デート中に倒れた私に「一日が台無しだ」とキレた元彼。その記憶を上書きした“初対面の彼”のひと言が泣ける
夏の暑さが本格化し始める頃は、まだエアコンに体が慣れておらず、体調を崩しやすい時期でもありますよね。
今回は、そんな体調不良がきっかけで良縁を掴んだ女性のエピソードをご紹介しましょう。
◆人格否定してくるモラハラ彼氏との2年間

画像はイメージです(以下同)
近藤美鈴さん(仮名・30歳/派遣社員)は最近、2年間お付き合いしていた恋人の健太さん(仮名・32歳/会社員)と別れたばかりです。
「健太はいわゆるモラハラ彼氏でした。付き合って最初の頃には多少の違和感はあったのですが、私の人格や意見を否定され続けているうちに感覚が鈍ってしまって。どんどん自分に自信が持てなくなっていき、理不尽な仕打ちを受けても“全部グズな私が悪いんだ”というモードに入ってしまったんですよね」
いつしかそれが当たり前の日々になってしまった美鈴さんは、健太さんのいいようにコントロールされ続けてしまったんだとか。
◆両親や友人の忠告で彼と別れ、新たな出会いが
「健太は優しい時はメロメロに優しくて、お姫様扱いしてくれることもあるんですよ。あと私が限界になって別れ話を持ちかける度に、泣きながら『美鈴より愛していると思えた女性は他にいないよ』と甘い言葉を囁いてドラマチックな仲直りをしてつい許して、それを繰り返してしまう感じで」
そんな美鈴さんでしたが、心配したご両親や女友達の奈緒さん(仮名・32歳/フラワーショップ勤務)の忠告のお陰である日ハッと我にかえり、無事に健太さんから離れることができました。
「しばらくして、男を見る目がない私を不憫に思った奈緒が、私におすすめの男性を紹介すると言ってくれました。でも私は……正直私はまだそんな気持ちになれなくて」
しかし奈緒さんの優しさを無碍にすることはできず、とりあえず一度だけデートをしてみることにしたそう。その彼の名前は、真輔さん(仮名・33歳・会社員)。
◆前日の夜に熟睡できず、デートで体調を崩した
「ですがデートの前の晩、ほとんど眠れなかったんですよね。毎年そうなんですが、夏の暑くなり始めってエアコンをつけっぱなしの状態にまだ慣れていなくて、寒くて目が覚めてしまったり、無意識のうちにエアコンを消して暑くて起きてしまったりと、熟睡できないことが多いんですよ」
その日はかなり日差しが強く、寝不足の最悪なコンディションで炎天下を歩いた美鈴さんは、真輔さんとの初デート中に体調を崩してしまいます。
ふらつく中で、美鈴さんは元彼の健太さんのことをつい思い出してしまいました。
「健太は私が出先で体調を崩すと『あ〜もう今日一日が台無しだ。なんでよりにもよって今そんな風になるわけ? 分かった、俺への嫌がらせだろ?』とものすごく不機嫌になり私を責めて……。その時の感覚が蘇り、私はパニック発作みたいになってしまい、動悸とめまいでその場に座り込んでしまったんですよ」
◆「とりあえず休もう」優しく介抱してくれて
ですが初対面の真輔さんに迷惑をかけてしまうし、面倒をかけるわけにはいかないので、無理して美鈴さんが立ちあがろうとすると……。
「『大丈夫?! とりあえずここに入って休もう』と真輔さんが私を抱え上げて、テキパキと近くにあったカラオケ店に連れて行ってくれたんですよね」
そして美鈴さんの体調が落ち着くと「暑い中を連れ出してしまったせいかな、ごめんね。一緒に病院に行こうか? それともしばらくこのまま休んでいたい?」と、真輔さんは心配しながら優しく声をかけてくれたそう。
「真輔さんのお陰で安心感に包まれながら、涼しくて人目のないボックス内でゆっくり寝そべって休むことができて、とても助かったんですよ」
飲み物やブランケットを用意するなどごく自然に介抱してくれる真輔さんに、美鈴さんは感動してしまいました。
◆普通のカップルなら当たり前の安心感を思い出した
「モラハラ健太といる時はいつもビクビクしていたけど、真輔さんとは初対面なのにこんな風に身を委ねて楽な気持ちでいられるなんてと驚いてしまって」
美鈴さんはしばらく忘れていた、普通のカップルなら当たり前のような安心感をやっと思い出すことができました。
「しばらく寝そべりながら真輔さんと話しているうちに、すっかりリラックスしたおかげで、体調もみるみる回復していきました」
せっかくだからと、そのまま2人は一緒にカラオケを楽しみました。
◆モラハラ彼氏との過去も告白して
「具合が悪くなったことをきっかけに、前付き合っていたのがモラハラ男だったことも話せました。真輔さんが全てを受け止めてくれるようなおおらかな態度で接してくれたことで、自然と気を許すことができたんです」
やがて、2人はお付き合いをすることになりました。
「紹介してくれた奈緒も、とても喜んでいました。嬉しかったですね。今でもたまにカラオケデートをするのですが、真輔はその度に飲み物やブランケットを用意してくれるんですよ」と微笑む美鈴さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop