「育った環境のせいかもしれません」「ご褒美は大型スーパーの…」松坂桃李が他人から褒められる“長所”と見つけたら“即買い”する物

松坂桃李さん。
前篇では、劇場アニメ『ひゃくえむ。』の主人公・トガシの役を通して“俳優としての覚悟と孤独”を語ってくれた松坂桃李さん。後篇では、プレイベートのお話へ。多忙ななか、オフでは一杯のアイスコーヒーやステーキに心癒されながら、働くときも家族と過ごすときも「自分らしくいたい」と語ります。
姉と妹にはさまれて育ったからこそ聞き上手に?

松坂桃李さん。
――この作品には、トガシをはじめとして個性的なキャラクターが多く登場しますが、松坂さんがいちばん惹かれたのは誰ですか?
悩みどころですが、海棠が好きです。一番年長で、まわりから見たら現役にすがっているように見えるかもしれないけど、そうじゃない。アスリートでいることへの向き合い方が本当にきれいで、清々しさすら感じます。
あそこまで体力やメンタルを維持するのは、本当に大変だと思うんです。たったの10秒にかける世界に居続けること自体も、すごい精神力だと思うし。かなり好きなキャラです。
――さまざまな人物が出てくるなかで、トガシは自分の知らないところでライバル視されているシーンがありました。他人だから見える長所があるせいだと思うのですが、松坂さん自身がまわりに言われて気づいた長所はありますか?
強いて言うならですけど、先輩から「聞き上手だよね」と言われたことがあります。ただ、別の先輩からは「お前、話聞いてるか?」って言われたこともあるので(笑)、相手によるのかもしれません。
もし本当に聞き上手なんだとしたら、育った環境のせいだろうとは思います。姉と妹に挟まれて成長したので、自分がしゃべるよりも二人の話を聞く時間の方が圧倒的に長かったんです。自然とひたすら聞かざるを得なかったというか(笑)。
どんなときも「自分らしさ」全開でいたい

松坂桃李さん。
――今作は、アスリートの厳しい世界を描きながらも、トガシが「限定のイワコロパン」に振り回される姿にかわいらしさが垣間見えました。松坂さんにとっての好物や「ご褒美フード」はありますか?
大型スーパーで売っている真空パックのヒレステーキです。きっと人気なんでしょうね。すぐに売れてしまうので、見つけたら即買いです。密封されて鮮度が保たれているせいか、焼くだけでお店のような味になる。素人の僕が焼いても、特別なステーキになるのでおすすめです。

松坂桃李さん。
あとは、とあるお店のアイスコーヒーです。妻が地元の方に教えていただいて、一緒に行ってハマりました。僕は世界一だと思っています。苦味も酸味もあって、ものすごく奥行きのある味でありつつ、飲みやすいんです。
ただ、頻繁には行けない場所で、近くに行った時には絶対に立ち寄るようにしています。行ったら必ず飲みたい、飲まずにはいられない味です。世界中のバリスタが通うくらいのお店みたいです。
――大切にしたい特別なお店なんですね。ちなみにコーヒーは、ご自宅でも飲まれているんですか?
家では豆を挽いて淹れています。テレビで紹介されていた豆をネットで取り寄せたりもして。ただ最近ミルが壊れてしまって新しいのを買わないと……。

松坂桃李さん。
仕事のある日は、撮影するシーンを確認して、必ずコーヒーを飲んでから行きます。コーヒーがオンとオフのスイッチみたいなものかもしれません。遅くまでの撮影も多いので、頑張らなきゃと気合を入れるときにも必要です。カフェインの摂りすぎには気をつけないととは思っているんですが。
――なるほど。コーヒーを淹れて飲むのがルーティンみたいなものでしょうか。ほかにもルーティンはありますか?
子どもが生まれてから、生活がすっかり朝型になりました。仕事がない日でも5時半に起きて、子どもの世話をしながら、掃除、買い物、ご飯作りと家のことをやっているとそれで1日があっという間に終わります。

松坂桃李さん。
夜、子どもがなかなか寝てくれない時期があって、お昼寝をやめてみたらスッと寝てくれるようになったんです。ただ、お昼寝を抜くのは大変。眠くてぐずらないよう、いかに別のことに夢中にさせるか考えましたね。
――仕事も忙しく、プライベートも充実されていると思うのですが、どういうときに自分らしさを感じますか? トガシ自身、葛藤したり迷ったりしながら、自分らしい走りを模索していましたが。
仕事をしている自分、家族といる自分、一人でいる自分。多分それぞれ違う面が出ていると思うんですが、やっぱりどれも自分なんだろうなと思います。特に最近そう思うようになりました。

松坂桃李さん。
表現をしたり、話をしたり、家族とコミュニケーションをとったりというのは、どれも自分のフィルターを通してしているから。家にいるからリラックスしているわけじゃなく、家族といるときも、仕事相手と対面しているときも、等しく自分らしさ全開なんじゃないかな。どんな状況でも、自分らしくありたいし、あり続けられたらいいな、と思っています。
松坂桃李(まつざか・とおり)
1988年、神奈川県生まれ。2009年に俳優としてデビュー。『孤狼の血』で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。さらに『孤狼の血 LEVEL2』、『流浪の月』で第45回と第46回の日本アカデミー賞優秀主演男優賞をそれぞれ受賞。近年の主な出演作にドラマ『御上先生』や、映画『父と僕の終わらない歌』、『パディントン 消えた黄金郷の秘密』※声の出演、『フロントライン』がある。また、2027年のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』で主演を務める。