「子供にゼリーを食べさせる」親が知らない"真実"

食感が独特のポーションゼリーは家庭では作れません。あの食感こそ添加物「ゲル化剤」の力によるものだからです(写真:ささざわ/PIXTA)
見た目も鮮やかな子どものおやつ
「夏の子どものおやつ」といえば、アイスクリーム、アイスキャンディ、フルーツゼリー、プリン、かき氷などの冷菓・氷菓。
【ひと目でわかる】市販のゼリーの「ヤバい裏側」と「食品添加物の神様」と呼ばれた安部司氏が「無添加×美味しい」「軽食・おかずにもなる」をコンセプトに考案した「安部おやつ」の大人気メニューの数々
「毎日食べる」というお子さんも少なくないでしょう。
今回は子どもが大好きな「フルーツゼリー」について取り上げてみたいと思います。
私はよく親御さんたちから「子どもは色のきれいな市販のゼリーを食べたがるが、親としてはあまり食べてほしくない」という話を聞きます。
ゼリーに限らず、市販の冷菓・氷菓(アイスキャンディ、かき氷のシロップ)は色鮮やかで子どもが惹かれる気持ちもわかります。
市販の多くのフルーツゼリーの仕組みは、じつは「清涼飲料水」と同じです。
清涼飲料水の仕組みとは何かというと、目的の「色」と「香料」を組み合わせてサイダーに加えるだけ。
具体的には下記のとおりです。
「清涼飲料水の正体」は…
★サイダー+「着色料(黄色4号)」+「レモン香料」
→「レモンフレーバー」の清涼飲料水
★サイダー+「黄色5号」+「オレンジ香料」
→「オレンジフレーバー」の清涼飲料水
★サイダー+「青1号」+「黄色4号」+「メロン香料」
→「メロンフレーバー」の清涼飲料水
つまり、「甘味料+酸味料+着色料+香料」で構成されているのです。
この場合の「甘味料」は、多くが「本気で『子どもに食べさせたくない』3大NG“お菓子”身近な人気商品も⋯『食の安全』の専門家がやさしく解説」で述べたブドウ糖果糖液糖(または果糖ブドウ糖液糖)です。
「着色料」は天然のものが使われる場合もありますが、一般的に「人工着色料」のほうが色が鮮やかで美しいです。
そして、市販の多くのフルーツゼリーは、この「甘味料+酸味料+着色料+香料」を「ゲル化剤」で固めることで作られています。
「甘味料」と「酸味料」「ゲル化剤」は共通で、「香料」と「着色料」の組み合わせでどのようなフレーバーも作れます。
★着色料(赤色2号+青色1号)+ぶどう香料
→ぶどうゼリー
★着色料(赤色102号)+いちご香料
→いちごゼリー
★着色料(黄色4号+青1号)青りんご香料
→青りんごゼリー
果実・果汁は使われている場合もあれば、ほとんど使われていないものもあります。
フルーツゼリーだけでなく、アイスキャンディ、かき氷のシロップ、それからグミ、ドロップも仕組みは全部同じです。
フルーツゼリーというと、フルーツの果汁をゼラチンで固めて作ると思う人が多いかもしれませんが、多くの市販のゼリーや冷菓類は「香料と着色料、甘味料、酸味料、ゲル化剤」という、みなさんのイメージと遠いところで作られているのです。
ゼリーの中でも近年、とくに人気があるのが「ポーションゼリー」です。
一口タイプのプラスティック容器に入ったゼリーで、子どもから高齢者にも人気を博しています。
市場規模は「億単位」といわれるから、もはや国民的人気と言っても過言ではありません。
「ポーションゼリー」の正体は?
私はよく「ポーションゼリーを家でも再現したいので作り方を教えてほしい」といわれます。
しかしあのゼリーは家庭では作れません。
食べた人はおわかりだと思いますが、ポーションゼリーの食感は独特です。
ベトッとしていなくて、口の中でほろっと崩れる。家庭でゼラチンを使ってゼリーを作ってもあの食感は出ません。
なぜなら、あの食感こそは、添加物「ゲル化剤」の力によるものだからです。
「ゲル化剤」にもいろいろありますが、ポーションゼリーに使われるのは主に「カラギナン」と「キサンタンガム」です。
「キサンタンガム」は「キサントモナス・キャンペストリス」という微生物が、トウモロコシなどのデンプンを栄養源として吐き出した物質。
そして、この微生物は「遺伝子組み換え技術」が使われている可能性があります(遺伝子組み換えについては、別の記事「日本人が知らない『遺伝子組み換え食品』裏側(1)」と「日本人が知らない『遺伝子組み換え食品』裏側(2)」で述べているので参照してください)。
「日本でもEUと同等の基準を設けるべきだ」との意見も
もうひとつの「カラギナン」は、海藻の一種である紅藻(こうそう)類から抽出される多糖類です。
「カラギナン」には分子量が高いもの(=高分子)と低いもの(=低分子)があります。このうち「低分子カラギナン」(分子量5万ダルトン以下)は、動物実験で腸の炎症や腫瘍を引き起こす可能性があると報告されています。
そのため、EUでは「低分子カラギナンが5%以下であること」という規格を設けています。「とくに幼児用食品についてはカラギナンは避けるべき添加物」として扱われる傾向にあります。
しかし日本の「カラギナン」の製法では、必ずしもこの基準を満たしていない可能性があります。
というのも、日本とEU、アメリカでは「カラギナン」の精製方法が違うのです。日本のものは「低分子カラギナン」が含まれてしまい、EUの基準を満たさない可能性が否定できないのです。
「日本でもEUと同等の基準を設けるべきだ」との意見も出ています。
ヘルシーそうに見えて、じつは「グレー」な添加物が使われたポーションゼリー。たまに食べるならいざ知らず、子どもに日常的に食べさせるのはいかがなものでしょうか。
「食事は作るけれど、お菓子までは手作りできない」と保護者のみなさんはおっしゃいますが、ゼリーはごく簡単にできるおやつです。
「特段のワザ」はまったく必要ないので、小学生でも作れます。
簡単に作れる「無添加ヘルシーおやつ」はたくさんある
家庭で作ったものは安心・安全というだけでなく、とびきりおいしいものです。ぜひこの夏休みは子どもと一緒に手作りのおやつを楽しんでみてはいかがでしょうか。

安部司氏が考案した"無添加ヘルシー"おやつ「大人の珈琲小豆ゼリー」(写真:『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』より)
私が”お手軽&無添加ヘルシーおやつ”をコンセプトに長年かけて考案した「安部おやつ」には、「南国気分のマンゴー&ココナッツゼリー」「大人の珈琲小豆ゼリー」といったゼリーはもちろん、「さわやかみかんのアイスキャンディ」「すいかの2色杏仁豆腐」「台湾パイナップルのかき氷」など、簡単に作れて夏にぴったりのおやつをたくさん掲載しています。

安部司氏が考案した"無添加ヘルシー"おやつ「南国気分のマンゴー&ココナッツゼリー」(写真:『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』より)
じつは簡単に作れる「無添加ヘルシーおやつ」はたくさんあります。見た目にも涼しげで栄養もあるおやつで、暑さを乗り切りましょう。

安部司氏が考案した"無添加ヘルシー"おやつ「すいかの2色杏仁豆腐」(写真:『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』より)

安部司氏が考案した"無添加ヘルシー"おやつ「さわやかみかんのアイスキャンディ」(写真:『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』より)