W杯サッカー番組で「見たくない」芸能人6選。マニアが敬遠するわけ

加藤浩次(左)土田晃之(右)写真:アフロスポーツ
ワールドカップ(W杯)の放送シーズンになると、サッカー番組に登場する芸能人の顔ぶれがガラリと変わる。自らサッカー好きを公言し、司会やゲストを務める人物も少なくない。
2022年カタールW杯では、アイドルグループ「日向坂46」の影山優佳がSNS上で「影山寝ろ」とトレンド入りするほど連日解説を続け、的確なコメントで期待に応えてみせた。彼女は2023年の日向坂卒業後、サッカー番組にとどまらず俳優としても活動の場を広げている。
こうした”本物”がいる一方、マニア層からはサッカーへの理解不足や選手へのリスペクト欠如を指摘される芸能人が、W杯のたびに批判の的となる。これらの芸能人はJリーグやW杯関連番組で「4年に1度しか見ない層」を取り込む役割を担ってきた側面もあるが、コアなファンほどその違和感を見逃さない。ここでは番組出演歴や過去の言動をもとに、ファンから敬遠される6人を取り上げる。

加藤浩次 写真:アフロスポーツ
加藤浩次
ワイドショーの勢いそのままに言いたい放題
お笑いコンビ・極楽とんぼとしてフジテレビ『めちゃ2イケてるッ!』でブレークした加藤浩次。2006年から2023年まで17年にわたって日本テレビのワイドショー『スッキリ!!』のメインMCを務め、TBSの『スーパーサッカー』でもMCを担当した。
ファンから「熱い発言が空回りしている」と指摘された場面として知られるのが、2016年12月18日に横浜国際総合競技場で行われたFIFAクラブW杯決勝・鹿島アントラーズ対レアル・マドリード(延長4-2)を受けた翌朝の放送だ。
12月19日の『スッキリ!!』で主審の判定に「このバカがよ」と激しく非難し、DFセルヒオ・ラモスへの2枚目のイエローカードが出なかったことに怒りをぶつけた。「セルヒオ・ラモスがいなくなったらレアルが負けちゃうんじゃないかという変な感情が働いたんじゃないの?」と続けたこの発言に対し、「主審への攻撃が不適切」「ルールの理解が浅い」という声がファンから噴出した。
ビートたけし
Jリーグ黎明期に抜擢された”異色の存在”
若いサッカーファンには信じられないかもしれないが、ビートたけしはJリーグ開幕直後の1993年10月から放送を開始したTBS系のサッカー番組『スーパーサッカー』に、1994年1月から事前収録のVTRコーナーで出演していた。
番組は『速報Jリーグ』(1993年5月〜9月)をリニューアルする形でスタート。『サッカーマガジン』編集長(当時)の千野圭一氏や伊東武彦氏、元編集長の大住良之氏らが出演するなか、たけしはVTRコーナーでお笑いの要素を担った。司会の生島ヒロシを中心に西田ひかるがサブMCを務め、FK技術を競う「バナナキング」など名物企画も交えた番組構成は、Jリーグバブル期の人気拡大に貢献した。たけしは1994年8月のバイク事故により事実上降板。番組は2021年3月まで約27年半続いた。
単に試合結果を伝えるだけでなくサッカーバラエティの体裁を整えた点が番組の特徴だったが、マニアからは「サッカー番組としては物足りない」との印象を与え続け、徐々にその役割を終えた。現在、首都圏では同時間帯にJFA(日本サッカー協会)とJリーグが企画・監修する番組『KICK OFF! J』が放送されている。
手越祐也
中継当日に音楽番組を選んだ代償
アイドルグループ「NEWS」の一員としてデビューした手越祐也は、2012年から2019年までFIFAクラブW杯中継を8大会連続でメインキャスターとして担当。W杯でも2014年ブラジル大会と2018年ロシア大会の2大会連続で日本テレビ系メインキャスターを務めた。
ところが2015年12月16日、クラブW杯準決勝(サンフレッチェ広島対リーベル・プレート、大阪長居スタジアム)のメインキャスターを務めていたにもかかわらず、フジテレビ『FNS歌謡祭』への出演を優先して欠席した。
NEWSとしての仕事という事情はあるものの、サッカーファンから激しい批判を浴び炎上。「ニワカ」との指摘に対し「受け入れてほしい」と答えた発言も、「サッカーへの情熱が伝わってこない」との印象を決定づけた。2020年にジャニーズ事務所(現スタートエンターテインメント)を退所した後も、知識不足への批判は払拭されていない。

土田晃之 写真:アフロスポーツ
土田晃之
強豪になってから浦和を応援した”ビジサポ”
コンビ解散後にピン芸人となり、フジテレビ『タモリのボキャブラ天国』などで注目を集めた土田晃之。映像配信サービスLeminoの欧州サッカー情報番組『Lemino Football』ではメインMCを務めた。
浦和レッズのサポーターを公言しているが、それは浦和が強豪クラブとなった後のことで、それ以前のインタビューでは横浜フリューゲルスのサポーターだったと告白している。加えてジュビロ磐田とヴェルディ川崎が好きだったことも判明しており、マニアの間では「典型的なビジサポ(ビジネスサポーター)」とのレッテルが貼られている。
決定的だったのは、2016年6月5日のニッポン放送『土田晃之 日曜のへそ』での「仕事につながらなくなってきたからサッカーに興味失せた」という発言だ。また、2010年1月10日にエコパスタジアムで行われたMF名波浩の引退試合には、名波氏本人から「大口を叩いているなら、どれだけ難しいかやってみろ」と直接要請された経緯もあったという。ファンを装いつつ実践が伴っていないと見なされ、マニアからは毛嫌いされている。
明石家さんま
サッカー愛は本物でもリスペクトが足りない
奈良商業高校時代にサッカー部に所属した明石家さんまは、クラブW杯の前身「トヨタカップ」の時代からゲストコメンテーターを務めてきた、Jリーグ以前の”冬の時代”を知る数少ない芸能人の一人だ。Jリーグ創設以前には芸能人サッカーチーム「ザ・ミイラ」を結成し全国各地でエキシビジョンマッチを行うなど、サッカー普及に貢献してきた功労者でもある。
しかし現代のファンから不評な主な理由は「選手へのリスペクトのなさ」に尽きる。2011年、FWリオネル・メッシへのインタビューで「老後はどうするんですか?」と問いかけ、ネット上で大炎上。2012年ロンドン五輪の日本代表対フランス代表戦を現地観戦後には「フランスの方がいいサッカーしていた」「(日本代表は)おしんサッカー」とコメントし、批判を浴びた。選手名を間違えるケースも多く、「サッカーをアップデートできていない」との印象が定着している。
一方で、日本が史上初めてブラジルを破った2025年10月14日(東京スタジアム/3-2)の翌週、MBSラジオ『ヤングタウン土曜日』では「ブラジルも日本もベストメンバーじゃなかった。フレンドリーマッチとして捉えてんねん」と冷静に分析するなど、サッカー熱自体は本物である側面も見せている。
小柳ルミ子
「年間2,000試合」発言が招いた信頼失墜
1971年発売のデビュー曲「わたしの城下町」が大ヒットした大御所歌手・小柳ルミ子は、約20年前の52歳時にリオネル・メッシの存在をきっかけにサッカー観戦に目覚め、テレビ出演が増えた。
批判の的となっているのが「年間2,000試合以上見ている」という発言だ。365日で割ると1日約5.5試合を要する計算で、現実的に不可能と疑問視されている。「睡眠時間3時間で見ている」と本人は譲らないが、73歳という年齢もあって”眉唾もの”という評価が一般的だ。
さらに2018年ロシアW杯のアルゼンチン対クロアチア(0-3)では、自身のブログでGKウィリー・カバジェロのミスを一方的に罵倒しながら、無得点に終わったメッシだけを擁護し、クロアチアの健闘も称えないという内容が総スカン状態に。感情任せの極端な発言が「本物のファンとは思えない」という強い拒否反応を招いている。
以上の6人はいずれもサッカー番組に深く関わってきた芸能人だが、”自称ファン”の偏った言動がW杯の楽しみを損なう存在となりかねない。制作側が視聴率を意識することは当然だが、サッカーファンの目線に立ったキャスティングもまた求められている。
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