中国が『岩』と主張なぜ?沖ノ鳥島は『日本の島』どう発信?「インバウンドの流れでツアー組めないか」

中国が『岩』と主張なぜ?沖ノ鳥島は『日本の島』どう発信?「インバウンドの流れでツアー組めないか」

日本の最南端にある「沖ノ鳥島」。日本のEEZ(排他的経済水域)である沖ノ鳥島周辺で、中国の海洋調査船がワイヤーのようなものを海中に下ろすところが確認された。日本の同意を得ていない調査活動で、中国側への抗議の後、中国船はEEZから出ていった。

しかし中国・外務省は、沖ノ鳥島を「島ではなく“岩”だ」と主張。公海での活動であり、日本は干渉する権利がないと反発した。この主張は2004年以降、中国がたびたび繰り返しているもので、いまに至るまで何度も、沖ノ鳥島周辺での海洋調査を行ってきた。

そもそも国際法上では、“島”の定義を「高潮時でも水面上にあるもの」としており、条件を満たしている沖ノ鳥島は、「島」として扱っている。にもかかわらず、なぜ中国は「岩」と主張するのか。『ABEMA Prime』では、中国が調査を繰り返す狙いを識者に聞くとともに、日本の領土と海の防衛について考えた。

■「中国が持ってる能力、日本の見方によって言い方が変わってきた」

防衛省防衛研究所・中国研究室長の増田雅之氏は、「1988年の中国軍の新聞に、『沖ノ鳥“島”は、あの岩自体に何の価値もないのに、なぜ日本はそこまでするのか。そこには資源などを確保する長期的な視野があって、素晴らしい』と書いてあった。中国は近くの南シナ海でも確保できないが、日本は遠い岩みたいなところでも、“島”として守っていると評価していた」と紹介する。

当時は鄧小平政権だったが、「置かれた状況や中国が持ってる能力、日本の見方によって言い方が変わってきた」のだそうだ。

Age Well Japan代表の赤木円香氏は、「中国は自国のメリットによって主張を変えてきた」と指摘する。「客観的に見れば、文脈は読み取れる。中国と向き合うと、オラつかれてしまうため、国際社会を巻き込みながら『日本の島だ』と、より主張する必要がある。インバウンドの流れに合わせて、ツアーを組めないのか」と提案する。

海洋生態学者で京都府立大教授の石川智士氏は、沖ノ鳥島での海洋調査も経験。「東京から行くと1700キロか1800キロで、船で行って3日ぐらいかかる」と説明した。そして「ほぼ人間の影響が入っていないため、教育や調査拠点としては素晴らしい」と評している。「前回調査では、外洋の周りだけでも、46種ほどの魚がいた。環礁を探せば、より多様な生物がいる。絶海の孤島に、どうやって彼らがたどり着いたかを考えると、太平洋全体の海洋生態系を解明できるチャンスもある」とし、「日本はそれを埋めたりせずに、守りながら利用するスタンスだ。世界と一緒にやれる拠点としてはすごくいい」と語った。

■「中国は一枚岩の姿勢を見せないといけない」

強硬な姿勢を見せる中国だが、増田氏によると「中国側の解釈も、必ずしも1つではない」のだそうだ。「周辺で行われる外国の軍事活動を拒否したいが、中国自身は海軍力を強め、より遠くへ出ていきたい。どちらの立場で国際法を解釈するかだ」。

そこにはジレンマがあり、「アメリカは『航行の自由だ』との解釈のもと、世界中を動き回っている。かつて中国は遠くへ出られなかったため、拒否する姿勢を取っていた。しかし、そうすると、今度は軍事的に出られなくなる。そこの解釈が、中国国内で固まっていない」と説く。

中国の態度としては、「公的機関である外交部が言えば、一枚岩の姿勢を見せないといけない。『軍事的に価値がある』『資源がある』といった、具体的なメリットから解釈を作ってきた。外交部はそれを主導する立場にないため、『まとまった内容はこうだ』と再確認しただけだ」と考察する。

沖ノ鳥島だけでなく、最近では尖閣諸島などでも、中国が海上行動を行っている。「尖閣周辺については、中国は何もできていなかった。日本が国有化してから、船を大量投入して、性能を上げ、ヘリコプターを積んだ。中国は『ゼロから始めて日本と戦っている』という現状を認めさせたい」。

両国の関係性を見ると、「日本は失う立場だが、元々なにもない中国はプラスだ。ここ2年間、中国では海警局の内規が整備されて、外国船を拿捕(だほ)できる制度が整った。『あの手も打てる、この手も打てる』と、大量のカードを見せているのが現状だ」とした。

(『ABEMA Prime』より)

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