嵐、ついに活動終了へ…「テレビ出演ゼロ」「CM一斉放送」そして大野智「引退宣言なし」の意図は? 業界人がみた真意
ライブ当日どこまで話題を席巻するか
5月31日の東京ドーム公演でついに嵐が活動終了する。
開演は18時だが当日は午前からチケット当選者に限らず、東京ドームシティやJR水道橋駅、東京メトロ・後楽園駅周辺が嵐ファンで埋め尽くされるだろう(公式サイトはチケットのない人の来場は控えるようにお願いしている)。
ネット上でもライブだけでなく開演前の15時から特別映像の配信を予定するなど、朝から関連ワードがXのトレンドランキングを席巻するのではないか。

嵐20周年ツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』では日本史上最大となる累計237万5000人の動員を記録した/「嵐」公式X(@arashi5official)より
あらためて「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」を振り返ると、ここまで3月13・14・15日の大和ハウス プレミストドーム(札幌)から、4月1・2日の東京ドーム、同6・7・8日のバンテリンドーム ナゴヤ、同24・25・26日のみずほPayPayドーム福岡、5月15・16・17日の京セラドーム大阪での14公演が行われてきた。
この間けっきょく音楽番組やバラエティへの出演はなく、テレビでその姿を見られたのは、24日に民放キー局で行われた“ジャック”をはじめとするほぼCMのみに留まっている。はたして業界内ではこれをどのように受け止めているのか。
活動休止前の取材歴、嵐にかかわるコラムと書籍の執筆、ラストツアー開始前からの3か月弱で業界内でヒアリングしたことをベースに、「けっきょくテレビ出演なし」「テレビCMを一斉放送」「ラストツアー」「活動終了」「ラストメッセージ」などの背景を掘り下げていく。
大野智は「引退宣言」していない
「けっきょくテレビ出演なし」については、昨秋あたりから民放各局で諦観ムードが漂っていた。「バラエティは難しいとしても音楽番組でのパフォーマンスだけなら」などと交渉を続けたが実現せず、「最後まであきらめないが難しい」というテレビマンの嘆きを何度か聞いている。
櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也は複数のレギュラー番組でテレビ出演を続けている一方で嵐としての出演はゼロ。冠番組の「一夜限定復活」や「過去の総集編」の放送すらほとんどないという状況が続いた。
29日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で「嵐 Mステ最強パフォーマンス特集」が放送されたが、これはデビューから2020年の活動休止まで計140回もの出演歴による特別なものだろう。
ただ、テレビ出演どころか、ラストツアーの宣伝や取材すらままならないのだから当然なのかもしれない。実際、情報番組でラストツアーが扱われたとしても、ほぼ来場客の周辺取材に留まっている。
もちろんこれは異例であり、嵐ならではの現象。活動終了(解散)前は「ライブに来られないファンにお礼を伝える、目に焼き付けてもらう」「本人たちも思い残すことのないように完全燃焼する」という意味でテレビ出演するアーティストが多いだけに、なかには「テレビは切られた」とみなすテレビマンもいた。

Photo by Gettyimages
確かに5人の姿を見られるのはファンクラブ会員向けの動画やSNSに留まっているが、嵐はテレビを切ったというわけではないだろう。個別でテレビ出演しているし、最終公演のCMも大量出稿した。
ではなぜかたくなにテレビ出演しないのか。その背景としてはやはり5月31日の活動終了とともにSTARTOを離れる大野智の名前をあげるメディア関係者が多い。「テレビ出演は芸能人であることを示唆し、メディアに追いかけられる事態につながってしまう」ところがあり、もし「大野の意思を尊重しよう」という意図があるとしたら合点がいく。
ただ、大野は芸能界引退を宣言したわけではなく、「自分らしくマイペースに出来る事をやっていけたら」と今後の活動に含みを持たせている。業界内にはこれを前向きに受け止めている人も多く、「また公の場に姿を見せてくれるのでは?」「数年後に嵐の5人が集まることがあり得るかも」などと予想する人もいた。
ビジネス度外視のプロモーション
次に「テレビCMを一斉放送」については、業界内の誰に聞いても「ビジネス的な意味合いであれば民放キー局すべてでCMを流す必要性はない」「最後の姿だから見てもらいたいのだろう」という意見でほぼ一致。24日以降もCMは流れ続けているが、かなりの費用がかかり、認知度が高いグループであることを踏まえると、コスパ度外視のプロモーションなのは確かだ。
ちなみに最終公演が行われる5月31日にCDシングルとしてもリリースされる『Five』は完全受注生産。購入はブルーレイセットとDVDセットの1人各1点に限定され、2月23日で受付終了するなど、ビジネスよりファンサービスの姿勢が徹底されている。

最後のシングル曲となった『Five』のCDジャケット
最終公演のCMはライトなファン層に向けた「最後だから見ようかな」という告知になるとともに、コアなファンにとって「最終公演へのカウントダウン」という心の準備を整える意味合いも感じさせられた。いずれにしてもファンファーストの嵐らしいプロモーションと言っていいだろう。
また、嵐として各局の番組には出演しないものの、最後にCM出稿という形で貢献するという見方もある。某局で情報番組を手がけるテレビマンは「こういう恩返しの手段が取れるスケールがあるのは嵐だけ」と称賛していた。
それ以外でも、メンバーの1人があるテレビマンに「嵐が番組出演しない理由を丁寧に話していた」という目撃情報が業界内で流れるなど、民放各局との関係性に揺らぎは感じられない。それはこれまでの功績によるものだけでなく、徹底したファンファーストの姿勢がテレビマンたちにも伝わり、理解されているからだろう。
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【つづきを読む】『最後まで「ファンファースト」を貫いた嵐…ビジネス度外視のラストライブに漂う国民的グループの誇り』