辛さ31段階!宮崎「辛麺」元祖のカスタマイズ力

宮崎の新しいご当地グルメ「辛麺」の元祖といわれるローカルチェーンとは?(筆者撮影)
宮崎の新名物「辛麺」
近年、その知名度が高まりつつある宮崎の新名物「辛麺」。大手メーカーもインスタントの辛麺を販売していたり、県外でも提供する店が増えていたりすることから、宮崎で辛麺を食べたことがなくても、その存在を知っている人は多いのではないだろうか。
【写真を見る】「辛いッ! だけど旨いッ!」桝元の「元祖辛麺」はこんな感じ。
辛麺は宮崎県の北部にある延岡市が発祥とされ、2000年代後半から2010年代にかけて宮崎県内に広まっていった印象だ。
現在では延岡市のみならず、宮崎県内のあちこちに辛麺の店が展開されており、その特色もさまざまではあるものの、通称「こんにゃく麺」と呼ばれる蕎麦粉と小麦粉を配合した麺に唐辛子の効いたスープ、溶き卵とニラ、ひき肉、刻みにんにくを具材としたものが一般的だといえるだろう。
現在は家族連れが訪れやすいロードサイドの店舗が多いが、かつては繁華街の一角で営業している場合が多く、筆者も飲みの締めや夜の街でのバイト帰りによく寄っていたことを覚えている。
そして、宮崎の“辛麺界”を絶えずリードしてきたのが、今回取り上げる「辛麺屋桝元」である。辛麺の元祖ともいわれ、「辛いッ! だけど旨いッ!」をコンセプトに、県外にも多店舗展開しながらも県民に愛されている店だ。
今回訪れたのは、都城市にある辛麺屋桝元都北店。県民おなじみ、黒×赤の“桝元カラー”を配した黒い建物と赤い看板が目印だ。壁に描かれたオリジナルキャラクターの「カラーメン」くんがキリリとした表情で出迎えてくれる。

辛麺屋桝元都北店。都城インターチェンジから車で10分ほどの距離で、国道10号線からも程近く、車でのアクセスが便利だ。地元スーパーの「コープみやざき 都北店」と同じ敷地内で駐車場は共有している(筆者撮影)
外観と同じく、店内も黒で統一されておりシックな印象。座敷席とテーブル席に加えて、カウンター席も用意され、おひとり様でも気軽に入れる。注文は店員さんにお願いすることもできるが、席に用意されたQRコードからのモバイルオーダー推奨。店舗によってはタブレットを導入しているようだ。

ゆったりと座れる座敷席(筆者撮影)
麺の種類や辛さを選んで理想の一杯を
メニュー表を見ると、味は「元祖辛麺」「トマト辛麺」「白い辛麺」「カレー辛麺」「みそ辛麺」の5種類がラインナップ。サイズは、レギュラーサイズとレディースサイズの2種類で、麺は、“こんにゃく麺”の「韓国麺」に加え、「中華麺」「太麺」「うどん麺」が並ぶ(都北店限定で「ちぢれ麺」も選択可能)。
また、にんにくの量は、「あり」「少なめ」「なし」の3種類から選べる。

自分好みの味を見つける楽しさも(筆者撮影)
店長の長曽我部さんに尋ねたところ、スタンダードな「元祖辛麺」がやはり人気があり、その次に注文が多いのは「トマト辛麺」だという。麺は韓国麺を選ぶ人がほとんどだそうだ。
辛さは0辛から30辛までと細分化されており(辛さによって価格が異なる)、自分好みの辛さを見つけやすい。0辛はまったく辛みがないので、子どもでも安心して食べられる。麺の種類に加え、31通りの辛さから選ぶことができ、自分好みの一杯を叶えることができるのはうれしい。
注文は「3〜5辛が平均的」とのことで、30辛は時折注文が入る程度だそうだが、25辛程度なら休日に10杯前後の注文が入るという。激辛を頼むのは、男性よりも圧倒的に女性が多いそう。
ちなみに、長曽我部さんがいつも食べるのは「2辛」とのことで、「辛麺屋で辛い麺を頼まないなんて……」などと臆する必要はない。辛いものが苦手な人も、激辛好きも、堂々と好きな辛さで注文しよう。
もうもうと上がる湯気とともに辛麺登場
筆者が選んだのは、元祖辛麺レギュラーサイズ5辛で韓国麺、にんにくあり。ミニなんこつとごはんがセットになった「ミニなんこつセット」1480円(税込)を注文した。
「なんこつ」とは、とろとろになるまで煮込んだ豚の軟骨をポン酢でいただく一品で、実は隠れた人気メニュー。豚の軟骨を使った料理が比較的よく食卓にあがる宮崎ならではのメニューと言えるかもしれない。
また、「なんこつ」とは別に、店舗限定メニューとして「味付きなんこつ」もある。長曽我部さんによると、生姜を効かせたしょうゆベースの味で、こちらもまた人気メニューだそう。店舗によって異なる味付けのメニューが展開されているとのことで、さまざまな味わいを求めて各店舗を巡るのも良いかもしれない。

全店舗制覇したくなる店舗限定メニュー。「味付きなんこつ」は680円(税込)(筆者撮影)
ほどなくして、注文の品が運ばれてきた。もうもうと上がる湯気に、否が応でも期待が高まる。真っ赤なスープはふわふわとした溶き卵にニラ、ごろごろとしたひき肉、にんにくで一面が覆われている。

元祖辛麺レギュラーサイズ5辛の韓国麺、ミニなんこつセットで1480円(税込)(筆者撮影)
スープはさらりとして澄んだ色合い。おそるおそる口に運ぶとうまみが広がり、甘みすら一瞬感じる。……と思っていたら、時間差で辛さが到来。いや、襲来。思わず、「辛いッ! だけど旨いッ!」と言いたくなる。唐辛子とにんにくのパンチが効いているのにしつこくなく、いくらでも飲み進められそうだ。

スープはこんな感じ(筆者撮影)
たっぷりの具材の下には麺が泳ぐ。通称“こんにゃく麺”というだけあり、見た目も確かに糸こんにゃくのよう。冷麺の麺を想像してもらうと、その見た目は近いかもしれない。
もっちりというより、むっちりとした歯ごたえがどうにもクセになる。噛みごたえがあるため、口の中の滞在時間が長く、スープと具材、麺が渾然一体となったおいしさをじっくりと感じられる。

スープとしっかり絡む(筆者撮影)
具材の存在感も負けてはいない。ふわふわの卵は、スープの唐辛子をしっかりとまとって舌を刺激してくる。ニラはシャキシャキとした食感と独特の風味がアクセントとなって、飽きることなく箸が進む。ひき肉はごろりとしていて、食べ応えがあるサイズ。噛み締めると脂の甘さが広がり、辛さの中で一服の清涼剤となってくれるのがうれしい。

具材はごはんの上に乗せてもおいしい(筆者撮影)
ホクホクとした食感が楽しめる粗みじんのにんにく
特筆すべきは、たっぷりのにんにく。粗みじん切りほどのサイズのにんにくが、すくってもすくっても出てくる。小さすぎないのでホクホクとした食感も楽しめて、にんにく好きにはたまらない。
不思議とそんなに匂いは気にならないように感じたが、食後に予定がある場合などは「少なめ」や「なし」で注文すると良いだろう。190円(税込)でトッピングとして追加することもできるので、お好きな方にはぜひ“追いにんにく”をおすすめする。

エンドレスに出てくるにんにくがうれしい(筆者撮影)
そして、ちょうど良い箸休めとなるのがなんこつだ。箸で持ち上げると落ちてしまうほどにとろとろに煮込まれ、口に含んだ瞬間ほどけて消えていく。さっぱりとしたポン酢タレが、なんこつの甘さを引き立てて、炎上している口腔内をすみやかに鎮火してくれる。
なんこつそのものの味わいはあっさりとしているため、スープに浸して食べてもおいしい(実際にトッピングのメニューのひとつに「なんこつ」(240円税込)がある)。

「なんこつ」はまさに“骨抜き”にされるうまさ!(筆者撮影)
一口、もう一口と食べ進めるほどに汗がじんわりと吹き出し、そのたびにハンカチで拭うのに手間取る。しかし、食べ終える頃にはどこかすっきりとした気分となり、夏の疲れも吹き飛んでいったような気がした。
代表の長曽我部隆幸氏はもともとナイトクラブを運営していたが、辛麺屋桝元の創業者に頼まれて店舗のひとつを買い取ったことをきっかけに事業規模を大きく展開していったという。
現在は直営店舗だけでなく、フランチャイズも展開し、全国に60店舗以上を構えるほどの規模に成長した。店舗の多くがロードサイドやモールのフードコートで営業しており、気軽に訪れやすい。

赤い看板が目印(筆者撮影)
今回ご紹介した都北店のある都城市には、都北店を含め3店舗。県北部の日向市には2店舗、創業の地である延岡市には4店舗が営業している。延岡市には、他の店舗とは趣が異なる「桝元本店」もあるので、ぜひ県北部を訪れた際には足を運んでみてほしい。昼夜営業の店舗が多い中で19時〜翌朝3時の営業となっており、飲みの締めに最適だ。
また、宮崎市内にも7店舗が営業しているので、出張の際にはぜひ近くに辛麺屋桝元がないか検索してみてはいかがだろうか。
もっと宮崎の味を楽しみたい方へ
都北店から車を5分ほど走らせると「道の駅都城 NiQLL」が見えてくる。
2023年4月にリニューアルオープンした道の駅で、生鮮野菜や精肉、焼酎などの地場産品やお土産が並ぶだけでなく、肉や焼酎、果物、さつまいもをテーマにしたカフェ、宮崎の食材を堪能できるレストランも併設されている。宮崎のおいしいものをもっと堪能したい!という方は、ぜひ訪れてみることをおすすめしたい。

「道の駅都城 NiQLL」週末にはイベントもよく開催されている(筆者撮影)