ひかる一平&直江喜一、「金八先生」椎野&“腐ったミカン”加藤が45年ぶりに共演 盟友・沖田浩之さんに想いを馳せる 映画「還暦高校生」対談前編

「還暦高校生」で共演するひかる一平(左)と直江喜一 撮影:中村実香
「いかレスラー」「日本以外全部沈没」「地球防衛未亡人」など、理屈抜きに楽しめる“日本バカ映画”を世に送り出してきた巨匠、河崎実監督。6月27日に公開された最新映画「還暦高校生」は、監督が影響を受けた1960~80年代に制作されたテレビドラマ「飛び出せ!青春」「3年B組金八先生」「スクール☆ウォーズ」といった名作に、愛とオマージュを捧げた青春学園映画だ。

「還暦高校生」場面写真(C)ロングキャニオン2025
同作で主演を務めるのが「3年B組金八先生」第2シリーズや「必殺仕事人Ⅲ」などの名作ドラマで人気を博した俳優、ひかる一平。毎年大学受験をするも、42回連続で留年してしまい、ついに還暦を迎えた現役高校生、椎名役を学ラン姿で演じている。そして、彼をはげますかつての同級生、伊藤を演じたのが金八先生の「腐ったミカン」として強烈なインパクトを残した直江喜一だ。本作で、45年ぶりの共演を果たし、今も互いを「優」「一」と「金八」時代の役名で呼び合うふたりが、ともに過ごした濃密な青春時代や、映画撮影時の思い出をざっくばらんに振り返るインタビュー。前編となる今回は、45年ぶりの共演のきっかけや当時の思い出を語ってくれた。

「還暦高校生」場面写真(C)ロングキャニオン2025
約半世紀ぶりの共演は、お互いにセリフの覚えが悪くて…
河崎実監督最新作「還暦高校生」で、実に45年ぶりとなる共演となったひかると直江。率直な感想を聞くと、直江は「うれしかった」と、ストレートに喜びを表現した。
直江「『おはようございます』とあいさつして、すぐに演技ができるのがうれしかった。やっぱり『セリフ合わせて』と言いづらい役者さんもいるけど、そういうのないからな」
ひかる「まあね。気心が知れている、というのはあるよね」
直江「『三つ子の魂百までも』というやつだよな」
ひかる「優がいてくれると安心できた。優は俳優として現役だけど、僕は今、俳優養成事務所を経営して、裏方に回っているから。そういう意味でも、安心して任せられた」
直江「お互いにセリフの覚えが悪いから、三行以上になっちゃうとどうしようかみたいな感じで(笑)」

「還暦高校生」ビジュアル(C)ロングキャニオン2025
ひかる「俺は二行だから(笑)! 優は、昔からセリフ多かったじゃん。俺は『金八』の時は、しゃべっていないから」
直江「(『3年B組金八先生(第2シリーズ) 第9回 受験と恋と勘違い』でのモノローグ)『僕、加藤君が好きだ』ぐらいしか言わなかったな。一緒にいるシーンはいっぱいあったけど、セリフの掛け合いをした記憶はほとんどないんだよな。今回は、一が演じる椎名と、俺が演じる伊藤が久しぶりに会ったっていう役どころで久しぶりに共演したけど、すごく自然にナチュラルにふわっと演じられたよね」
直江の出演は、ひかるからのLINE経由でのオファー!
今回の共演は、80年代ドラマを心より愛する河崎監督からの依頼だったと、ひかるは明かす。
ひかる「河崎監督から『直江さんに連絡取ってくれない?』と、僕に依頼があったんだよね」
直江「一からLINEで『多分、映画の話来ると思うよ』というメッセージがあって」
ひかる「でもね、こうやって飲み以外でも会えて、一緒に仕事ができたっていうのは、すごくうれしかった。お互い老けちゃったんだけど、気持ちを若返らせてくれた」
直江「金八の生徒同士での共演って、なかなかやれないからね。この業界、『じゃ、また会おうね』って言っても一生会わない人なんて、いくらだっているじゃん。だけど45年ぶりで、ちゃんとセリフの掛け合いができたというのは感慨深いよね」
ひかる「金八の仲間とはグループLINEでつながってるけど、『今度、映画で共演するよ』って報告したら、映画館に足を運んでくれるだろうね」
今のように個人が携帯電話の番号やメールアドレスを所有していない昭和時代では、相手の連絡先を把握し続けるのが困難だった。そんななかでも「3年B組」の仲間たちとの絆を保つことができているのは、2011年に放送された「3年B組金八先生ファイナル~『最後の贈る言葉』4時間SP」の撮影が大きなきっかけだったという。
直江「あれがなかったら再会できなかったな。俺ら第2シーズンからは22人が参加して、その後の桜を見る会で連絡先を交換したのが大きかったよね」
ひかる「あの時から、優が一番、携帯電話の扱いに長けてたから、LINEの連絡先を入れてもらって。今も優がパイプ役だよね」
直江「一は意外と一匹狼というか、『ムーミン』のスナフキンみたいな感じだよね」
ひかる「あの時、所属していた事務所でも、そんな感じだった」
直江「たのきんとシブがき隊の間に一人でいたもんな」
熱血教師と中学3年生の生徒たちの日常を描く「金八先生」では、生徒役の俳優陣も中学生が多数を占めていた。その中でも、ひかるは当時、高校一年生。直江と、学校の番長である松浦悟役の沖田浩之さんがい高校三年生ということもあり、大人チームとして親しくしていたという。
直江「当時のマスコミは、ヒロと一と俺とで『たのきん第二弾』って言っていたけど、全員事務所が違った。一が(旧)ジャニーズで、ヒロがスターダストプロモーション、そして俺が今は亡き劇団こまどりだった(笑)」
ここで、ひかるはちょっと懐かしそうな目をして、こうつぶやいた。
ひかる「ここにヒロでもいたら面白いなと思うんだよな。3人でライブやったりしたかった」
直江「そうだな」
1999年に残念ながらこの世を去ってしまった盟友に、想いを馳せた二人。後半では「還暦高校生」の見どころについて熱く語ってもらう。