極東有事シミュレーション【UGV(陸上型無線機)対決】テーミス(日本)vs VU-T10(中国)軍事フォトジャーナリストが解説

テーミス(左)とVU-T10 ※写真/菊池雅之
軍事フォトジャーナリスト・菊池雅之が、台湾有事をはじめ、迫り来る極東の脅威と日本、アメリカ、台湾の戦力を徹底比較。独自の現地取材写真とともに解説した“リアルな戦場のテクノロジー”を読み解くコラム。
■無人で走る“地上型ドローン”は完全装甲車化した中国がリード!
現在繰り広げられているイラン戦争、そして、なかなか終わりの見えないウクライナ戦争。これら近代戦で欠かせない存在が無人兵器だ。偵察から攻撃までを行う遠隔操縦式のドローン(オスの蜂)と呼ばれる飛行型無人機「UAV」は“戦場のゲームチェンジャー”とすら言われている。
これに次ぐ存在として、陸上型無人機「UGV」も続々と開発されている。2025年秋、陸上自衛隊は突如、XでUGVの試験を行っていることを公表。そのラインナップの一つに、ミルレム・ロボティックス社(エストニア)が開発した「テーミス」がある。装軌式の小型車体をベースとして、そこに機関銃など、さまざまな武器を搭載して無人で戦う。陸自では国産化も追求しつつ、海外製であっても優れているならば導入しようという考えがあるようだ。

テーミス(日本・価格非公表)※写真/菊池雅之
中国も、いくつものUGV開発を行っている。その中に世界が注目する「VU-T10」がある。中国北方工業公司(NORINCO)が開発した大型UGVで、2024年に初公開された。
各国のUGVと大きく異なる点が、完全装甲車化を果たした完全自律式であること。砲塔には敵の装甲車を蜂の巣にできるほどの威力を持つ30mm機関砲が搭載され、対ドローン対処用としても期待されている。さらに対戦車ミサイルや対人用の7.62mm機関銃も搭載しており、地上戦闘で想定されるあらゆる敵を制圧することが可能だ。現段階で中国軍が正式採用したという話は出ていないが、それも時間の問題だろう。導入を検討する国も複数あるようで、輸出も視野に入れている。

VU-T10(中国・価格非公表)※写真/菊池雅之
●SPEC比較 テーミス vs VU-T10
菊池雅之(きくち・まさゆき)
軍事フォトジャーナリスト。講談社フライデー契約カメラマンを経てフリーに。陸海空自衛隊に加え、世界中の軍隊を取材。著書『ビジュアルで分かる自衛隊用語辞典』(双葉社)、『自衛隊だけが日本を救える』(光人新社)他多数。
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