【認知症のあるある対策】食事を忘れる・トイレの失敗時の寄り添い方5選

【認知症のあるある対策】食事を忘れる・トイレの失敗時の寄り添い方5選

「認知症はネガティブで偏見に満ちたイメージに支配されています」と話すのは『認知症世界の歩き方』著者の筧裕介さん。そんな思い込みを解消し、認知症に対する理解を深めるための具体例を紹介します。

▼▼

お話を伺ったのは

筧 裕介さん

『認知症世界の歩き方』著者、issue+design代表、工学博士

かけい・ゆうすけ●1975年生まれ。

2008年「issue+design」を設立し、社会課題解決のためのデザイン領域の研究、実践に取り組む。

主なプロジェクトに災害時の避難所運営を支える「できますゼッケン」、育児支援の「親子健康手帳」など。

トキシラズ宮殿

正しい「時の流れ」の感覚を失ってしまう迷宮です。ほんの数分のはずが気づいたら数時間たっていたり、ランチを食べようと思ったのに夕飯の時間だったり。体内時計の狂いなど原因はいくつか考えられますが、本人にとってはそれが事実なのです。論理的に説得しようとしてもあまり効果はありません。

食べたことを忘れる

「そろそろご飯かしら」「おなかがすいたわね」「お夕飯はまだ?」……。さっきしっかり食べたばかりだよ。何でそんなにすぐ、食べたことを忘れちゃうの?

たとえば……

●食事時間を知らせるアラームを鳴らす食事のタイミングを知らせるには、スマホのアラームがお役立ち。「好きな音楽が鳴る→食事する」が楽しみにも。●お茶や軽いお菓子をつまみながらゆったり過ごす「空腹だ」という事実は受け入れますが、過食は健康を害します。ゆったり過ごすと空腹感がおさまることも。●食事の写真を撮影して記録するご飯と本人を一緒に撮影し、記録に残すのも手。写真は、あいまいになる記憶を補う手助けになります。

ホワイトアウト渓谷

見回せば視界は真っ白。どこにいるんだっけ? 何をするんだっけ?と混乱するのがこの渓谷。トイレの失敗も、ここに迷い込んだからかもしれません。ドアが閉まっているのでトイレだとわからなかったり、自分と便座との距離感がつかめずうまく座れなかったり。問答無用で紙パンツを使う前にアイデアを練りましょう。

トイレの失敗が増えた

トイレに間に合わずに漏らしてしまうことが増えてきた。怒っちゃいけないと思うけれど、切なくてついきつい言い方をしてしまう。紙パンツを使ってもらおうかな。

たとえば……

●便座カバーや便座シートにひと工夫便座の場所や形を把握しにくいようなら、便器と同化しない、はっきりした色の便座カバーをつけてみましょう。●トイレのドアを常に開けておく視界に入らないものは見つけられないのがこの渓谷。常にドアオープンで、ホワイトアウトに遭遇しなくなるかも。

▼▼

取材・文/本木頼子イラスト/稲葉千恵美(オフィスナイス 『認知症世界の歩き方 実践編』より)※この記事は「ゆうゆう」2025年10月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。