雅子さまが全国赤十字大会で見せた「傾聴の姿勢」登壇した高校生の誕生日にも温かいお声がけ

12日、皇后雅子さまは、名誉総裁を務める日本赤十字社の「令和8年 全国赤十字大会」に臨席された。活動報告を聞く雅子さまの姿には包み込むような優しさがあり、マナーの専門家は、その「傾聴の姿勢」を称賛する。

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 午前11時にステージの幕が開き、「令和8年 全国赤十字大会」が始まった。日本赤十字社の名誉総裁を務める雅子さまが登壇され、中央の席へ。秋篠宮妃紀子さま、華子さま、信子さま、久子さまが下手側から順に席につかれた。

 雅子さまは、赤十字活動を支えた個人や団体に贈られる「有功章」を代表の13人に授与。続いて、2025年3月にミャンマーで起きた大地震を受け、現地で巡回診療の支援を行った女性看護師、日本赤十字社医療センター国際医療救援部の苫米地則子(とまべちのりこ)さんによる活動報告があった。

 次に登壇したのは、島根県立高校の部活動(JRC部)で、地元の防災意識を高めるためのボランティア活動を行う森山あおいさん。森山さんは、雅子さまをはじめとする皇族の方々がずらりと並ぶステージ上でも、緊張を感じさせず、ハキハキとした明るい声で実践活動報告を行っていた。

 マナーのプロである西出ひろ子さんは、「日頃、講演や研修を行っている私でも、あの場面は緊張しそうです」と言う。大手企業のマナーコンサルティングやNHK大河ドラマ、映画などでマナー指導を務める西出さんは、森山さんが生き生きと活動報告できたのは、ご自身の努力に加えて、「雅子さまの傾聴の姿勢」があったからではないかと話す。

「今回の活動報告は、ミャンマーでの大地震の支援や防災というテーマで、雅子さまは、報告を聞きながらそのシーンを想像されているご様子でした。時に神妙な表情で報告内容を聞かれていらっしゃいましたが、森山さんの方に視線を向けるときには“緊張しなくて大丈夫ですよ”“報告してくれてありがとう”というようなお優しい眼差しを感じられました。そのときのお話の内容や状況を、雅子さまはきちんと傾聴されていたからこその表情だと思います」

 西出さんは雅子さまの傾聴の姿勢から、「話を聞くときの大切さを改めて学ばせてもらった気持ちです」と話す。

「雅子さまは、いつもコミュニケーション能力が高いと感じておりますが、コミュニケーションという言葉は、ラテン語“communicare”に由来し、“分かち合う”“共有する”を意味します。コミュニケーションは、伝えるという意味だけで捉えがちですが、語源をたどればそうではないのです。もともと分かち合いという意味なので、話し手の伝え方と聞き手の受け取り方、双方が相手の立場に立つマナーの心をもって、相手を思いやる気持ちを分かち合うものであり、それが本来のコミュニケーションだと考えます。雅子さまは、発表している人と本来のコミュニケーションを図られているのだと感じました」

 雅子さまの傾聴の姿勢もあり、森山さんは式典のあとの囲み取材で、記者たちの質問にも、ステージ上と同様にハキハキと答えていた。

――お見送りの際、皇后さまとお話をされていましたが、具体的にどんなお話やお声がけがありましたか?

「まず初めに、発表についてすごく良かったと褒めていただき、すごく嬉しかったです。その後、4分しかない発表で、もう少し詳しく聞きたいとおっしゃられたので、もっと詳しく話させていただきました。その後、“地域の方々からの反応などはどうでしたか”と聞かれた時に、『子どもからお年寄りまで皆さんに“初めて知れて本当に良かった”“すごくためになった”“周りの人にも是非伝えるから”と言われました』ということを伝えました」

――それに対して、皇后さまから何かお声がけはありましたか?

「“子どもからお年寄りまで誰でも分かりやすく、というところがすごく印象に残りました”というふうにおっしゃられていました。あとは、今後のJRC部の発展や、これからの活動について、応援の言葉をいただきました」

――具体的に、どういった応援の言葉をいただきましたか?

「“町内などでお声がかかることなども多いと思うし、本当にいろんなところで活躍されると思うので、心から応援しています”というようなことを言っていただきました」

――本日の活動報告や、いただいたお言葉をどのように受け止めていますか?

「本当にこのような機会はないので、私自身としてもそうですし、今日ここに来られなかった他のJRC部の部員たちにとっても、本当にすごく大きな経験をさせてもらいました。自分自身の成長にもつながったなと思いました。あとは、人に感謝されたり、『頑張ってね』という応援のメッセージを生でいただけたりしたので、これからも活動を頑張ろうと思いました」

 雅子さまと笑い合う場面もあった森山さん。どんな話をしていたのか、最後に明かしてくれた。

「私の誕生日が来週で、“誕生日、来週ですよね。おめでとうございます。素敵な1年になりますように”と伝えてもらって、感激して。“ありがとうございます”と伝えて、思わず笑みがこぼれました」

 森山さんが語った皇后雅子さまとのコミュニケーションには、心が温まる優しさが詰まっていた。

(AERA編集部・太田裕子)

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