「友だちが多い高齢者」と「孤独な高齢者」…人生の幸福度を分けるシンプルな習慣とは?

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幸福度の高い高齢者は、積極的に友人を作って交流を図る傾向にあるが、60歳以上の日本人は、世界的に見ても「友だち」が少ないことがデータで明らかになっている。「今さら友だちなんてつくれない……」という人へ向けて、脳の専門家が科学的にアドバイスする。※本稿は、西 剛志『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。
世界的にも日本人は
「友だち」が少ない
内閣府のデータによると、60歳以上の約3人に1人は親しい友だちがいないそうです。これは世界でもかなり低いほうだそうです。
また、日本人の特徴として、同性の友だちが多く、異性の友だちが少ないという傾向もあります(図1)。

同書より転載
人とのコミュニケーションは脳にとってとてもプラスな行為です。
「友だちはいらない」「人と話すのは苦痛」、そういう人には確かにかえってストレスになるので、無理をする必要はないと思いますが、「人と話したいけれど、なかなか友だちがつくれない」という人には、これから紹介する方法を友だちづくりの参考にしてみてください。
ポイントはいくつかあります。
ひとつは共通項を見つけることです。
友人形成の研究によると、人は同じ要素や似た要素「ホモフィリー」があると惹かれ合い、友人になりやすいことがわかっています。「類は友を呼ぶ」とはまさにこのことですね。英語ではこういうことわざもあります。Birds of a feather flock together.(同じ羽の鳥は一緒に集まる)
本来は、相手が異性でも、子どもでも学生でも社会人でも、同じ共通点があれば友だちになれるということを意味しています。
でも、多くの人は友だちというと、次のような定義をしているのではないでしょうか。
友だちは「同世代の同性」
この考えが、友だちをつくりにくくさせているひとつの要因です。同世代、かつ同性の中から探そうとすると、すでに選択の幅が狭くなっています。特に日本人はこの傾向が強いです。
友だちをつくるのに
性別や年齢は関係ない
また高齢になればなるほど、同世代の人は亡くなっていくため、友だちをつくるという視点で見ると、同世代同性の友だちしかいないのは、さらにリスクがあります。
歳の差がある友人関係のことを、「エイジギャップフレンドシップ」と言います(歳の差カップルならぬ、歳の差フレンズ)。
欧米では増えているようで、音楽関係では、エルトン・ジョン(77)&ブルーノ・マーズ(39)なども歳の差フレンズとして有名です。
欧米では、この歳の差フレンズに拍車をかけているのが、SNSやインターネットの利用です。SNSで発信したり、インターネットなどで特定のコミュニティーに参加したりすると、世代を超えた交流を手軽に実現することができます。これからは、日本も高齢者ほどSNSが役に立つ時代が来るのではないでしょうか。
年下の友人がいる高齢者の特徴は、自分が相手よりも年長でも相手と対等に接する人が多いことです。私も20歳年上の友人がいますが、その人は最初に会ったときから私を年下と思って接するのではなく、敬語を使って対等に接してくれたのがとても印象的でした。人は上下関係で接することを嫌います。対等に接して初めて友だちと言えるのです。
自分が思っている友だちの定義を変更し、歳の離れた人、異性で友だちになれる人がいないか探してみると、意外と見つかるかもしれません。そのとき大切なことは、相手と対等に接することです。
異性の友だち関係が生まれやすいのは、「お互いにパートナーや恋人がいるとき」という傾向もあるそうです。パートナーがいない異性を、友だちではなく恋人候補、結婚相手候補ととらえる風潮があり、友だちになりにくいそうなんです。
下の表(図2)は、60歳以上の人の「友人との会話内容」をまとめたものです。「健康関係のこと」がトップで、以下「日常のこと」「趣味のこと」「家族のこと」と続きます。

同書より転載
幸福度の高い人は
友だちとよく交流している
健康関係が一番というのは、やはり誰にとっても共通事項だからです。病気のことや健康に関する情報は、友だちをつくるうえで格好のテーマになることを意識しておくのもいいかと思います。
ほかにはどんな友だちづくりの方法があるのでしょうか。
科学的な方法を11個紹介します。
1.お気に入りのお店を見つける(レストラン、居酒屋、喫茶店、バーなど)
2.散歩できるペット(犬など)を飼う
3.複数のコミュニティーに参加する
4.同窓会を開く
5.アルバイトをする
6.習い事を始める
7.ボランティアに参加する
8.友人に紹介してもらう
9.SNS、インターネットなどでコミュニティーに参加する
10.年代を超える
11.性別を超える
たとえば、70代の知人から聞いた話があります。いつ会っても幸せそうに生きている人で、自身も「幸福な人生」といつも言っているくらい、幸福度の高い人です。
彼が大切にしているのが、友だちをつくることだそうです。ホテルのバーやジャズ喫茶に1人で行っては、隣になった人と何気なく会話をして、友だちになることが多いそうです。初めて会った人と友だちになれることが喜びで、LINEやSNSを交換して、その後も気軽に交流できるのがとても楽しいと言っていました。
あちこちに心の友人がいると、もしも1人失ったとしてもつながりを保つことができます(貯金のようなものかもしれません)。
同じレストランに通う人は、同じ価値観を持っている可能性があります。お店のデザインや料理、サービスの特徴、店主の考え方などの好みが合いやすいので、仲がよくなりやすいのです。
金銭感覚の一致は
友人関係において特に重要
ほかの方法もそうですが、人は共通点が多いほど友だちになりやすい傾向があります。共通点が1つよりも2つ、3つ、4つと多くなるほど、親近感もわいてきます。
ですから、相手との共通点を探すことも大切です。そのためには、自分の話ばかりではなく、相手の話を聞くことです。「天気いいですね」だけでなく、たとえば、「昔はどんな仕事をしていたのですか?」「どうしてその仕事をしようと思ったのですか?」など、その人に関心を持って話を聞いていくと、自然と自分と共通する点が出てくることがあります。また、表面的な雑談よりも深い話をしたほうが幸福度が高まると言われています。
同じ要素の中でも、特に「お金の価値観」は、友だちでいるうえで重要な要素です。
カンザス大学の研究でも、金銭感覚の不一致は、離婚の最も大きな原因であることがわかっていますが、それだけお金の価値観は長期的に親密な人間関係を築くうえで大切な要素なのかもしれません。お金の損得感覚のずれは、脳に大きなストレスを与えることも考えられます。
また、パートナーシップ(友人を含む)の研究でわかっていることがあります。それは、お互いに補い合える相手ほど長続きするということです。同じ要素も大切ですが、違う要素もあったほうが長続きするということです。
友人でも婚姻相手でも、長続きする心のパートナーとなる人は
「同じ要素(安定を満たす)+違う要素(刺激をくれる)」
ということになります。この2つの要素があって、最高のパートナー(友人)となるのです。
人を嫌いになるきっかけの
9割が「匂い」だった
男性は嗅覚の衰えが女性よりも速く、自分の匂いがわからなくなってしまうこともあります。実際にすごい加齢臭がしていても、本人は自分の匂いに気付いていない可能性があるので、注意が必要です。
ちなみに、若い女性特有のいい匂い(桃や花のような甘い香り)は「ラクトンC10」「ラクトンC11」という成分で、10代後半がピークで35歳でなくなってしまいます。男性の加齢臭(古本のような匂い)は「ノネナール」で、40歳頃から増加することがわかっています。
ある衝撃的な調査があります。東北大学の坂井信之先生が800人を調査した結果、「人を好きになるきっかけは見た目」「人を嫌いになるきっかけの9割は匂い」だったのです。人と接するときは、まずは自分の匂いに気を付ける必要があります。特に高齢の男性は、加齢臭を意識していい香りをつけると友人ができやすいかもしれません。また、口臭も気にしたいところです。
いい香りがすることは、脳にもいいし、友だちや知り合いも増えやすいので一石二鳥です。さらに、いい香りはその人の顔の印象をよりよく見せる効果があると言われているので、一石三鳥です。
ちなみに女性も男性よりは少ないですが、40歳くらいから加齢臭が出始めます。
最新研究で加齢臭ノネナールは肌にダメージを与えることもわかっているので、見た目の老化にもつながります。
加齢臭を防ぐためには
活性酸素を減らすべし
一方で、50~70歳になっても加齢臭が出ない人が半分ほどいます。こういう人は「肌を清潔にしている」あるいは「抗酸化力が強い人」だと考えられます。ノネナールは、皮脂が酸化して発生する物質で、活性酸素が多い体質になると増えるからです。
加齢臭が発生しやすい部位は「頭」と「耳の後ろ」「お腹や背中」「首の後ろ」です。
では、加齢臭はどうやって防いだらいいのでしょうか。清潔にすることは大前提ですが、具体的な方法がいくつかあります。

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』 (アスコム) 西 剛志 著
・マイクロバブル浴をする。シャワー浴や湯浴よりも効果があることがわかっています。
・コエンザイムQ10を摂取する。実験の結果、65~74歳の女性の加齢臭を軽減しました。
・家にいるよりも外に出る。在宅勤務のほうが出社するよりも1.5倍加齢臭が出ることが報告されています。
加齢臭は活性酸素がつくられることで起きるため、健康のバロメーターとしても活用できます。加齢臭が出る人は体が酸化しやすい人で、それは脳もダメージを受けます。過剰な脂質やアルコールはほどほどにして、抗酸化物質をたくさんとり、睡眠や適度な運動をすることで活性酸素を減らせば、加齢臭も減ってくるはずです。