ネコに学ぶ「すぐにカッとなる自分を変える」方法

ネコに学ぶ「怒り」のコントロール法を紹介します(写真:らい/PIXTA)

遊びたい時は遊び、昼寝したい時は昼寝する。あまえたい時は人にすり寄り、気が乗らなければプイッとそっぽを向く――。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会ファウンダーの安藤俊介氏は、そうした自由なネコの姿の中に、感情をコントロールするためのヒントが隠れていると指摘します。
本稿では、そんな安藤氏が提唱する「怒りの感情をコントロールする方法」について、同氏の著書『そんなに怒らニャくてもいいんだよ ネコと学ぶ心が軽くなる方法』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

怒りの「大きさ」に目を向けてみる

【怒りの強度を知る方法】

イライラや怒りの扱いが難しいのは、「目に見えない」ということが理由のひとつ。イラッとした時、それがどれくらいの怒りなのかよくわからないから、強く怒ってしまって後悔をした、なんて経験がある人も多いでしょう。

【画像】ネコに学ぶアンガーマネジメント「心の中に温度計をイメージする」

ムカッとしたら心の中に温度計をイメージしてみてください。温度計は怒りの強さを表すもの。0から10までメモリがあるとしたら、今感じている怒りがどれくらいの温度なのか考えてみましょう。

これって3くらいかな、この前の怒りが5だと思ったから、それよりは低いか。これを4にすると、この前のものを6にしたのは強すぎたかな……。

こんな風に自分が感じた怒りの温度を考えることで、ちょっとの間冷静になることもできますし、必要以上に強く怒ることも防げます。

この方法はアンガーマネジメントのれっきとしたスキルのひとつ。スケールテクニックと呼ばれるものなんです。

病院で「今の痛みは10段階だとどれくらいですか?」と聞かれることがあります。「痛い」だけだと伝わらないからで、それと同じことです。

(出所:『そんなに怒らニャくてもいいんだよ ネコと学ぶ心が軽くなる方法』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

【別のことを考えると怒りが大きくなる】

人の怒りは、過去、未来、別の場所のことを考えると今よりもずっと大きくなることがわかっています。

過去とは原因のこと。「なんでこんなことになったんだろう?」「あんなことを言うのが悪いんだ!」と過去・原因を考えれば考えるほど、思い出し怒りで怒りが強くなります。

未来については何を考えているかといえば、不安と仕返しです。「また同じことが起きたらどうしよう?」「もし同じ目にあったら、次はこうしてやるんだ!」と、起きてもいない未来のことを考えて不安を大きくしたり、怒りを自分で膨らませたりしています。

これらは全部、ここではない別の場所のことです。逆に言えば、今、この場所のことしか考えないと、怒りは大きくなりにくいのです。

大人よりも子どものほうが基本的に無邪気でいられるのは、過去や未来や余計なことを考えず、今、目の前のことだけに意識が向いているからです。子どもって消防車が通ると「消防車!」とそのまま言いますよね。そんな感じで、目の前にあるものだけを言ってみて。今、ここに意識を向けられます。

(出所:『そんなに怒らニャくてもいいんだよ ネコと学ぶ心が軽くなる方法』より)

「逃げる」をポジティブな選択肢に

【逃げることは大事な退却戦略】

そこにいて危ない目にあいそうになったら、あるいは、そこにいて良いことがなさそうだったら、さっさと逃げたほうがいいです。ネコはそこにいて良いことがなさそうだったら、すぐにその場から逃げます。ネコに限らず、あらゆる動物はそうです。

でも、なぜか人は、特に日本人は逃げることを良いことと考えていません。逃げることは卑怯、責任放棄、大人としてどうかと思うといった感じで、ネガティブなイメージがあります。

プライドが高く、逃げることができない人もいます。そういう人は、逃げることは負けることと思っています。

逃げることは選択肢のひとつです。

アンガーマネジメントをアメリカで習う時、最初に教わる言葉があります。それは「RUN!」です。「走れ!」という意味ですが、「逃げろ!」という意味で使われます。

その場にいて良いことがないなら、さっさと逃げなさいと教わります。逃げることは大事な退却戦略なのです。

ドラマのタイトルとしても有名な「逃げるは恥だが役に立つ」はハンガリーのことわざ。逃げることは人生を生きるひとつの知恵です。

(出所:『そんなに怒らニャくてもいいんだよ ネコと学ぶ心が軽くなる方法』より)

なぜか「機嫌が良い時」ってありませんか

【気づいていない「きっかけ」がある】

何をやってもうまくいく、別に何があるわけでもなく機嫌が良い、根拠があるわけじゃないけれどうまくいく気がする、なんだかとても気分が良い時ってありますよね。

なんでそう感じるのか、思えるのか、実はよくわかりません。よくわからないから、そういう状態を忘れてしまうし、あの時はなんでうまくいく気がしたんだろう?と他人事のように思えてしまいます。

「調子が良い時」というのは突然空から降ってくるわけでも、誰かが持ってきてくれるわけでもありません。自分が気づいていない何かのきっかけから、調子が良いと思えるようになるのです。

問題はそのきっかけが何かわかっていないことです。調子が良いと感じた時、直前に何があったのか覚えておきましょう。誰かに会っていた、何かを見た、天気が良かった、好きな音楽を聴いた、ニュースを見たなどなど。きっかけがわかれば、調子の良い自分に戻りやすくなります。

調子が良い時に考えていることは何ですか? その時に考えていることを思い出してみることも、調子の良い自分に戻るきっかけになります。

(出所:『そんなに怒らニャくてもいいんだよ ネコと学ぶ心が軽くなる方法』より)