元V6・井ノ原快彦パワハラ報道も、ダメージなし?…STARTO「取締役」退任でタレント業に躍進か
6月、STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMO退任
惜しまれつつも解散した「V6」の元メンバーで、現在も「20th Century(トニセン)」として活動している井ノ原快彦さんが、STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任したことが発表されたのは6月27日。
現在49歳の井ノ原さんは旧ジャニーズ事務所時代から、王道のアイドル像とはかけ離れた存在でした。デビュー当時は「V6」内の若手グループ「Coming Century(カミセン)」の3人に人気面で劣っていたこともあり、アイドルの本流には乗れず。
しかし、傍流を突き進み自らのポジションを確立していき、ついにはMC業で頭角を現し、2021年の「V6」解散時にはグループ内での人気の序列がかなり上がっていたのです。
また、2022年には滝沢秀明氏の退任に伴い、若手育成・プロデュース業を担うグループ会社・ジャニーズアイランド(現Annex)の社長に就任。2023年にはジャニーズ事務所からSMILE-UP.に社名変更した際に、副社長に就任。(※両役職ともすでに退任済)

photo by gettyimages
アイドル道では傍流を歩んでいた彼が、いつしかMC業でお茶の間の超人気者となり、所属するアイドル事務所の非常事態時には経営に携わり火中の栗を拾う。これほど希有なキャリアを歩んでいるアイドルはなかなかいません。
ここ数年は所属事務所およびグループ会社の重役を任されており、タレントと会社運営の二足の草鞋を履いている状態が続いていましたが、今回のSTARTO社の取締役CMO退任を機に再びタレント業に専念できるとあって、注目を集めています。
パワハラ疑惑が飛び出るもダメージ最小限の理由
そんな井ノ原さん、7月初旬に一部メディアでパワハラ疑惑が報じられました。
井ノ原さんが事務所運営やタレント育成に携わる立場から、所属するジュニアたちに怒鳴るなど厳しく当たる姿が目撃されていたといった内容です。
STARTO社はパワハラを完全否定しているものの、これからまたタレント業に専念して活躍していこうというタイミングでの疑惑で、芸能活動継続も危ういか――と思われましたが、今のところほぼノーダメージ。
少なくてもそのパワハラ疑惑で、ファンたちの間でイメージダウンが起こるといった悪影響は出ていなさそうです。
というのも、井ノ原さんに関する一般の方々のXのポストを見ると、そのパワハラ疑惑を信じているファンはほぼおらず、井ノ原さんを応援する声やメディア批判する声で溢れかえっていたのです。
筆者は100件以上のXの書き込みをチェックしましたが、見たかぎり井ノ原さんに関するポストの9割以上は彼を応援・擁護する意見。しかもただ感情的に報道を否定しるわけではありません。
井ノ原さんがいかに真摯に育成業務に向き合ってジュニアたちと接していたかや、逆にジュニアたちが井ノ原さんを慕っていたり頼っていたりする姿を見せていたか、そういった“状況証拠”を示している書き込みも多々あったのです。
一般の方々が知ることができるのは、タレントがカメラの前で撮られている姿やインタビューで語られた発言といった限定的な情報なので、それで報道内容を完全否定するのは難しいところ。けれど井ノ原さんとジュニアたちの信頼の絆は固く結ばれていると感じ、井ノ原さんを信じたいというファンが大多数を占めています。
タレントビジネスにおいてネガティブ報道は致命傷になりかねませんが、今回の井ノ原さんのパワハラ疑惑に関しては、ファン離れやイメージダウンが最小限にとどめられているのです。
「V6」デビュー前後の信じられないような冷遇
ここでデビュー前後の井ノ原さんにまつわるエピソードを振り返っておきましょう。
1995年に「V6」メンバーとしてCDデビュー。華々しいデビューを飾ったものの、そもそも「V6」の編成が変則的で、結成当時からすでにグループ内格差がありました。
ジャニーズジュニアでありながらすでに人気を集めていた森田剛さんと三宅健さん、そして『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の公開オーディションコーナー「ジャニーズ予備校」で発掘され、鳴り物入りで加入した岡田准一さん。彼ら若手はグループ内ユニット「カミセン」としても活躍していたのですが、人気はこの3人に集中。
坂本昌行さん、長野博さん、井ノ原さんの年長組3人も「トニセン」を結成しますが、誤解を恐れずに言うならば、「カミセン」3人のおまけのように扱われることもあったのです。

photo by gettyimages
年長組3人の冷遇ぶりはデビュー当時、CDジャケットやパフォーマンスからして露骨に現れていました。
「V6」のデビューシングル「MUSIC FOR THE PEOPLE」のCDジャケットの写真は、若年組3人と年長組3人が別撮りした写真を合成されており、若年組の写真が上部に大きくプリントされ、年長組はその下に一回り二回り小さいサイズでちょこんと写っているという構図。
昨年、井ノ原さんが出演したバラエティ番組で自虐的に、初めて完成したジャケ写を見たときはあまりの待遇の差にショックを受けて呆然となり、しばらく固まってしまったというエピソードを笑い話として語っていました。
2枚目のシングル「MADE IN JAPAN」のジャケ写も、あからさまに若年組と年長組の載るサイズに大小が付けられ、さらにこの曲を歌唱する際は「カミセン」の3人が前面に立ち、「トニセン」の3人はまるでバックダンサーのようなフォーメーションだったとのこと。
要するにファン人気で格差が付くかどうか以前に、事務所側の売り出し方からしてすでに格差がつけられていたということです。
また井ノ原さん個人としては、ジャニー喜多川氏から“ブサイクいじり”をされていたというのは有名な話。
もちろん冗談半分だったのでしょうが、ジャニー氏は井ノ原さんを何度も「ブサイク」と呼び、「YOUは整形しないの?」とまで言われたこともあったそう。デビュー前のジュニア時代のエピソードでは、雑誌に載った井ノ原さんの笑顔があまりにひどかったためジャニー氏が激怒し、それから2年間、雑誌の撮影に呼ばれなくなったという逸話もあるほど。
現代の価値観ではルッキズムの観点から一発アウトになるようなエピソードですが、井ノ原さんはアイドルでありながら、事務所社長から見た目について痛烈な指摘を受けていたというわけです。
MC業で花開き「V6」内での立場も激変していた
「V6」内での「カミセン」との格差や、社長からのルックスいじりなどのエピソードからわかるように、井ノ原さんは傍流アイドルだったわけですが、潮目が一気に変わったのが2010年。
その年、有働由美子アナウンサーとともに帯の情報番組『あさイチ』(NHK)のMCに抜擢され、2018年までの8年間にも渡り“NHKの朝の顔”を務めたのです。もともと「V6」メンバーとしての知名度は高かった井ノ原さんですが、彼の個人の活動でここまでスポットが当たる大役を任されたのは初めてで、お茶の間の人気者として浸透していきます。
2015年からは『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)の新MCにも抜擢され、またこの年は年末の『NHK紅白歌合戦』(NHK)の司会も務めるなどし、“国民的司会者”といったイメージが築かれていくのです。
この頃には「V6」内の立場も激変していました。
俳優として数々の映画に主演してヒットを飛ばす岡田さん、そしてNHKを中心にMC業でお茶の間の超人気者に成りあがった井ノ原さん。「V6」メンバーの個人活動として見ると、間違いなくツートップの一角を担っていたのです。

photo by gettyimages
また井ノ原さんは俳優業も順調で、主演を務めていた『特捜9』(テレビ朝日系)が今年6月に大団円のシリーズ完結を迎えたばかり。
2018年から放送された『特捜9』シリーズは、2006年から2017年まで故・渡瀬恒彦さんが主演した『警視庁捜査一課9係』シリーズの後継作品。井ノ原さんは『警視庁捜査一課9係』のシーズン1からレギュラー出演しており、実に20年間続いた長期シリーズを無事にフィナーレまで導き、俳優としての評価も安定しています。
――今年、STARTO社の経営から退き、長期ドラマシリーズに有終の美を飾った井ノ原さんは、タレント業に再び100%の力を注ぐ準備が整っているタイミングと言えるでしょう。
STARTO社の経営という重責から解き放たれた井ノ原さんに、新たなMC業や俳優業の仕事が舞い込む可能性は充分考えられます。また、アイドルとしては「トニセン」の活動は継続されるでしょうし、9月開催の音楽フェス「イナズマロック フェス 2025」に、長野さんと井ノ原さんのユニット「ながのーず」として出演することも発表されています。
実は、タレント・井ノ原快彦のキャリアハイはこれから訪れるのかもしれません。