「何も作りたくない」日も食べたい夜食1位は「ラーメン」でも理性の働くときはアノ定番メシ

「夜食に食べたいもの」1位はラーメン

情報メディア「さぶろぐ」が「夜食に食べたいもの」に関するアンケート調査を実施したところ、1位は「ラーメン」(38.0%)、2位は同数で「お茶漬け」と「アイス」だった(2024年6月、対象は20代以上の女性70人男性30人に実施)。

ラーメンを選んだ理由として、「夜は温かい汁ものをさっとたべたくなります」「太るのは分かっているけれどガッツリ食べた方が満腹感があるから」「炭水化物と塩分が欲しくなります」などが挙がっている(すべて女性の意見)。

一方で、お茶漬けを選んだ理由は、「油や砂糖は多くないはずなので夜食でも問題なさそう」「さらさら食べられるので、罪悪感が少なめ」「手軽に作れて食べられる」など。 

わかっちゃいるけどやめられない日の「ラーメン」、理性と胃の調子で選ぶ「お茶漬け」というところだろうか。 

ちなみに4位は「おにぎり」、5位は「ケーキ」、6位は「焼きそば」だった。

「アイス」や「ケーキ」も「夜食」の分類に入るのか? という点は、「夜食:一般的には夕食後、夜遅くなってから食べる簡単な食事や軽食」(意味解説辞典より)とあるので、フルーツもお菓子も何を軽食とするかはその人次第、つまりは、寝る前の楽しみと考えればよいのかも。

そんな楽しく自由な夜食の世界を存分に描いたのが、『疲れた人に夜食を届ける出前店3』(中山有香里著/ KADOKAWA)。疲れ切った日々に、ただの「お腹満たし」ではなく、心のエネルギーまでチャージする、最高の夜食に出会えるコミックエッセイだ。

2022年10月に『疲れた人に夜食を届ける出前店』を出版、第10回料理レシピ本大賞 in Japan コミック賞を受賞した。翌年2023年11月に、続編の期待の声にこたえ、『疲れた人に夜食を届ける出前店2』が発売された(ちなみにトップのお茶漬けは、第2巻の漫画からである)。本書は、それに続く、第3巻になる。

個性豊かなエモキャラがデリバリー

漫画は、とある町の片隅にたたずむ夜食の出前店から、つらい一日を終えようとする人たちに夜食が届く、シンプルなストーリー。だが、店主のクマをはじめ、クマと働くサケ、出前アルバイトのゴリラやネコ、まっくろいコ、元引きこもりの吉村など、個性豊かなエモいキャラが、おいしそうな夜食とともに優しい励ましを届けてくれるユニークな展開となっている。

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『疲れた人に夜食を届ける出前店』より クマとサケのデリバリー

第3巻は、1,2巻の続き、第17週目の月曜日から始まる。

自分のダメさ加減に落ち込む女性がとぼとぼと歩く帰り道、「涙流した人、おいで」と書かれた屋台が建っていた。匂いにひかれて女性が近づくと、クマ、サケ、まっくろいコが揃って、お出迎えし、「涙を流したぶんだけサービスします」と、えび天が2本も入ったうどんを出してくれた。

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火曜日、別の女性の夢の中に現れたのはパン屋の格好をしたクマ。「モチモチ」と書かれた旗の経つワゴンには、ベーグルが山ほど盛られている。「明太チーズ」と「枝豆チーズ」の2種類をもらって、頭をなでなでしてもらいながら目覚め、「なんだ…(夢か)」とがっかりする女性の枕元には……。

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見た目も名前も「ワルな」魔王の狙いは

水曜日は、最近店で料理を作るようになった「元ひきこもり」の吉村が、風邪でダウン。片付ける余裕もなく、布団に横たわってカップ麺をすする吉村を、出前店にスカウトした魔王が見舞う。見た目も名前も「ワル」そうな魔王だが、目指すのは「人類がみな健康で温かいごはんが食べられる」世界。吉村のために、部屋を片付け、「鶏と卵の雑炊」を作ってやる。

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翌木曜日は、同僚が褒められているのを見て、心がざわついた会社員の話。とげとげした「妬み」が、彼の心のドアを開けて侵入してくる。本人が望んで妬むわけじゃない。嫉妬、羨望、妬みのような黒い感情は、無意識のうちに入り込み、自分の嫌いな自分へと変えてしまうことがある。

男性がそうした自分の感情に戸惑い、どうにかしたいと思ったとき、妬みの入った心の部屋に、今度はゴリラがパンかごを下げて入ってきた。ゴリラがかごから取り出したのはパン・オ・ショコラ。「妬み」はパン・オ・ショコラをもらい、顔が和らぐ。すると、彼の気持ちもなんだかラクになるのだった。

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自分で用意し祝う、自分の誕生日

金曜日は傷ついたハートを抱えて寝る男性のところにネコが牛丼を、土曜日は失恋した男性にサケが「鮭の炊き込みごはん」を届ける。 

どちらも優しさと思いやりに満ちた夜食であった。

そして週の終わりの日曜日は、ネコのお誕生日。なのに、祝ってくれる人は誰もおらず、ネコは自分で用意し、一人ぽっちで祝う。そこにたまたま通りすがった「読者」を見つけ、ネコは手製の「柿の葉風寿司」をふるまい、一緒に食べられる喜びで全身を輝かせる。

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祝われているわけではない。ただ、一緒に食べてもらっているだけ。それでも幸せを感じているネコの姿が切ない。

20歳過ぎたら誕生日なんて嬉しくない、だの、いちいち祝わなくていいからなどと、自嘲的な言葉はよく聞くが、やっぱり誰かが自分の誕生日を覚えてくれたら嬉しいし、忘れられていたら悲しい。

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けれども、ネコについては心配無用だった。ヒョッコリ顔を出したのは、バースデーケーキを手にしたゴリラ。夜食の出前店で働くみんなは、みな優しく温かいのだ。

本書に登場するおいしそうな夜食は、実際作ってみることもできる。 

作り方もイラストともにていねいに綴られていて、読むだけでは飽き足らず、作ってみたくなりそうだ。

後編「『深夜のラーメン』は罪か…わたしたちが高カロリー夜食を求める理由」では、さらに深まる登場人物たちの掛け合いと魅力的な夜食をご紹介する。