中国当局、タレントに対して初めて死刑を執行:殺人罪を犯した有名歌手チャン・イーヤンとは
タレントの死刑を執行した中国当局

最近になり、中国で活躍していた歌手兼俳優のチャン・イーヤンに対して死刑が宣告され、2024年12月に執行が行われていたことが当局によって発表された。シンガポール局CNAが報じている。中国のエンタメ業界でこのような事件が起きたのはこれが初めて。一体、どのような犯罪に手を染め、どうして執行されたという事実が1年近くも隠されていたのだろうか?
(今回、ご紹介する画像はとくに断りがない限り中国のSNS「微博」から引用した)
チャン・イーヤンとは?

中国では俳優、歌手、シンガーソングライター、映画監督として有名だったチャン・イーヤン。2022年に元恋人を殺害した犯人であることが明らかになったのは、死刑が執行された2025年になってからだ。シンガポール紙『聯合早報』が伝えた。
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歌手になったきっかけは?

子供時代のチャン・イーヤンはラブバラードに感動し、歌手になる決断をしたという。そこで、学校を中退してリアリティ番組のコンテストに参加。芸能界進出のチャンスを窺った。
歌手デビュー

2012年にはコンテスト番組『Happy to Move』で3位を獲得、ついに知名度を上げることとなった。中国のオンラインサービス「NetEase」によれば、その3年後にはデビューアルバムの『Crying Man』をリリースしたという。
別のリアリティ番組にも出演

イーヤンはさらに、別のリアリティ番組『The Next Idol』にも出場したが、こちらではまったく入賞できなかった。とはいえ、ある程度の人気が出始めたため、芸能界に飛び込むための下地はできたとのこと。「NetEase」が伝えている。
画像:百度
歌手から俳優へ

その後、2018年には『Has Anyone Told You』というセカンドアルバムをリリース。さらに、映画『Dragon Soul』で銀幕デビューを果たした。
その後も映画に出演

中国の検索エンジン「百度」によれば、イーヤンの映画出演は一度限りではなく、『The Sound Therapist』にも出演したとのこと。
画像:百度
12枚のアルバムをリリース

俳優として演技に取り組む一方、ミュージシャンとして作曲や演奏にも取り組んでおり、死刑執行までにアルバム12枚をリリースした。最後のアルバムは2020年9月にリリースされた『The Frivolous Years』だ。
映画監督として

ショービジネスの世界でもかなりの才能を示したイーヤン。2011年には映画『Dream Chaser』で監督デビューも果たした。なお、この作品にはイーヤン自身も出演している。
おそろしい裏の顔

しかし、華々しい活躍を続けていたイーヤンには、おそろしい裏の顔があったらしい。2022年に当時16歳だった恋人を殺害したとして、当局に逮捕されてしまったのだ。CNA放送が報じている。
あやうい関係

同放送いわく、2人が交際をはじめた当時、イーヤンはすでに29歳だったが、相手は15歳の未成年であり、最初からあやうい関係だったとのこと。
別れ話を避けるイーヤン

さらに、2人の関係は常に不安定であり、別れ話が出るたびにイーヤンは自ら命を絶つとほのめかし、向き合うのを避けていたようだ。
画像:百度
恋人を林に連れ込み刺殺

一方、『聯合早報』はイーヤンが自分の誕生日である2022年2月26日に恋人を誘い出し、殺害を企てたと報道。イーヤンは恋人を林に連れ込み、そこで口論となって相手を刺殺したという。
画像:百度
自ら命を絶とうとしたが……

マレーシア紙『ザ・スター』いわく、イーヤンは事件後に逃亡し、ホテルの一室で自ら命を絶とうとしたとのこと。しかし、不審に思ったホテルのスタッフが警察に通報したため、この企ては失敗。イーヤンは逮捕され、犯行が明るみに出ることとなった。
「情状酌量の余地なし」

また、同紙によれば、中国当局はこの事件について、未成年を狙った計画的な犯行であり、情状酌量の余地はないとして、イーヤンに死刑を宣告。刑は2024年12月18日に執行されたという。
ネットユーザーの怒り

一方、中国のネットユーザーらはイーヤンが刑死した後の2025年3月に、出演作『The Sound of Music』が公開されたことに憤慨。イーヤンに対する死刑宣告とは裏腹に、当局はこの作品の公開を許可していたという。『聯合早報』紙が伝えている。
厳しい検閲で有名な中国のエンタメ業界

しかし、中国当局はなぜ元死刑囚の出演作にお墨付きを与えてしまったのかについて、今のところ説明を行っていない。中国のエンタメ業界やメディアが当局による厳しい検閲を受けていることはよく知られており、これは奇妙な事態だと言わざるを得ない。
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