「母に内緒で初の地域包括支援センターへ!」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第53話

 漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさんの母は82才。慢性膵炎に加え、ここ数か月は脚の不調も抱え、不安が募るばかり。あるとき介護の相談ができる「地域包括センター」の存在を知って――。

母には内緒のはなし

 皆さまにお願いがあります。今回のエッセイの内容は決してうちの母に話さないでください。あ、「押すなよ押すなよ‼」的なネタ振りではありませんよ~。

 実は…行ってきちゃいました。「地域包括支援センター」

 先日偶然このワードを聞き、両親を自宅で介護している知人とお姑さんが施設に入居された知人、両方に「知ってる?」と聞いたら「知ってるよー」との返事。

「介護サービスのこと色々教えてもらえたし、必要な手続きをしてもらったり、相談にも乗ってもらえたよ」とのこと。「相談に乗ってもらえる」。それは興味深い。

 母の脚が悪くなってもう2か月以上です。母は介護的に今どういう状況なのか?もし介護が始まるならこの先どういう展開になるのか?を聞いてみたいと思いました。

 知人から「自分の住んでいる地区ごとにセンターがある」と聞き、ネットで「地域包括支援センター」で検索してみると市のホームページにリストが。それらしきセンターに電話してみました。

私「あのー、母のことで相談したいんですが、〇〇地区のセンターはこちらでいいですか?」

スタッフ「はい、こちらで大丈夫ですよー(明るい声)」あ、なんか安心感。

 母と私の名前と住所、相談したい内容を伝えると「自宅にお伺いしましょうか?」とのこと。

私「いえ、実は…母には内緒なんです」

スタッフ「あ、なるほど、わかりましたー(明るい声)」さらに安心感。

「平日は必ず誰かいますし予約もいりませんから、いつでもふらっと来てみてください」とのこと。電話から3日後に地域包括支援センターへ「ふらっと」行ってみました。

 電話を受けてくれたスタッフさんに話を聞いてもらえました。というかまずは色々聞かれました。脚が悪くなってから今日までの流れや過去の病歴(慢性膵炎ほか)に加え、母の日常生活・趣味・性格まで。

スタッフ「明るくて前向きなお母さんですねー」

私「そうなんです。本人が治る気満々なんで、ここに相談に来たことは内緒なんですよー」

スタッフ「わかりますー。介護を嫌がる高齢のかたは多いですよ」

私「プライドですかねー」

スタッフ「気持ちが若いんですよ(にっこり)」

――で、本題へ。

私「もしこのまま母の脚が回復しなかったとして、どのタイミングで何をしたらいいのかがわからないんです…」

スタッフ「介護用の杖や歩行器をレンタルしたいとか、自宅に手すりをつけたいとかってなった時がタイミングですね。こういう介護サービスを使うためには『要介護認定』を受ける必要があるので、その申請をするところから始めます」

私「“要介護1”とかいうアレですね?」

スタッフ「ですです」

私「ちなみにうちの母は今介護的にどういう感じでしょうか?」

スタッフ「そうですねー、要介護認定を受けられるかどうか…受けられるとしても一番低い(要支援1)かな~って感じですねー」

 ごめんなさい、という雰囲気のスタッフさんに対して「おお⁉」と盛り上がる私。

私「それって『元気』ってことですよね?」

スタッフ「そうですね、お話を聞いた感じでは気持ちもお元気ですし、食事もちゃんととられてるし、脚の方も回復されるんじゃないかって気がします(笑顔)」

 そうなんですね。なんか嬉しい、いやめっちゃ嬉しい。でも脚が悪いのは事実だし、生活に支障もあるんですよ。

私「現状で母が利用できるサービスって何かありますか?」

スタッフ「『基本チェックリスト』というのがあって、該当する項目が1つでもあれば、『介護予防・生活支援サービス事業』というのが利用できます。

 この中に『リハビリ型デイサービス』があるんですが、お母さんは脚の状態が悪くなってもう2か月以上経たれているので、こちらが利用できると思いますよ。」

私「金額は…」

スタッフ「週1回通って月額2000円くらいです」(*自治体によって異なると思います)

私「おお、それはそそられます。整体と併用したいです」

スタッフ「ただ利用には“本人の意思”が必要なので内緒というわけにはいかないんですねー」

私「要介護じゃなくても行けるリハビリがあるらしいよー、とかなら乗ってくるかもしれません」

スタッフ「いいですねー。あ、事前に無料体験もできますよ。」

私「わかりました。本人がその気になったらあらためて連絡させてもらいます」

スタッフ「お名前は登録しておきますので、いつでもどうぞ~。普通は何かが起きてから来られるかたがほとんどなので、こうやって事前に知りたいというケースは珍しいです」

私「もうこの先に介護が待ってるのはわかってるんで、心構えをしておきたかったんです。自分のためなんです。すみません…」

スタッフ「いえいえ、いつでもまた相談してくださいね」

 ――という訳なので、読者の皆さま、今読んだことは絶対うちの母には秘密にしてくださいね。約束ですよー。

介護界隈デビュー?

 帰りに介護保険に関するパンフレットをもらいました。それを見ると、どのサービスを受けるにも「地域包括支援センターに相談する」がファーストステップと書いてあるじゃないですか‼(担当編集談「介護ポストセブン」にも書いてあります)

 そうだったのかー‼ 知らなかったー‼

 偶然観たテレビ番組がきっかけで、偶然介護への第一歩を踏みだした私でした。

 母が元気と言われたことと「介護界隈デビュー⁉」を祝って今夜はごちそうにしよう。そういえばもうすぐ「土用の丑の日」。いやいや、出費も脂質も抑えないといけない我が家、ここはうなぎよりビタミンB1の多い「豚もも肉」で「冷やし豚しゃぶ」といきましょう。

 おいしそうにモリモリ豚しゃぶを食べる母を見ながら「さて、どうやってその気にさせるか?」と策を練る私でした。

NO老いるMemo「うなぎに負けない冷やし豚しゃぶ」

 7月19日の土曜日は「土用の丑の日」ですね。「うなぎが夏バテにいい」と言われる理由のひとつは「糖質の代謝を助けるビタミンB1が含まれるから」ですが、それで言うと豚肉も負けてないんですよ。

我が家の冷し豚しゃぶ

 わが家では脂質を控えるため脂身の少ない「もも肉」で豚しゃぶをします。

「冷しゃぶ」と銘打っていますが、しゃぶしゃぶしたお肉は氷水にとらずそのままザルで冷まします(固くなっちゃうのが嫌で)代わりに、トマト・きゅうり・紫たまねぎなどの生野菜をキンキンに冷やしてお肉を盛りつけます。

 いりごまを擦ってめんつゆとお酢で伸ばし、少しだけマヨネーズを加えた「ごまだれ」と市販の青じそドレッシング(もちろんNOオイル)と両方用意します。

 味のバリエーションを増やすことで、ごまだれの量が少なくても満足できる工夫です。

 母の食事は脂質1食10gが目安なので、すりごま大さじ1(脂質約3g)マヨネーズ小さじ1(脂質約3g)くらいがたれに使える量になります。

・うなぎかば焼き100g/ビタミンB1…0.75mg、脂質…19.4g

・豚もも肉(赤身)100g/ビタミンB1…0.96mg、脂質…3.1g

*参考資料「日本食品成分表2025(八訂)」

絵と文

漫画家・うえだのぶ

うえだのぶさん

 イラストレーター・漫画家。58才。山口県で82才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。

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