【偏食克服レシピ:しいたけ しめじ えのき〈きのこ類〉】子どもの偏食の原因を知って克服! 思わずおかわりしたくなるとっておきレシピ
野菜嫌いの克服をテーマに料理家・越野美樹が、「子どもの偏食が克服できるコツとレシピ」を提案する連載。今回のテーマは、しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類。うまみたっぷり「即席しいたけハヤシライス」と、クリーミーな食感の「しめじのチーズリゾット」を紹介します。

しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類は、見た目も独特。子どもの苦手な理由を観察したら、きのこ好きに変わるまであと一歩です。 左奥:即席しいたけハヤシライス 右手前:しめじのチーズリゾット 写真:越野美樹
野菜の苦手克服をテーマに、料理家・越野美樹が「子どもの野菜嫌いを克服するコツとレシピ」を大公開!
第7回のテーマは、「しいたけ、しめじ、えのき〈きのこ類〉」。
しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類の偏食ポイントは、主に次の2点です。
1 「におい」
2 「食感」
今回は、ふたつの偏食ポイントを克服する、うまみたっぷり「即席しいたけハヤシライス」と、クリーミーな食感の「しめじのチーズリゾット」の2種をご紹介します。
しいたけ、しめじ、えのき〈きのこ類〉のにおいを抑えて偏食を克服!
しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類は、見た目が独特なうえに香りが強く、苦手な子どもが多い食材です。

きのこの中でもしいたけは、レンチニン酸という成分が乾燥や加熱によりレンチオニンという硫黄系の香り成分に変化するため、他のきのこに比べて香りが強く感じられます。 写真:越野美樹
きのこは「野菜」ではなく、実は菌類に分類されます。
ただし、栄養面では野菜に劣らず、食物繊維やカリウムが豊富です。きくらげや干ししいたけに多いビタミンDや、免疫力向上が期待されるβ‐グルカンなど、成長期の子どもにとって大切な栄養素も含まれています。
さらに、きのこ類に含まれるグルタミン酸や、特に乾燥きのこに豊富なグアニル酸といったうまみ成分は、他の食材と組み合わせることで相乗効果を発揮し、料理全体の味を深めます。
このように栄養やうまみの点では優秀な食材ですが、子どもがきのこを嫌いな理由のひとつが、独特のにおいです。
しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類は、3つのコツを取り入れて調理すると、においが感じにくくなります。
【子どもの偏食克服ポイント1 しいたけ、しめじ、えのき〈きのこ類〉のにおいを抑えて偏食を克服】
●香りの強い食材と合わせる
→スパイスやハーブ、にんにく、しょうが、玉ねぎ、乳製品、ベーコンなど香りの強い食材と組み合わせると、においが目立ちにくくなります。
●うまみを加える
→肉や魚介類、昆布、かつお節、トマトなどのうまみのある食材と合わせることで、香りよりもうまみが際立ち、食べやすくなります。
●味を濃くする
→塩味をきかせると、味の調和によりきのこの独特のにおいが気にならなくなり、食べやすくなります。
ひとつめのレシピは、しいたけと牛肉を炒め、ケチャップやソースで調味した「即席しいたけハヤシライス」です。
うまみのある牛肉や香りの強い食材と一緒に炒め、スパイスやハーブが入った調味料で煮込むことで、においを抑えます。
「即席しいたけハヤシライス」のレシピ

子どもが大好きなデミグラスソースを簡単に再現できる、即席ハヤシライス。牛肉のうまみと、スパイスやハーブが入ったトマトケチャップ、中濃ソースなどの調味料を加えることで、きのこのにおいが気になりません。 写真:越野美樹
【材料】2人分
しいたけ 3枚(約60g)
牛細切れ肉 150g
玉ねぎ 1個
にんにく 1かけ
オリーブオイル 大さじ1
塩 少々
こしょう 少々
薄力粉 大さじ1
トマトケチャップ 大さじ3
中濃ソース 大さじ3
炊いたご飯 茶碗2杯分
乾燥パセリ 適量
【作り方】
1.しいたけは軸を除いて5mm幅に切る。玉ねぎは半分に切ってから繊維に沿って薄切りにする。にんにくは粗みじん切りにする。
2.フライパンを弱火で熱してオリーブオイルを入れ、1を入れて炒める。
3.玉ねぎが透明になったら中火にして牛細切れ肉と塩、こしょうを入れて肉の色が変わるまで炒める。
4.弱火にして全体にまわるように薄力粉を加え、粉っぽさがなくなるまで炒める。

薄力粉を茶こしなどに入れてフライパン全体に広げると、ダマになりにくく、焦げにくくもなります。 写真:越野美樹
5.中火にして水150ml(分量外)とトマトケチャップ、中濃ソースを入れてとろみが出るまで煮詰める。
6.器に炊いたご飯を盛って乾燥パセリをふり、5を盛る。

写真:越野美樹
しいたけに、子どもが大好きな素材と調味料を組み合わせることで、においが気にならず、しいたけがどんどん食べられます。他のきのこでも試してみてください。
しいたけ、しめじ、えのき〈きのこ類〉の食感をやわらげて偏食を克服!
子どもがきのこ類を嫌いなもう一つの理由は、食感です。
しいたけの弾力のある「ぷりぷり」とした歯ごたえや、えのきの「つるつる」「シコシコ」とした食感、しめじ特有の「もちもち」した食感を苦手と感じる子どももいます。
また、加熱が不十分でぬめりが残ったきのこや、逆に加熱しすぎて水っぽくなったきのこの食感が気になる子どももいます。

きのこ類は種類や火加減によって食感が大きく異なるため、ほどよい食感になるよう調理することが大切です。 写真:越野美樹
しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類の食感をやわらげるコツは、3つあります。
【子どもの偏食克服ポイント2 しいたけ、しめじ、えのき〈きのこ類〉の食感をやわらげて偏食を克服】
●細かく刻む
→たとえば、しいたけは薄く、えのきやしめじは短く切ることで独特の食感を感じにくくなり、口に残りにくくなります。
●ほどよく火を入れる
→きのこ類はほどよく加熱することでぬめりや弾力がやわらぎ、やわらかく食べやすい食感に変化します。
●他の食材と組み合わせる
→ひき肉や卵、チーズなど子どもが好きな食材と混ぜ合わせることで、きのこ特有の食感が他の食材にまぎれて気にならなくなります。
ふたつめのレシピは、きのこをたっぷり使った「しめじのチーズリゾット」です。チーズのクリーミーな味わいと米のもちもち食感と一緒に食べることで、きのこ特有の食感が気にならなくなります。
「しめじのチーズリゾット」のレシピ

子どもの好きなウインナーやチーズと一緒に料理することで、きのこを食べるハードルが下がります。 写真:越野美樹
【材料】2人分
しめじ 80g
ウインナー 2本
玉ねぎ 1/4個
米 1合(米は洗わずに使用)
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
粉チーズ 大さじ2
熱湯 600ml
【作り方】
下準備:600mlの熱湯を用意しておく。
1.玉ねぎは粗みじん切りにする。しめじとウインナーはそれぞれ1cm幅に切る。
2.フライパンを中火で熱してオリーブオイルを入れ、1を加えて、全体に油がまわるまで炒める。
3.米を加えて、全体に油がまわるまで炒める。
4.熱湯600mlのうち100mlを加えて、鍋をときどきゆすりながら炊く。
5.表面にプツプツと穴が空いてきたら弱火にして、熱湯50mlを足す。水が少なくなるたびに熱湯50mlを足しながら、20分ほど炊く。

最初は中火でしっかり火を入れ、熱湯を足しながら弱火で炊いていくとアルデンテに仕上がります。フライパンをふっても動かない場合は、その部分だけこそげると焦げつきません。 写真:越野美樹
6.米に芯をわずかに感じる程度まで炊けたら火を止め、塩、こしょう、粉チーズを加えて全体になじむように軽く混ぜる。

写真:越野美樹
米を洗わずに炒めてから炊くことで、ご飯が口の中でホロリと崩れて、きのこの食感をやわらげてくれます。
しいたけ、しめじ、えのき〈きのこ類〉の偏食を克服するための工夫
きのこ特有のにおいや独特の食感の特徴を知り、切り方や火加減、火を入れる時間、合わせる食材を工夫すると、きのこの偏食が克服できます。
今回ご紹介した料理以外にも、しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類が食べやすくなる料理はたくさんあります。
・きのこと鶏肉のトマト煮込み
しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類を小さく切ってからしっかりと炒め、トマトソースの酸味とローリエやパセリなどのハーブでにおいをマスキング。鶏肉のうまみを加えることで、食べやすい味わいになります。
・きのことひき肉の甘辛炒め丼
しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類を小さく切り、豚ひき肉を加えてにおいを抑えます。しょうゆと砂糖の甘辛く、濃い味つけでうまみをプラスし、ご飯と一緒に食べることで食感も気にならなくなります。
・きのこのポタージュスープ
玉ねぎとしいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類を適当な大きさに切ってから炒め、少量の水で煮て、ブレンダーにかけて牛乳と塩こしょうを加えたスープ。きのこの食感がほぼなくなり、牛乳でにおいも抑えられています。

きのこのポタージュスープ。見た目からきのことはわからず、においも食感も抑えられているので、きのこ嫌いの子どもにも食べやすいスープです。 写真:越野美樹
きのこを小さく刻む、水分を飛ばす程度まで炒める、にんにくやスパイスで香りをマスキングするなど、お子さんの反応を見ながら6つのコツを試してみてください。
きのこが嫌いな原因が分かれば、必ず食べられるようになります!