焦げたパソコンにむき出しの配線…イラン政府、生放送中に攻撃受けた国営テレビ内部を公開

 【テヘラン=吉形祐司】イラン政府は25日、イスラエル軍が16日に爆撃した首都テヘランの国営テレビ内部を外国メディアに公開した。対外宣伝工作の一環とみられるが、5階建ての建物の内部は黒焦げのパソコンなどが散乱し、天井や壁からはむき出しの配線が垂れ下がるなど、攻撃のすさまじさを物語っていた。

 テレビ局への攻撃はニュースの生放送中に行われ、爆発音で女性アナウンサーが離れ、画面が粉じんで覆われる模様が伝えられた。アナウンサーは無事だったが、ニュース編集者ら2人が死亡、複数の負傷者が出た。

イスラエル軍に攻撃されたイラン国営テレビの建物(25日)

 攻撃されたのは、屋外でのインタビューで背景として使われる象徴的な建物だった。5階建てコンクリート造りで、正面入り口はガラス張りで「ガラスのビル」と呼ばれた。

 読売新聞テヘラン支局の現地スタッフが取材に参加し、建物に近づくと、地面に散乱したガラスの破片が足元で音をたてたという。

イスラエル軍の攻撃で破壊されたイラン国営テレビの内部(25日)

 女性アナウンサーが出演していた「ニュース・チャンネル」のスタジオがあった2階は、攻撃によって発生した火災で焼け、パソコンやキーボードが焦げていた。天井板は落ち、配線がむき出しとなっていた。

イスラエル軍の攻撃で破壊されたイラン国営テレビの内部を案内するペイマン・ジェベリ国営放送会長(右、25日)

 イスラエル軍は事前に攻撃地区を予告していたため、爆撃を受けた当時は多くの職員が避難し、ニュースの担当者だけが建物内に残ったという。国営テレビを運営する国営放送のペイマン・ジェベリ会長は「まさか生放送中のスタジオは狙わないと思った」と憤った。

 イランでは国営放送が複数のテレビチャンネルやラジオを独占し、会長は最高指導者が任命する。イスラエル軍は国営テレビを攻撃した理由について、「政権の通信センターで(精鋭軍事組織)革命防衛隊の指揮下にある」と説明した。