中国、ロシアの弾道ミサイル増産に協力か?:ひそかにロシア支援をすすめる習政権
- 弾道ミサイルの増産に乗り出すプーチン政権
- 弾道ミサイル「イスカンデル」とは?
- ウクライナ侵攻における継続的な使用
- 西側諸国の工作機械を入手
- 中国・台湾・ベラルーシから輸入
- 導入された製造装置は数百万ドル相当
- ロシア軍による使用頻度が増加
- 中国企業によるロシア支援
- 禁輸の対象製品を中国から調達
- 化学物質、火薬、部品
- ウクライナが入手した情報
- 深まる中国とロシアの関係
- 「プーチン政権への投資」
- さまざまな形でロシアを支援する中国
- 物的援助の実態は把握が困難
- ドローンの部品はほぼすべて中国製
- 航空機や化学物質に関する支援
- ロシアは禁輸対象の化学物質を中国から調達
- 半導体材料も中国から
- EUや米国は輸出ストップ、中国が穴埋め
- ゼレンスキー大統領による中国批判
- ゼレンスキー大統領の主張
- ロシア領内での武器製造に中国が関与?
- 中国のついたウソ
弾道ミサイルの増産に乗り出すプーチン政権

『キーウ・インディペンデント』紙によれば、ロシアは中国・台湾・ベラルーシ経由で金属加工用の工作機械を調達し、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を大幅に増産しているようだ。
弾道ミサイル「イスカンデル」とは?

「イスカンデル」はモスクワにあるコロムナ機械製作設計局が1990年代に開発した移動式の短距離弾道ミサイルだ。軍事情報サイト「Army Recognition」によれば、このミサイルのおもな標的は戦闘指揮所や航空目標、ミサイル防衛施設などだという。
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ウクライナ侵攻における継続的な使用

ロシア軍はウクライナに対し「イスカンデル」を用いた空爆を続けている。2023年には、このミサイルがクラマトルスク(ドネツク州)のピザレストランを直撃し、13人が死亡、61人あまりが負傷するという事件が起きた。
生産量が3倍に

ロシアでは2024年におよそ700発の「イスカンデル」が製造されたが、これは前年の3倍に相当する量だ。その背景には、ロシアがミサイル製造に欠かせない金属加工用のCNC工作機械を手に入れたことがあると見られている。
西側諸国の工作機械を入手

『キーウ・インディペンデント』紙によれば、ロシアは西側諸国から制裁措置を科されているにもかかわらず、ミサイル製造拠点の国営ヴォトキンスク工場に西側諸国製の工作機械を導入していたというのだ。
画像:Wiki Commons By Premier, Russian Government, CC BY 4.0
中国・台湾・ベラルーシから輸入

製造装置の輸入には複数のロシア企業が関与したと見られているが、『キーウ・インディペンデント』紙はそのうち10件の輸入契約を特定。8件は中国から、1件は台湾から、もう1件はベラルーシからとなっていた。なお、この3ヵ国はロシアに対する制裁に加わっていない。
導入された製造装置は数百万ドル相当

『キーウ・インディペンデント』紙いわく:「本紙はヴォトキンスク工場に数百万ドル相当の製造装置がこの方法で導入されたことを確認した。(工作機械の)納入により、ロシア屈指の危険な兵器製造拠点が強化されることになってしまった」
ロシア軍による使用頻度が増加

ウクライナの軍事ニュースサイト「Militarnyi」によれば、「ウクライナに対するロシア軍のミサイル攻撃激化」は「イスカンデル」の増産と時を同じくして起きたようだ。実際、2024年には「イスカンデル」を用いた攻撃が245件発生したが、これは前年の4.5倍にのぼる頻度だという。
中国企業によるロシア支援

また、2025年1月以降に「イスカンデル」を用いて行われたミサイル攻撃は、すでに180件に達しているとのこと。このような状況の中、ウクライナの対外情報庁は中国企業が様々な形でロシアを支援していることを明らかにした。
禁輸の対象製品を中国から調達

5月25日、ウクライナ対外情報庁のオレフ・イヴァシチェンコ長官に対するインタビューが部分的に公開され、ウクライナは中国によるロシア支援の証拠を掴んでいることがわかった。それによれば、ロシアは中国から禁輸の対象製品を調達しているらしいのだ。
化学物質、火薬、部品

ニュースサイト「ビジネスインサイダー」によれば、イヴァシチェンコ長官はウクルインフォルム通信によるインタビューの中で、中国は特殊な化学物質やスペアパーツ、火薬など、あらゆる製品をロシアの軍事関連施設すくなくとも20ヵ所に供給しているという。
ウクライナが入手した情報

同長官いわく:「中国が(ロシアの)軍事産業向けに工作機械や特殊な化学物質、火薬、部品を供給しているという情報があります」
深まる中国とロシアの関係

このニュースはロシアと中国がウクライナ侵攻を通じて、関係を深めていることを示すものだ。中国は表向きには中立の立場をとっているが、複数の報道によって、実はロシアを支援していることが暴露されてきた。
「プーチン政権への投資」

たとえば、2025年1月には、ワルシャワに拠点を置く東洋研究センター(OSW)のミハウ・ボグシュ氏とヴィトルド・ロドキェヴィチ氏が、ウクライナ侵攻の中でロシアを支援することは中国にとって「プーチン政権への投資」を意味すると指摘している。
さまざまな形でロシアを支援する中国

中国はこれまでのところ、ウクライナ侵攻に直接関与しない姿勢を貫いている。しかし、その裏ではロシアからのエネルギー輸入やパートナーシップ協定、合同軍事演習といった形でロシアを支援してきたのだ。
物的援助の実態は把握が困難

一方、中国による物的援助の実態を把握するのは容易ではない。ただし、中国当局は軍事転用可能な民生品からスペアパーツのような装備品まで、製品をロシアに供給しているらしい。
ドローンの部品はほぼすべて中国製

イヴァシチェンコ長官いわく、ロシア製ドローンに使用される電子部品の80%は中国から輸入されている。『ウクライナ・プラウダ』紙によれば、こういった製品は多くの場合、監視の目を避けるためにパッケージのラベルが書き換えられ、ダミー会社を通じて輸送されているとのこと。
航空機や化学物質に関する支援

また、ウクライナ対外情報庁によれば、2024年から2025にかけて、中国が航空機のスペアパーツや関連機器をロシアに供与するケースは5件あったほか、特殊な化学物質については6件が確認されているという。
ロシアは禁輸対象の化学物質を中国から調達

さらに、m2025年2月には、ラジオ・フリー・ヨーロッパが行った報告によって、中国はロシアの軍事関連企業にとって、禁輸対象の化学物質を入手する上で重要な(あるいは唯一の)調達先となっていることが判明した。
半導体材料も中国から

実際、ロシアにガリウム、ゲルマニウム、アンチモンといった半導体材料を供給しているのは中国だけだ。「Militarnyi」いわく、こういった材料は「マイクロエレクトロニクスやレーザーシステム、サーモグラフィ、特殊合金、核兵器の部品として使用されている」とのこと。
EUや米国は輸出ストップ、中国が穴埋め

「Militarnyi」いわく:「2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が勃発すると、ロシアに対する半導体材料の輸出は規制されることとなった。これにより、EUおよび米国からの輸出はストップしてしまった」そこで、中国がその空白を埋めているというわけだ。
ゼレンスキー大統領による中国批判

しかし、『ウクライナ・プラウダ』紙によれば、ウクライナが中国によるロシア支援を問題視したのは今回がはじめてではない。4月17日にも、ゼレンスキー大統領が記者会見の中で、ロシアに対する武器・軍事物資の供与をめぐって中国を非難していたのだ。
ゼレンスキー大統領の主張

ゼレンスキー大統領は当時、「ついに、中国がロシア連邦に武器を供与しているという情報がもたらされました。ウクライナ保安庁および情報機関から火薬と大砲に関する情報が届いたのです」と主張。
ロシア領内での武器製造に中国が関与?

同大統領はさらに、「中国から派遣された人物がロシア領内における兵器製造に関与しているようです。来週にはより詳細な情報を提供できると思います」とした。
中国のついたウソ

ゼレンスキー大統領はまた、中国との首脳会談において、習近平国家主席が中国はロシアに武器を供与・売却しないと述べたことに言及。「残念ながら、それはウソだったという情報がもたらされてしまいました」とした。
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