東大卒100人に調査、小学校高学年のときに自宅で勉強していた場所は? 「学習拠点の数は、ひとりあたり平均で2.6か所」

 家の中で子どもが勉強する場所は親の目があるリビングがいいのか? それとも静かな子ども部屋がいいのか? 子ども部屋を与えたほうがいいのか? 住宅事情もありますが、小学生の親の多くが疑問に思うことでしょう。東大生の家庭や学習環境について調査・研究をしている収納コンサルタントの米田まりなさんに、子どもの学習スペースについて聞きました。著書『子どもが自然と集中する学習空間のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)からご紹介します。

■「リビング学習」よりも、「リビングでも学習」

「東大生の8割は、リビング学習をしている」(『東大脳の育て方』〈主婦の友社 知育・教育取材班・編〉から)、この数字は果たして本当なのでしょうか?

 筆者独自で行なった、東京大学卒業生を対象とした100人アンケートをもとに確認してみましょう。(小学校高学年時代の過ごし方を思い出して回答する形式で、アンケート調査を実施。2024年4月)

 次に挙げているのは、アンケートの質問項目のひとつです。

Q.小学校高学年の時、勉強や読書(マンガ除く)をしていた場所を「すべて」回答してください(複数回答可)

□学習部屋

□リビング

□ダイニング

□親の書斎

□風呂(※壁に貼った暗記用シートを読む、等も含む)

□トイレ(※壁に貼った暗記用シートを読む、等も含む)

□廊下、押し入れなど、自宅のそのほかのスペース

□学校の自習室・図書室

□塾の自習室・地域の図書館

 この質問に対して、回答した73%の方が「リビング・ダイニング」と回答をしていました。 

 筆者の調査が「小学校高学年」に期間を絞っており、回答者の中には「小学校低学年ではリビング学習をしていたが、高学年では自室での学習に変化した」という方も複数いたため、東大生の大半はリビング学習をしている」という説は正しいと言えます。

 一方、筆者の行なったアンケートでの同じ質問に、「個人の学習部屋」と回答した方は、全体の74%。

「リビング・ダイニングのみで、勉強・読書をしていた」方は、全体の20%に止まりました。

 つまり、半分以上の方が、リビングでも、個人部屋でも、学習をしていたのです。

(「あれ? 数字の合計が100%を超えている?」と思われた方、アンケートでは、普段勉強・読書をしていた場所を「すべて」答えてもらう形式としています)

 このように、東大生を育てた家庭での学習場所を見ていると、多くの方が「多拠点」で学習をしていることが分かりました。

 リビングに限らず、個人部屋以外に複数の学習スペースをつくっており、学習拠点の数は、ひとりあたり平均で「2.6か所」となりました。

 リビング・ダイニング以外の拠点としては、お風呂やトイレに暗記シートを貼ったり、親の書斎で勉強したり、廊下や押し入れの一角を使ったりと、家庭内のさまざまな場所で勉強をしていたことが分かりました。

 ちなみに、「塾の自習室・地域の図書館」等、家の外でしか勉強をしなかった人は、100人のうちわずかふたり。

 小学校時代の家庭学習の大切さについても改めて考えさせられました。

 このように、「学習しやすいスペースが複数あること」が、子どもがすすんで勉強をするポイントです。

 個室が設けられない場合も、兄弟間・親子間で空間をシェアすればOK。 

 実際、100人アンケートでは、東大生を育てた家庭の24%が、「兄弟で共有の部屋が与えられていた」と回答しています。

 また、「リビング・ダイニングのみで学習していた」方の多くが、「リビングの一角に学習机を置いて、自分用のコーナーを設けてもらっていた」としています。

 つまり学習空間は、個室でも、家族と共有でも、リビングの一角でも、どこかにあればよいのです。

 年齢によっても、学習部屋のニーズは変わります。

 100人アンケートでは、「学習部屋を持っていた」人の中で、どの時期から学習部屋での勉強が中心になったかを尋ねたところ、結果は次の割合になりました。

・小学校1~2年生:10%

・小学校3~4年生:29%

・小学校5~6年生:29%

・中学生以降:31%

 こう見ると、人によってかなりバラつきがあることが分かりますよね。

 また、同じ間取りでも、兄弟間で学習部屋の使い方は大きく差が出ることが分かりま

す。

「子ども部屋を与える・与えない」という2択で考えるのではなく、

「小学校高学年から、そろそろ実験的に部屋をつくってみようかしら」

「親だけの書斎にせず、昼は親がリモートワークに使い、夜は子どもに使わせよう」

など、学年によって柔軟に組み換えるのがよいでしょう。

○米田まりな/収納コンサルタント 東大卒の整理収納アドバイザー「こめまり先輩」として、ロジックから導くわかりやすい片づけメソッドや、「捨てなくてもいい」スタイルが大人気。執筆やイベント監修など幅広く活躍。著書に『東大卒収納コンサルタントが教える 子どもが自然と集中する学習空間のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。