からは「2人の仲睦まじい様子に癒された」「ラストで感動して涙が…」などの反響が上がっている。

あえて“様々な差別”を描写したところがポイント

『俺のカノジョはかわいいだろうが』第1話(10/20)

――『俺のカノジョはかわいいだろうが』を描いた経緯についてお教えください。

1番最初にXに投稿した漫画が好評だったので、その勢いでその年のコミティア用にパイロット版『ボーイミーツトランスガール』を描き起こしました。イベントが始まってすぐ、KADOKAWAのCandleAの編集さんから名刺をいただき、連載がスタートしました。あの時は本当に嬉しかったです。

連載を開始するにあたり、変更した点がふたつあります。ひとつはタイトルです。パイロット版は『ボーイミーツトランスガール』という名で、トランス女性が主人公であることが分かりやすかったのですが、「LGBTQ+に普段触れない層にも手にとりやすいタイトル」としてオタク構文っぽい『俺のカノジョはかわいいだろうが』に改名しました。正直ちょっとしっくりこないで執筆していたのですが、最終話とタイトルを繋げた演出でいい着地ができたと満足しています。

もうひとつはシリアスさです。前回のインタビューでお答えしましたが、最初の漫画はトランス女性のボムを身近に感じてもらうため、ゆるく楽しい雰囲気を心がけました。連載版でもコミカルなシーンはありますが、トランスジェンダーとしてボムが日頃受けている偏見や悪意を描かないのは、現代のクィアラブコメとして不誠実だと思い、トリガーワーニング付きで何度も様々な差別を描写しました。

――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。

ゲームオタクであることに説得力が出したくて、ボムとチョコには思い出のゲームや得意なジャンルなど細かい設定をたくさん作りました。作中には反映されていませんが、ふたりが好きなゲーム音楽の設定も書かれています。2人の好きなゲームも含めて、作中に登場する架空ゲームやパロディネタがどれだけそれっぽく描けるかに相当時間をかけました。

あと、ボムは無関係の人が見るとただのちょっと太った人なんですが、ボムにメロメロなチョコから見たボムは目がキラキラしてぽにょっとして可愛いという裏設定があり、チョコからみた視点のボムはどんどん可愛くなっています。恋ってそういうものらしいので。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

ふたりの会話劇で画面が退屈にならないよう意識して描いていたのですが、その中でもチョコが子供の頃からゲームのプレイ記録を作っているという説明の際に描いた「古代エジプトの壁画のようなシーン」はかなり気に入っています。あれを思いついた時は「私ってすごい」と自画自賛していました。

ゲームキャラのティファが声優のカミングアウトを支持するアクションを起こした際、友人たちの悪気のないトランス差別に堂々と「自分は嬉しい」とメッセージを発信しているシーンで、ティファが投げナイフで友人達の差別発言を破壊する表現も気に入っています。オタクでフィクションを愛好するからこそ、作中のキャラがクィアを守ってくれるシーンが明確に必要だと考えていたからです。

――2026年の目標や展望をぜひお聞かせください。

読者の皆さんからの嬉しい感想や頑張りたい仕事の依頼で、「頑張るぞうおおお」というテンションになっていますが、ここで躓かないためにも健康第一で休む時間を設けつつ作品づくりに挑みたいと思います

――読者へメッセージをお願いします。

応援してくださった方、感想をメッセージやSNSで発信してくれた方のおかげで、自分の描いたものが社会に届くことのやりがいと、だからこそ作品テーマや読者に誠実でいなければいけない責任の重さを強く感じました。この漫画が世に出せたことは、間違いなく私の人生の中で指折りの素晴らしい出来事です。本当にありがとうございました!