ココイチ「最強の2000円カレー」カスタマイズ術。米500グラムの満足度を高める“167円トッピング”の正体
YouTubeを見ていると、やたらとカレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋(以下、ココイチ)」が登場する気がする。広告ではなく、お笑い芸人がテイクアウトして10辛を食べて悶絶したり、オモコロライターたちが好みのトッピングをプレゼンしていたりするのだ。
物価高で値上げを余儀なくされた結果、今やひとりあたりの単価は1200円になったという。それでもカレーチェーンといえば、ココイチしか思い浮かばないくらいには、我々の生活に浸透している。

今回はココイチに
◆「何もせずに2000円」はいかない
人気の理由は、辛さやトッピングをカスタマイズできる点だろう。「カレーライス」といえばじゃがいも、にんじん、玉ねぎが定番だが、ココイチではあさり、ツナ、いか、タルタルソースなど、家庭では真似できないようなトッピングができる。チェーン店でありながら、実はみんなが同じメニューを食べているわけではないのだ。
トッピングの豊富さゆえか、この連載を始めて以降、読者から「ココイチだったら何もせずに2000円いきますよ」と言われたが、そんなことはない。カレー一杯に2000円もかけることは難しい。外食に毎回2000円くらいカネをかけているから筆者だからこそ、“2000円の壁”というものを理解しているのだ。
というわけで今回は、「高くなりがち」というイメージのあるココイチで実際に2000円使って、「満腹になれる」トッピングを紹介していきたい。
◆カレーに金を払うのに抵抗を感じるワケ

いわばココイチにおける“定番”を盛り込んだ一皿だ
筆者の外食のモットーは「家で作れないものを食べる」だ。だから、カレーなんてナンセンス。家で簡単に作れるのだから。
ナンで食べるインドカレーならともかく、バイキングなどでカレーを食べる人を見ると、つい呆れてしまう。個室ビデオの宝島24ですら、そこそこのカレーを提供している。そのため、金を払ってカレーを食べることに抵抗を感じるのだ。
それに、筆者の母は料理上手で、子どもに出せば無条件で喜ばれるカレーを、中学生の頃には『ためしてガッテン』(NHK)のホテル風カレーで一段進化させてしまっていた。幸か不幸か、「おふくろの味」というか、「カレーのシンギュラリティ」が発生してしまい、並のカレーでは満足できない体になってしまった。
そんな筆者のトッピングはシンプル。豚しゃぶカレー(982円)をベースに、1辛(25円)、追加ソース(167円)、チーズ(264円)、なす3個(90円)、半熟タマゴ(120円)。追加ソースはルーを多めにしてもらうことなので、実質、追加トッピングは3種類である。それを500グラム、つまり3合の米(260円)にかけて食べる。これで1908円だ。
◆米が500グラムだと皿が違う?

いつもと違う皿で若干困惑してしまった
店員が運んでくる時点で思ったのだが、なんか皿が違う。外食チェーンのカレーといえば、平たい皿に盛り付けられているイメージだったが、さすがに500グラムの米を頼むと、どうやら皿が深くなるらしい。
まず、チーズは必須。まろやかになるとか、味がどうこうというのは正直よくわかってない。ただ、スプーンを引き上げたときに、溶けたチーズが糸を引くと、「外食している」気分になる。
子どもの頃にチーズの乗った「焼きカレー」というものを知り、母に「カレーにチーズをかけてほしい」と懇願したところ、父に「デブがよぉ」と蔑まれた。ただ、確かにカレーとチーズの組み合わせは抜群だった。
心ない言葉をかけられながらも、カレーにチーズがかかっていると美味いということを知れたのだから、何事も言ってみるものである。まぁ、その分、実際に太ったので、代償というものもある。悲しい。
◆「たった167円」の追加ルーのおかげで…

これが筆者が考えるココイチ最強カレーだ
今回のトッピングで唯一、食感があるのがなすだ。もう20年近く前、『シルシルミシル』(テレビ朝日系)でココイチが特集されたとき、人気トッピングはまさかのほうれん草だった。筆者も何度か試したが、確かに美味い。そこから、カレーにさまざまな野菜を組み合わせるうちに、最終的になすにたどり着いた。
なすは3個と、決して多くはないが、無意識にスプーンですくって口にしたとき、「やった! 当たりだ」という食感を味わえる。あと、安い。
そして、追加のルーというのが肝心だ。たった167円課金することで、「ルーが足りなくなって、最後は白米だけで食べる」という問題を解決することができる。というか、500グラム分の米を目の前にしても、ルーのほうが多かった。
◆これだけ頼んで2000円。摂取カロリーは…

もちろんペロリと完食したゾ
これだけ頼んで2000円だ。仮に米とルーを足さなければ、1500円くらいで収まる。それ以上を求めると2000円になるというだけの話だ。だから、みんなも安心してココイチでトッピングしてほしい。
そういえば、7月22日に亡くなった「ヘヴィメタルのプリンス」ことオジー・オズボーンは、昔読んだ「rockin’on」(ロッキング・オン)によると、日本のチキンカレーが大好物だったらしい。
コロナ禍前には、イギリスでもココイチが人気というニュースが話題になった。実はココイチは、さらにポテンシャルを秘めているのではないか? いつの日か、世界中で日本風のカレーが浸透した暁には、筆者の食べ方を伝授したいものだ。
そうすれば、かつて「デブがよぉ」と蔑んだ父も、認めてくれるだろうか。
【今回の摂取カロリー:2949kcal】
<TEXT/千駄木雄大>
【千駄木雄大】
編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。出版社に勤務する傍ら、「ARBAN」や「ギター・マガジン」(リットーミュージック)などで執筆活動中。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)がある