大阪「立ち食いフードコート」がコスパ最強すぎた

今回訪れたのは、阪神百貨店の梅田本店にある「スナックパーク」。飲兵衛にはたまらない空間だった(筆者撮影)/ 【2025年8月9日7時45分追記】初出時、タイトルの記述に一部誤りがありましたので、訂正しました。
4月に開幕し、盛況の大阪・関西万博だが、当初はさまざまな批判がなされていた。たとえばその一つが「お金を払わないと、立ち食いを強制されるフードコートがある」というものである。
【画像19枚】大阪の「全員立ち食いフードコート」に行ってみた!コスパ最強のフードがこちら
要は、有料のチケットを買えば指定席に座れるというわけなのだが、実は大阪には「全席立ち食い」のフードコートが昔からある。
それが、阪神百貨店の梅田本店にある「スナックパーク」だ。

阪神百貨店の梅田本店にある「スナックパーク」に向かう(筆者撮影)
スナックパークへ向かう…が、トラブル発生?!
スナックパークの歴史は長い。もともとこの場所が生まれたのは1957年。当時は「おやつセンター」という、今とは異なる名称だった。現在の「スナックパーク」には1978年に改称した。
「いか焼き」や「ちょぼ焼き」などの名物を売る店舗がひしめき、安くてうまいことから庶民に親しまれてきたが、阪神百貨店の建て替えなどもあって2015年に一度なくなっている経緯もある。その後、2018年に1期棟がオープンするのに合わせて復活し、にぎわいを見せている。
そんなスナックパークに行ってみよう。それにしても、「キタ」と称される大阪・梅田エリアはとかく駅が多い。JRの大阪駅に加え、大阪メトロや各種私鉄駅がいくつもある。加えて基本的に屋内や地下を歩くので、相当慣れていないと、迷う。
この日はミナミ、難波での用事を済ませてから大阪メトロの御堂筋線で梅田に着いたのだが、事前情報のリサーチが甘くなかなか目当ての阪神百貨店にたどり着かない。
悲しいかな、さまざまな施設の方向を示す看板にも阪神百貨店がどこにあるのか示されず、地下なので地図アプリもあまりあてにならない。何とか地図を探し、阪神百貨店があるとおぼしき方向に向かっていくと、私が出てきたのとはまた違う御堂筋線の改札があって、力が抜けた。
阪神百貨店の梅田本店に何とか到着
そんなこんなで、何とか阪神百貨店の梅田本店に到着した。
スナックパークがあるのは地下1階……なのだが、これまたややこしいのが本館らしき部分とは離れた区画に、ポツンとあること。一度百貨店から出て、数十メートル先にスナックパークが鎮座している。

阪神百貨店の梅田本店に到着!(筆者撮影)

スナックパークがあるのは地下1階……(筆者撮影)

少しややこしい場所にある(筆者撮影)
ようやくたどりついたスナックパーク。平日の、ちょうど昼時ということもあってものすごい熱気を感じる。
事前情報通り、本当に立ち食い席しかなく、みんな一心不乱に食事している。客層としては、ビジネスパーソンらしき人が多めだが、土地柄、観光客らしきグループもちらほらと見受けられる。

訪れたのが昼時ということもあり、ものすごい熱気を感じる(筆者撮影)
世にも奇妙な「オールスタンディング」フードコート
それにしても、オールスタンディングとは世にも珍しいフードコートである。実は再オープンに当たって立ち食いを見直す話もあったという。ただ、やはりそのまま残して正解だろう。こんな景色、他では見られない。
再オープン当初の席数は、もともと70席だったところ130席とほぼ倍増している。基本的にはカウンター式の席が多いが、中にはハイテーブルにパーテーションを設置し、“4人立ち”の席にしているものもあるのが面白い。空間活用がうまいというか、何というか……。

“4人立ち”の席もある!(筆者撮影)
空間としては、席がほぼ倍増したからなのか通路が狭い。とはいえこれは逆に大阪の「路地」「横丁」といった文化を感じて非常に風情があるのが良い。

狭いからこそ風情がある(筆者撮影)
営業している店舗は、全部で15。このうち「阪神ビールスタンド」に関しては季節性の店舗とのこと。
それ以外では「阪神名物いか焼き」「元祖ちょぼ焼き本舗」といった大阪らしい店舗はもちろん、「うまかラーメン」や明石焼きを出す「ふじたま」「海鮮丼の駅前」など。まねき食品の「えきそば」や、なぜか(というのもおかしいかもしれないが)「魚がし日本一」もある。

営業している店舗は全部で15(筆者撮影)

「阪神名物いか焼き」(筆者撮影)

「うまかラーメン」(筆者撮影)
午後3時以降の「サク呑みセット」は600円
ざっと見ていて、どの店も安い。食事メニューをもちろん備えつつ、ちょい飲みをさせにきている感が強い。それだけでなく、午後3時以降は各店舗が「サク呑みセット」という名で、一品ものとアルコール1杯の組み合わせを600円で販売しだすようだ。

「サク呑みセット」600円(筆者撮影)
さて、どの店にしよう。ざっと見て並んでいるのは「スナックパークで長年愛される味」と大々的にアピールしている、うまかラーメン。麺の大盛りが無料で、しょうゆラーメンは何と390円。今や幸楽苑はおろか、日高屋でさえ中華そば1杯で400円を超える物価高時代であることを考えると、衝撃価格だ。
あとはうどんの「藤味」や、中華そば「カドヤ食堂」にも行列ができていた。やはり日本全国、どこのフードコートでも麺類は強いようだ。
そんな中、私がまず選んだのは阪神名物いか焼き。1957年に売り出したとされる伝統的ないか焼きは、さすがに食べないわけにはいかないだろう。ふだん、関東に住んでいるとなかなか縁遠い食べ物だが、ざっと見た感じお好み焼きのような感じだろうか。

いか焼きは187円と破格の安さ(筆者撮影)
いくつか種類があり、オーソドックスないか焼きは187円。この他、玉子と一緒に焼いた「デラバン」(242円)、そこにネギも加えた「和風デラ」(253円)、あとはいか焼きにネギを入れた「ネギいか焼き」(198円)の4種類。複数商品を組み合わせたセットもあるようで、みんなでシェアする人もいるのだろう。デラバンも気になるが、今回はベーシックないか焼きを選んだ。
いか焼きの相棒に選んだのは肉寿司
もう一つは、悩んだ揚げ句「味処 くらや」をチョイス。スナックパークに足を踏み入れた瞬間にビールスタンドが目に入り、誘惑に負けて早々に食事というより飲む方向にシフトする中で、この店の肉寿司が目に留まった。
「大阪まで行って、肉寿司?」と思う方も多いかもしれない。私もそう思う。ではなぜ選んだのか。あまりにも、私の知っている肉寿司と違ったからである。
肉寿司と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。私は、何というかきらびやかなイメージである。おしゃれなイメージである。色鮮やかな写真で目を引く、もはや死語かもしれないが「インスタ映え」するメニューの中でもかなり上位に位置するのではないか。
ところがこのくらやと来たら、非常にインパクトのあるメニュー写真を掲示している。その写真に映る肉の黒いことったらない。まあ最近、肉が生焼けで問題になる飲食店も多いから、ちゃんと火を通していることのアピールかもしれないが、だとしても無骨な写真である。それが気に入った。

肉寿司の無骨さが気に入った(筆者撮影)
「阪神の伝統グルメ」いか焼きの味は……
今回はオールスタンディングということもあって、あえて事前に席をとらなかった。各店舗で注文したところ、呼び出し機を渡されることはなく、すぐにその場で商品を提供されたので席を探す。
スナックパークには非常にユーモアや風情にあふれた壁画があり、ちょうどそこに面したカウンター席があいたので、チェックイン。荷物置きスペースが広めなのがうれしいところである。ただし、コンセントはない。まあ立ち食いだし回転率も高いはずだから、不要といえば不要なので問題ない。

オールスタンディングで回転率も高そうだ(筆者撮影)

ユーモアや風情にあふれた壁画もあり(筆者撮影)
さて、今日のセットはこんな感じ。これで1000円を少し超えるほどなので、コストパフォーマンスはかなり高いフードコートといえそうだ。最も高いのは、肉寿司で5貫580円。

いざ実食!すべて合わせても価格は1000円と少しだ(筆者撮影)
コスパ最強フードをいざ実食!
いか焼きからいただこう。一口食べると、想像以上に生地がもっちりしていておいしい。クレープよりも厚めといったところ。いかの食感もあってかむのが楽しい。味はそこまでついていないが、それがゆえに飽きずに食べ続けられる。
これで200円もしないのは、非常にお得である。おやつにちょうど良すぎる。そして、レモンサワーとの相性が抜群である。そしてよく見たら、容器がいかの形だった。
肉寿司は、まったく予期していなかった卵スープが付いているのが非常に高得点。熱々だ。肉は割と脂ののった部分を使っており、タレが塗ってあるのでこちらは味しっかり。形が不ぞろいなのは、まあご愛嬌といったところか。

肉寿司についてきた卵スープが嬉しい(筆者撮影)

肉寿司は5貫で580円。安い!(筆者撮影)
やけに肉が冷たいのは気になったが、まあ寿司と考えるとネタは冷えていてなんぼ。これまで肉寿司を食べたことのある少ない経験では、写真ではきれいなのに実際に出てきてがっかりしたことがほとんどだが、今回はパンチのきいた写真を先に見ているのでそうした写真詐欺もない。むしろ卵スープが付いている分、印象は良い。
飲兵衛にとって素晴らしい空間だった
そんなこんなであっという間にちょい飲みは終了。このあと3周くらいしても、お得に済みそうな飲兵衛にとっては素晴らしい空間だ。食べ終わったころにはみなさんの昼休憩も終わったのか、先ほどまでの熱気は去っていた。
近所で働く人にとっては、安いランチに、仕事終わりの1杯にと非常に使い勝手の良いフードコートなのは間違いない。ぜひ東京にも、オールスタンディングのフードコートを作ってほしい。