砂漠が「グリーン発電所」に変貌 中国内モンゴル自治区

中国華電集団傘下の内蒙古騰格里能源が設置した「砂漠・ゴビ(乾燥地帯)・荒漠地」新エネルギー基地の200万キロワット級太陽光発電プロジェクト。(8月2日、ドローンから、フフホト=新華社記者/李志鵬)
【新華社フフホト9月10日】中国内モンゴル自治区に広がるトングリ砂漠の奥深くには、巨大な太陽光発電所がある。ぎっしりと敷き詰められ、さざ波のように地平線まで連なる青い発電パネルは、灼熱の太陽光を吸収して、不毛の大地を広大な「グリーン(環境に優しい)発電所」に変えていた。
同自治区包頭市にあるシリコンメーカー、内蒙古鑫元硅材料科技の生産現場では、黒い顆粒状のシリコンが24時間休みなく貯蔵タンクに流し込まれていた。検査に合格後、梱包されて倉庫に保管される。
生産運営部の于秀峰(う・しゅうほう)マネジャーによると、顆粒状シリコンは石英砂を高温で溶融するなど複雑な工程を経て精製した高純度多結晶シリコンで、太陽光発電の全産業チェーンのうち、技術的に最も高度な生産工程の一つでもあるという。

中国華電集団傘下の内蒙古騰格里能源が設置した「砂漠・ゴビ(乾燥地帯)・荒漠地」新エネルギー基地の200万キロワット級太陽光発電プロジェクト区域内に自生する砂生植物。(8月2日撮影、フフホト=新華社記者/李志鵬)
于氏は「シリコン材料を生産する際に消費される大量の電力量を削減するため、わが社では独自開発のシラン流動床法を採用している。従来の製造方法に比べ、電力消費量もコストも大幅にカットでき、業界をリードしている」と語る。
市内には現在、太陽光発電企業70社余りが集積し、シリコン材料やモジュールなどを含む太陽光発電の全産業チェーンを構築している。川上・川下企業が連携して、石英砂から太陽光パネルを製造、世界中に出荷している。
トングリ砂漠の南東部では、中国の発電大手、中国華電集団傘下の内蒙古騰格里能源が設置した「砂漠・ゴビ(乾燥地帯)・荒漠地」新エネルギー基地の200万キロワット級太陽光発電プロジェクトが稼働を始めており、数百万枚に上る太陽光パネルが集中して設置されている。

包頭市内の太陽光パネルメーカーで稼働する自動化機械。(2024年5月11日撮影、フフホト=新華社記者/李志鵬)
同社の王軍(おう・ぐん)共産党委書記は「200万キロワット級太陽光発電プロジェクトは約5万3800ムー(約3600ヘクタール)の面積を擁し、年間発電量は130万世帯の電力需要を賄うことができる」と語った。
トングリ砂漠は年間平均降水量が200ミリ未満であるのに対し、可能蒸発量は2千ミリにも上り、流動砂丘の割合は7割を超え、全国で最も生態環境が脆弱(ぜいじゃく)かつ砂漠化が深刻な地域の一つとなっている。
砂漠化対策にはまず砂の固定化が欠かせない。王氏は太陽光発電による砂漠化対策が有効な手段となっていると説明した。

中国華電集団傘下の内蒙古騰格里能源が設置した「砂漠・ゴビ(乾燥地帯)・荒漠地」新エネルギー基地の200万キロワット級太陽光発電プロジェクト。(8月2日撮影、フフホト=新華社記者/李志鵬)
同自治区林業科学研究院森林生態研究所の洪光宇(こう・こうう)研究員は「太陽光パネルが強烈な日差しを遮り、水分の蒸発量を大幅に低減するとともに風速も低下させ、パネル下の植物の生育環境を改善する」と効果をうたった。
同自治区エネルギー局の責任者は、科学技術革新とグリーン転換を通じて、太陽光発電による砂漠化対策が、砂漠を不毛の大地からクリーンエネルギーと生態修復の拠点へと変えると語った。(記者/安路蒙、王靖)

ウランプハ東北部新エネルギー基地。(8月1日、ドローンから、フフホト=新華社記者/李志鵬)

包頭市内の太陽光パネルメーカーで働く従業員。(2024年5月11日撮影、フフホト=新華社記者/李志鵬)

中国華電集団傘下の内蒙古騰格里能源が設置した「砂漠・ゴビ(乾燥地帯)・荒漠地」新エネルギー基地の200万キロワット級太陽光発電プロジェクト。(8月2日撮影、フフホト=新華社記者/李志鵬)

ウランプハ東北部新エネルギー基地。(8月1日、ドローンから、フフホト=新華社記者/李志鵬)