『帰ってきたウルトラマン』の傑作3本を見逃してはいないか?
ファンの間で「11月の傑作群」と呼ばれているエピソード以外にも、「これも傑作!」といえるエピソードがあります。『テレビマガジン特別編集 帰ってきたウルトラマン EPISODE No.1~No.51』(講談社)のなかから3エピソードを紹介します!

ウルトラマンジャックの勇姿を見よ! Ⓒ円谷プロ PHOTO/講談社
公式なくくりではありませんが、『帰ってきたウルトラマン』ファンの間で「11月の傑作群」と呼ばれているエピソードがあります。
諸説ありますが、第31話「悪魔と天使の間に‥‥」から第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」までの5エピソードを指すもので、ドラマ性、社会性、特撮のいずれもが優れた作品ぞろいです。
しかし、『帰ってきたウルトラマン』には、他にも見てほしいエピソードがいっぱいある! ということで、2025年8月1日発売の「テレビマガジン特別編集 帰ってきたウルトラマン EPISODE No.1~No.51」を作ったテレビマガジン編集部がぜひ観てほしいとおすすめする「これも傑作!」エピソード3選をお送りします。
第26話「怪奇!殺人甲虫事件」
被害者の共通点は何? 怪獣殺人ミステリー!
まず1作目は第26話「怪奇!殺人甲虫事件」です。
連続殺人事件の犯人は、隕石から現れた小さな宇宙昆虫でした。ある種のモーター音を聞くと敵と思って襲撃する特性と、ギリシャ製の口紅を好む嗜好性を持った、三本角のクワガタのような姿の昆虫怪獣ノコギリンが、次々と人を襲っていたのです。
捕獲したノコギリンをスペースレーザーガンで処分しようとしたMATでしたが、その影響で怪獣は巨大化して暴れ出します。ウルトラマンジャックのスペシウム光線も効かないノコギリンでしたが、ウルトラブレスレットで倒されるのでした。

巨大化したノコギリンがウルトラマンジャックに迫る! Ⓒ円谷プロ PHOTO/講談社
前半の連続殺人事件の解明に向けてのMATの活躍はもちろんなのですが、もうひとつの見どころは、主人公・郷 秀樹と恋人の坂田アキのデートシーンでしょう。特に、ホラー映画デート中の郷・アキのカップルの仲睦まじさはほほえましすぎて、アキが第37話「ウルトラマン夕陽に死す」で非業の最期を遂げることを考えると涙なしには観られません。
第41話「バルタン星人Jrの復讐」
名敵役の子どもがウルトラマンに挑む!

バルタン星人は、この後のウルトラマンシリーズにも何度も登場します。 Ⓒ円谷プロ PHOTO/講談社
ウルトラマンシリーズの敵怪獣・宇宙人の中でも屈指の知名度を誇るバルタン星人が、しかも『ウルトラマン』で倒されたバルタン星人の息子、宇宙忍者バルタン星人Jr(ジュニア)として登場するのが、第41話「バルタン星人Jrの復讐」です。
建設中のマンションに手や脚などのパーツが合体して完成するロボット怪獣ビルガモがかわいいわりに強く、さらに建設中なので内部には工事関係者などが人質に取られているという、バルタン星人の息子ならではの用意周到さ。

マンションがロボットに! 衝撃の合体変形シーンも必見! Ⓒ円谷プロ PHOTO/講談社
人質がビルガモから自力で脱出するくだりも、みごとな伏線回収に大納得。さらに坂田 健・アキ兄妹亡き後に遺された弟・次郎と、彼に真摯に接したいと思いながらなかなか思いどおりにいかない郷との関係性をストーリーに組み込み、郷が次郎の一番の友達になることを誓うまでをみごとに描いた一作です。
第48話「地球頂きます!」
コメディ? 社会風刺? 高度成長期の日本にガツンと一発!
高度経済成長期も終盤に近づいたとはいえ、まだ翌年にオイルショックがやってくるとは誰も知らない1972年のムードを伝えてくれるのが、第48話「地球頂きます!」です。
みんながやる気を出して、仕事や勉強に一生懸命な世界に現れたなまけ怪獣ヤメタランスは、人々を「怠け病」に感染させて無気力にさせてしまう能力がありました。しかし、もともとなまけ者だった少年・勝だけは感染で逆にやる気を出し、任務放棄したMATに替わって頑張ろうとします。

何でも食べて、どんどん大きくなるヤメタランスによって地球の危機が! Ⓒ円谷プロ PHOTO/講談社
郷がやる気を奮い立たせたことで登場したウルトラマンジャックによって、宇宙に帰りたがっていたヤメタランスは縮小されて宇宙に返され、すべての首謀者だった宇宙怪人ササヒラーはジャックに倒されるのでした。
ウルトラマンシリーズでいえば、『ウルトラQ』第15話「カネゴンの繭」、『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」にも通ずる「寓話」的展開ではありますが、特に怠け病にかかったMAT隊員たちの怠けっぷりは必見です。
©円谷プロ