朝ドラ「あんぱん」“ヤムおんちゃん”阿部サダヲ「嵩(北村匠海)は草吉にどこか似ている」【コメント全文】

連続テレビ小説「あんぱん」の登場人物、パン職人の屋村草吉(阿部サダヲ)(C)NHK
NHKは30日、現在放送中の連続テレビ小説「あんぱん」に、屋村草吉役で出演している俳優、阿部サダヲのコメントを発表した。
通算112作目となる朝ドラで、人気アニメ「アンパンマン」の原作者として知られるやなせたかしさんと小松暢さんの夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかったヒロイン朝田のぶ(今田美桜)とその夫、柳井嵩(北村匠海)の人生を描く。

(左から)屋村草吉(阿部サダヲ)、朝田釜次(吉田鋼太郎)(C)NHK
阿部演じる草吉は、のぶと嵩の人生に大きな影響を与える風来坊のパン職人。どこからともなくふらりと高知にやって来た謎の男で、お金にうるさく口は悪いが、パン作りの腕はたしかで、幼くして大黒柱だった父を亡くしたのぶとその母、羽多子から懇願されて、朝田家の屋根裏部屋に住み込んでパンを焼いている。、東京・銀座の有名パン屋「美村屋」で働いた経験があるようだが、自身の過去について話そうとしてこなかった。しかし第10週で、軍からの注文に応えて乾パンを焼くよう求められて固く拒み、その理由をのぶの祖父、釜次(吉田鋼太郎)にだけ明かすと、翌朝から黙々と乾パンを作り始め、納品後に朝田家から去っていった。

(左から)朝田のぶ(今田美桜)、屋村草吉(阿部サダヲ)(C)NHK
阿部サダヲが語る草吉の人物像、演技のポイント
――「こころ」(2003年度前期)以来の朝ドラ出演となりましたが、阿部さんの思う草吉の人物像と、演じるうえで意識していることは?
「朝ドラは、お父さん役もできる年齢になってきたかなと思っていましたが、それとはまたちがう、風来坊のパン職人というおもしろい役をいただけて、やりがいがあるなと感じています。僕の想像ではありますが、草吉は何かを諦めてきて、愛情に飢えている。だからこそ、人にすごく興味がある人物なのかなと。一見冷たそうに見えますが、結局は困っている人がいると助けたくなってしまうのだと思います。とはいえ、特に前半は、なんだかよく分からない人でいたほうがいいんだろうなと思って演じていました。
草吉は言葉遣いが荒いので、ただの気が強い人に見えないよう、なるべくあたたかい印象に持っていけるようにしたいと思っています。釜次さん(吉田鋼太郎)との掛け合いで、ユーモアのある感じに見えるといいなと。あとは、脚本の中園さんに『ヤムさん、おもしろくしてください』と言われたので(笑)。暗くなるような場面も、明るくしていければと思っています。ただ、皆さんが方言に苦労されていて、僕が勝手なことをしてしまうと、急には方言が出てこなくて困らせてしまうので。そこはあまり乱すことはしないように気をつけています」

(左から)屋村草吉(阿部サダヲ)、朝田釜次(吉田鋼太郎)、くら(浅田美代子)、メイコ(原菜乃華)(C)NHK
――パン職人という役柄ですが、パン作りの練習はいかがでしたか?
「実際にパンの工場に行って、パンをこねて、あんこを包んでという基礎から練習しました。撮影では、道具も作り方もその時代に合わせています。パンがおいしそうに見えないから撮り直しということもありましたし、ツヤ感が重要みたいです。『あんぱん』を見て、朝ごはんがパン派になる人も多いんじゃないかな(笑)。
草吉があんぱんで悲しみに包まれた朝田家の人々を救ったり、のぶや嵩の受験のときに“合格あんぱん”をあげたり、元気になってほしいときにあんぱんを焼くっていうのは、いいですよね。いつの間に作っていたんだろうという場面も多いですが(笑)。みんなのことを思って、こっそり作っているんでしょうね」
「戦争への思いも明らかに」
――草吉として、のぶと嵩のことは、どう見ていますか?
「あの二人の関係性はすごくおもしろいなと思いながら見ています。のぶのように、あれだけ明るくまっすぐに向かってきてくれる人ってなかなかいないと思いますし。だから、嵩はこの人がいいなと思ったんでしょうね。草吉からすると、嵩はどこか似ているところがあったんだろうなと。最初に川辺で、ひとりぼっちでいる嵩を見たときから、そのさみしげな姿に、何かシンパシーを感じたんだと思います。草吉からすると、嵩は気になって仕方ない存在なのかもしれません」
――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします
「『あんぱん』は、愛があり、やさしい気持ちになれる作品だと思います。草吉はずっと朝田家にいましたが、やっぱり風来坊ですからね。どこかに行かなくてはなりません(笑)。草吉の戦争への思いというのも、このあと明らかになると思いますので、ぜひ今後の展開も楽しみに見てもらえるとうれしいです」