家賃を3ヵ月滞納され大家も我慢の限界「絵なんてやめてカタギの仕事に」/贋 まがいもの(4)

絵なんて早くやめてカタギの仕事に就くんだな
才能を持ちながらも、名声に背を向け売れない幽霊画を描き続ける画家・内海馨(うつみかおる)。ろくに食事せず、身なりにも頓着しない彼は、少女・撫子(なでしこ)と杏子(あんず)が住む家に居候。2人の少女からは「得体の知れないおっさん」と煙たがられていた。
母親は何ヵ月も帰ってこず働き手は内海だけだが、絵が売れないばかりに家賃を滞納し続け、ついに大家から退去勧告が…。金策尽きた彼は、3人で生きるため「一度きり」の贋作作りに手を染める――。
昭和初期の東京を舞台に、黒川裕美が描くアート×クライム『贋 まがいもの 一』をお送りします。
※本記事は黒川裕美著の書籍『贋 まがいもの 一』から一部抜粋・編集しました。

家賃3ヵ月も滞納しといて

あともう1ヵ月待って貰えませんか

今月中に出て行け!

まともな飯くらい食わせてやりなよ

足元はよく見なよ

全部覚えてるから いい

ママ待ってないと

絵を持って行くよ
著=黒川裕美/『贋 まがいもの 一』