「離党するなら辞職」 菅野志桜里氏らに国民民主党が要求する「確認書」 その場しのぎ感が必死すぎて

 間近に迫る今夏の参院選を前に、国民民主党は比例代表で擁立する立候補予定者に対し、党の理念や重要政策への賛成を約束させる「確認書」の提出を求めている。離党時には議員辞職することを盛り込んだ。だが公認候補が党是を守るのは、そもそも当たり前の気もする。あえて確認書を持ち出すのはなぜか。立候補予定者と交わすこの約束、信用していいのだろうか。(山田雄之)

連合の芳野友子会長(左から2人目)から選択的夫婦別姓制度について要請を受ける玉木雄一郎代表。右端は円より子衆院議員

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◆「公認取り消し」や「議席返上」

 「結党の理念や現在の考え方に合意しているかどうかが、仲間として一緒にやっていく基準になることを皆さまにも共有いただきたい」。国民民主の玉木雄一郎代表は13日の会見で、比例代表の立候補予定者を決定する際に確認書を交わしていると明らかにした。

記者会見する国民民主党の玉木代表=13日、国会で(佐藤哲紀撮影)

 昨秋の衆院選で「手取りを増やす。」をキャッチフレーズに公示前から議席を4倍に伸ばした国民民主。共同通信の今年4月の世論調査でも、政党支持率は18.4%で野党トップを走る。参院選での党勢拡大を目指し、候補者の積極的な擁立の姿勢を示している。

 確認書では「党の合意事項に反する行動はとらない」と明記。反する行為があれば公認を取り消し、当選後に離党する場合は議席返上を求める。さらに憲法では「緊急事態における国会機能維持をはじめ、議論を進める」、原発は「エネルギー安全保障の観点から必要性を認め、議論を進める」との方針に従うことを確認する。

◆擁立の動きに「支援者から懸念の声」

 確認書提出の背景について、玉木氏は他党出身の議員経験者らを前提にして、擁立の動きに懸念の声が支援者から出ていると説明。一方で「いろいろな政治経験の方の参加を考えないと党は大きくなっていかない」とも強調した。

菅野志桜里氏(資料写真)

 主に物議を醸しているのが、元日本維新の会衆院議員の足立康史、立憲民主党にも所属した元衆院議員の菅野志桜里、元参院議員の須藤元気の3氏。過去に足立氏は国民民主の支持母体である連合を批判し、菅野氏は既婚男性との交際疑惑が報じられた。須藤氏は原発の活用に否定的だった。いずれも比例代表での擁立が14日に決まった。

 政治ジャーナリストの泉宏氏は「参院選後に政界再編の機運が高まった際に中心政党でありたいともくろむ中、素人ではなく『即戦力』となる人材が必要と判断した上での擁立だ」と読み解きつつ、確認書について「支援者らの不信感や不安を払拭するためのアピールなのだろうが、党と候補者の間での単なる約束に過ぎない。有権者が投票する上で信頼する何の根拠にもならない」と切り捨てる。

◆頭数だけ確保しても瓦解リスクが…

 確認書を交わせば約束は本当に守られるのか。「こちら特報部」は国民民主の党本部に離党時の議席返上の実効性について尋ねると、「『拘束力』と言われると難しいが、毅然(きぜん)とした対応をする」と応じた。泉氏は「離党を促す根拠にはなるが、国会議員は身分保障が強いので議員辞職までは現実的に難しい。確認書に印を押せば当人の資質が変わるわけでもなく、『訳あり候補者』を擁立する上での党の弁明だ」と説く。

 中央大の山崎望教授(政治理論)は「党是の順守を求めるならば、確認書を交わす以前に党の理念に強く賛同する人材を見つけて擁立すべきではないか。その場しのぎの感が強く、さらに党の信頼が揺らぐ恐れがある」と指摘する。

 国民民主は民間労組を中心とした支持基盤がある一方、「ポピュリスト的に人を集めている集団で、多分野でさまざまな考えの持ち主がいる」と解説。「支持率の低下などが起きた場合、玉木氏への批判なども出てくるだろう。頭数だけを確保する寄せ集めでは、かつての民主党のように後に瓦解(がかい)する可能性がある」と見通した。

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