インパクトドライバーとドリルドライバーは何が違う? DIYでのオススメは? マキタのペン型で比較してみた【テレワークグッズレビュー】

USB充電式電動ドライバーも便利!! だがしかし……, 締め付け過ぎやネジなめを防ぐドリルドライバー, 設定を変えなくても指先で強弱調整できるインパクトドライバー, 木工での使い勝手はどう違う? 比較してみた, PCまわりなどの小ネジを扱うのにオススメなのは?

マキタのペン型インパクトドライバー「TD022D」とペン型ドリルドライバー「DF012D」で使い勝手を比べてみた

インパクトドライバーとドリルドライバーの違いをご存じだろうか? 見た目もそっくりだし、使用用途も同じようなもので、何が違うのかよく分からない人も少なくないと思う。かく言う筆者はどちらも使ったことがあるので違いは理解しているものの、じゃあどちらを選ぶかと言われると悩ましい。かといって2つ買いそろえるほどか、という気もする。そこで今回、マキタのペン型ドリルドライバーと、同じくペン型インパクトドライバーを使い比べて、その違いをつまびらかにしてみたい。

USB充電式電動ドライバーも便利!! だがしかし……

以前、USB充電式電動ドライバーのレビューをお届けした。人気のベッセルとパナソニックの電動ドライバーを比較したわけだが、結論から言うとどちらもとてもよかった。

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人気の電動ドライバー、パナソニック「充電ミニドライバー EZ1D11S」とベッセル「電ドラボールプラス 220USB-P1」を比較した

パナソニック「充電ミニドライバー EZ1D11S」はトルクが弱いが回転が速い。比べてベッセル「電ドラボールプラス 220USB-P1」はトルクが強いが回転が遅い。

PCまわりの作業だと、そもそもそんなに強いトルクが必要ないので、パナソニックのほうが素早く作業ができる。ただ、自転車やクルマの整備だと、サビや汚れでネジの回転が渋いことがあって、トルクの強いベッセルのほうがストレスなく作業できることが多い。そんなわけで2つ買ったがそれぞれに活躍している。

ただ、電動ドライバーでは力不足を感じるのが木工まわりの作業だ。先日、木製の棚に電動ファンを埋め込むというDIYを行ったが、そういった作業で穴を開けたり、木ネジを締め込むようなシーンだと、電動ドライバーでは力不足感は否めない。

となると欲しくなるのがドリルドライバーやインパクトドライバーというわけだ。筆者はもともとペン型のドリルドライバーを持っていて、こういったシーンではとても活躍してくれたし満足していた。が、もしかしてインパクトドライバーのほうがいいのかも、という気がしてきた。

というのも、ときどき趣味で工具の動画を見ているのだが、ドリルドライバーvsインパクトドライバーをテーマにしたものがいろいろと上がっていて、それを見ていると、インパクトドライバーを推す人が多い印象。

筆者の意見としては、ドリルドライバーのほうがよいだろうと思っていた。というのも、以前インパクトドライバーを借りて使ったときに、そのパワーでネジの頭をなめてしまったことがあって、「インパクトドライバーは扱いが難しい」という印象を持っていたからだ。

ただ、あまり電圧の高くない、トルクの弱いインパクトドライバーであれば、そういった扱いにくさが抑えられるという声もある。また、小刻みに力を加えるインパクトドライバーのほうが、「なめにくい」という声もあった。「本当に?」と疑いたくもなるが、インパクトドライバーを使った経験は数回しかないだけに、だったら試してみるか、という気になったわけだ。

というわけで、もともとマキタのペン型ドリルドライバーを持っていたので、新たにマキタのペン型インパクトドライバーを購入した。

なお、正式名称はマキタの「充電式ペンドライバドリル DF012D」と「充電式ペンインパクトドライバ TD022D」になるが、本稿では通称としてペン型のドリルドライバー、インパクトドライバーという呼び方にする。ドライバードリルかドリルドライバーかはメーカーによっても異なるが、筆者の肌感覚としてはドリルドライバーと呼ばれることのほうが多い気がする。

締め付け過ぎやネジなめを防ぐドリルドライバー

というわけでまずは見た目から。

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写真上がマキタ「充電式ペンドライバドリル DF012D」下がマキタ「充電式ペンインパクトドライバ TD022D」、サイズはほぼ同じ

写真を見ていただければ分かるとおり、くわしくない人なら違いが分からないぐらいよく似ている。一番の違いは先端にダイヤルがあるか否かだろう。ダイヤルが付いているほうがドリルドライバーだ。

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ドリルドライバーにあるダイヤルを調整すると、一定の負荷がかかったときにそれ以上トルクがかからなくなり、締めすぎやカムアウトを防止できる

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ドリルのマークにするとクラッチは効かなくなるので、電動ドリルとして使用できる

このダイヤルがドリルドライバーの最大の特徴で、このダイヤルの数値を低くしておくと、ある程度締め付けトルクがかかったところで、クラッチ機構が働いて、それ以上締め込まないようになる。要は自動で停止してくれるわけだ。

ネジの中でもメジャーなプラスネジの扱いが難しいのは、カムアウトしがちということだ。プラスネジの場合、ネジを回そうと力を加えると、その反動でドライバーを押し上げようとする力が働く。なので、外れないようにドライバーを強く押しつけておく必要があって、その力が足りないとカムアウト、つまりネジ頭からドライバーが外れて、ネジ頭をなめてしまう。一度なめたネジはさらになめやすくなって、それをくり返せば、いずれはドライバーが引っかからなくなって外せなくなってしまう。

というわけでカムアウトしたくないわけだが、これが電動ドライバーの類いだと、最初はクルクルと軽く回っていたものが、締め切ったところで急に反動がかかるので、その瞬間にカムアウトしがちなのだ。しかも電動だとカムアウトしても回り続けるので、あっという間にネジ頭をダメにしてしまう。

その点、ドリルドライバーでこのダイヤルを低い値にしておけば、手に反動が来るのと同時にクラッチが働いて止まってくれるので、カムアウトしにくくできる。もちろん設定を弱くしすぎれば締め切る前に止まってしまうので、その都度調整が必要だし、最後の本締めは手でやる必要があるので、その分、手間や時間はかかるが、失敗を防ぐという意味では、このクラッチ機構は非常に意味がある。

プロであればなるべく早い作業が求められるが、アマチュアのDIYであれば、納得いくまで時間を掛けることができる。筆者が多少手間や時間がかかっても、失敗しにくいドリルドライバーがオススメだと思う理由はそこにある。

ちなみにこのダイヤルをドリルのマークまで持っていくと、フルロック状態でクラッチが働かなくなる。こうすることで電動ドリルとしても使うことができる点もドリルドライバーの特徴だ。

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スイッチ部。上側が正回転で締め込み、下側が逆回転で緩める方向。ただのオン・オフ スイッチなので、ここでスピード調整はできない

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スピード調整はこのスイッチで2段階に調整可能

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手締めするときはここをロックする必要がある

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バッテリーは7.2V

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先端にLEDを内蔵

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LEDはスイッチでオン・オフできる

設定を変えなくても指先で強弱調整できるインパクトドライバー

次にインパクトドライバーを見ていこう。

こちらにはクラッチのダイヤルもクラッチ機構もない。代わりにインパクト機能があって、トルク不足でネジを締め込み切れなくなったところで、さらに回転方向に衝撃を与えることで、より強いトルクで締め込むことができる。これによって長いネジや太いネジなど、締め込むのが大変なネジでも力強く締め込むことができる。そのため、最後に手締めをしなくても、ドライバーまかせで本締めまですることも可能だ。

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ドリルドライバーにはダイヤルはない。ただし中に回転方向に衝撃を与えられる機能を持つ

一日に何百本のネジを打ち込むようなプロにとっては、わざわざダイヤル調整をして、さらに手締めをしないといけないドリルドライバーより、本締めまで一気にできるインパクトドライバーのほうを評価するのもよく分かる。

実は今回比較したインパクトドライバーとドリルドライバーにはもうひとつ大きな違いがあって、それが回転を操作するスイッチだ。今回紹介しているマキタのペン型ドリルドライバーの場合、正回転方向・逆回転方向にただオン・オフするだけのスイッチなのに対して、インパクトドライバーのほうはレバーの回し具合で回転の具合を調整できる(ドリルドライバーの場合、別のスイッチで高速・低速の2段階で調整できる)。

つまり、インパクトドライバーの場合、クラッチがない代わりに、レバーの強弱で締め込み具合を調整することができるということ。そのため、使いこなせればわざわざ設定を変えることなく、スイッチの操作だけで締め込み過ぎやネジなめをせずに作業できるというわけだ。

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スイッチ部は回転させる形で、その回し具合によって速度とトルクが調整できる

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手締めの際はスイッチでロックする

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先端にはLEDを内蔵。ドライバーを動かすのと同時に点灯、つけっぱなしもオフにもできない

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バッテリーは7.2V。ドリルドライバー「DF012D」と共通だ

木工での使い勝手はどう違う? 比較してみた

ということで実際に木ネジを木に締め込む作業をやってみた。

今回比較するマキタのペン型ドリルドライバーとインパクトドライバーは、どちらも同じバッテリーが使えるもの。基本的に電動工具の力強さはバッテリーの電圧に左右されるので、能力としては大きな差はないと思っていいだろう。

今回はコーススレッドと呼ばれる木工でよく使われるネジを、比較的柔らかく、DIYでもよく使われる2×4(ツーバイフォー)材にねじ込んでみた。本来であれば木が割れたり、ネジを真っ直ぐ入れやすくするために下穴を開けるところだが、検証のためあえて下穴は開けていない。

まずはドリルドライバーから。トルクが必要なため、回転速度は低速側にしてある。

最初はクラッチを弱めからスタートして徐々にトルクを上げていく。今回の場合、ダイヤルを17にしたぐらいがちょうどいい締め込み具合になった。最初この設定を決めるのに時間がかかるが、一度決まればあとはその数値で締め込めば、おおむね同じぐらい締め込むことができるし、締め込みすぎることも防げる。もちろんちゃんと力を入れておく必要はあるが、グッとトルクがかかるとすぐにクラッチが働くので失敗もしにくい。

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ダイヤルを17にした状態で締め込み、クラッチが効いたところ。めり込みすぎずちょうどいいところでクラッチが働いてくれた

場所によって締め込みが足りないと感じたときは、スイッチでロックしてから手で本締めすることができる。ここでその都度ロックしないといけないのがちょっと面倒で、筆者の場合、普通の電動じゃないドライバーを持っておいて、本締めはそちらに持ち替えて行うことが多い。普通のドライバーのほうが締め付けの力加減も分かりやすい気がしている。

ダイヤルを締め込めば結構な力が出るので、頭がめり込むぐらいねじ込むことも可能だ。もちろん、木の堅さやネジの太さにもよるが、DIYで使うレベルであれば、トルク不足で締め込めきれないこともなさそうだ。

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ダイヤルを最大の21にして締め込んだところ。途中で止めたが2×4材相手ならいくらでもめり込んでいきそうだ

次にインパクトドライバーを使って同じくコーススレッドを締め込んでみる。

比較するとこちらは音がうるさい。ただ、音の大きさとは裏腹に、手にかかる反力のピークはドリルドライバーより小さい印象。ネジの締め込みがきつくなったときに、ドリルドライバーはその反力がそのまま手に来るのに対して、インパクトドライバーは手に反力が来る前にトルクが逃げるような感じで、その代わりに次の瞬間に衝撃が来る。ただ衝撃と言っても小刻みのものなので、手を持っていかれるような感じではない。

ドリルドライバーが、回転数は低いが太いトルクで一定の速度で回り続けようとするのに対して、インパクトドライバーは、軽く回るときには速く回って、きつくなるとゆっくり少しずつ締め込むようになるので、結果的に持ち手に伝わる反力は、最初から最後まであまり変わらない。なので力のない女性などであれば、インパクトドライバーのほうが扱いやすそうだ。

筆者が以前借りたインパクトドライバーは18Vとかの強力なタイプだったので、扱いが難しい印象だったが、今回の7.2Vぐらいだと、締め込む回転もそこまで速くないので、勢い余って締め込み過ぎるミスもしにくそうだ。

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インパクトドライバーで、いい感じのところで止めた様子。最後の方は比較的ゆっくり締まっていくので調整は難しくなかった

それでいて、締め始めの軽いときはドリルドライバーより高回転で回るので、トータルで締め込み終わるまでの時間は、若干だがインパクトドライバーのほうが速かった。

ちなみにそこからさらに締め込んでみたところ、こちらも2×4材ぐらいの柔らかい木であればどんどんめり込んで行く。ただし、締め込みが重くなると回転数は落ちるので、そういった高負荷の状況だとドリルドライバーのほうが速くなる。インパクトドライバーはゆっくりだがじわじわとめり込んでいく、という感じだ。

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どこまでねじ込めるか試してみた結果。もっと時間を掛ければさらに入りそうではあったが、かなりゆっくりになる

それと使っていて気がついたのだが、実はインパクトドライバーのほうがカムアウトしにくいかもしれない。深くまでねじ込んだネジを緩めようとしたときだが、ドリルドライバーのほうで数回カムアウトしてしまったのに対して、インパクトドライバーは全くカムアウトすることなく外せた。

ネジを外すときは、ドライバーを押しつける加減を緩める必要があるので、その結果、ドリルドライバーのトルクに負けてカムアウトしてしまった形だが、インパクトドライバーのほうは、小刻みにトルクが抜けるので、カムアウトまでいかない、という印象だ。それでいて、外すときはトルクが弱くてもいいので、スピードはインパクトドライバーのほうが圧倒的に速い。

正直、ドリルドライバー派だった筆者だが、この検証でインパクトドライバーのほうがいいような気がしてきた。

PCまわりなどの小ネジを扱うのにオススメなのは?

ただし、それはあくまで木工作業に限った話。試しにちょうど壊れて分解していた外付けHDDのネジで作業してみたのだが、小さなネジ、そこまで大きなトルクがいらないネジに関しては、がぜんドリルドライバーのほうが使いやすい。

というのも、ドリルドライバーのクラッチを5ぐらいまで下げておけば、ネジが締まると同時にすぐに回転が止まってくれるのだが、インパクトドライバーの場合は、スイッチをじわりと動かして、ゆっくり作業しないと、一瞬でネジの頭をなめてしまう。

もちろん丁寧に作業すればそんなことにはならないのだが、つい木工の感覚でスイッチを動かすと、本当に一瞬でネジをダメにしてしまう。実は今回の検証動画でも、それまでの木工の感覚でグイッとスイッチを動かしたら、一瞬でなめてしまった。

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HDDケースの基盤を止めるネジをインパクトドライバーで締めたら、失敗してなめてしまった

また、カムアウトしないようにちゃんと押さえつけながら作業したとしても、インパクトドライバーでそのまま締め込み続けると、ネジの頭をねじ切ってしまう。試しにHDDを固定するネジをインパクトドライバーで締め続けたところ、数秒で簡単にねじ切ってしまった。

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HDDを固定するネジをインパクトドライバーで締め続けたら数秒でネジの頭がもげた

というわけで、PCまわりのネジ回しだけであれば、パナソニックの電動ドライバーが、トルクが弱くて一押しなので、木工用にインパクトドライバー、PCまわり用に電動ドライバー、という組み合わせがよさそうだが、もし1本で木工もPCも、ということであれば、間違いなくドリルドライバーがオススメだ。

INTERNET Watch編集部員やライター陣が、実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズをリレー形式で紹介していく「テレワークグッズ・ミニレビュー」。もし今テレワークに困りごとを抱えているなら、解決するグッズが見つかるかも!? バックナンバーもぜひお楽しみください。