映画監督のお気に入り:ぜひみるべき18本の名作
- 名監督のお墨付き
- クエンティン・タランティーノが選ぶ一本:『続・夕陽のガンマン』
- マーティン・スコセッシが選ぶ一本:『赤い靴』
- クリストファー・ノーランが選ぶ一本:『2001年宇宙の旅』
- スティーヴン・スピルバーグが選ぶ一本:『アラビアのロレンス』
- アルフレッド・ヒッチコックが選ぶ一本:『疑惑の影』
- アニエス・ヴァルダが選ぶ一本:『市民ケーン』
- フランシス・フォード・コッポラが選ぶ一本:『灰とダイヤモンド』
- ギレルモ・デル・トロが選ぶ三本:『蜘蛛巣城』『天国と地獄』『乱』
- スタンリー・キューブリックが選ぶ一本:『青春群像』
- スパイク・リーが選ぶ一本:『波止場』
- デイヴィッド・リンチが選ぶ一本:『8 1/2』
- グレタ・ガーウィグが選ぶ一本:『シェルブールの雨傘』
- ビリー・ワイルダーが選ぶ一本:『我等の生涯の最良の年』
- ウエス・アンダーソンが選ぶ一本:『ローズマリーの赤ちゃん』
- ウディ・アレンが選ぶ一本:『第七の封印』
- M・ナイト・シャマランが選ぶ一本:『ゴッドファーザー』
名監督のお墨付き

餅は餅屋というように、映画のことは映画を作る人がいちばんよく理解しているはずだ。名監督がこれぞと選ぶ最高の映画を紹介しよう。
クエンティン・タランティーノが選ぶ一本:『続・夕陽のガンマン』

クエンティン・タランティーノ監督といえば、B級映画への惜しみない愛で知られるが、セルジオ・レオーネ監督の『続・夕陽のガンマン』をお気に入りの映画としてたびたび挙げている。主役のクリント・イーストウッドが悪漢と卑劣漢を痛快にのしてしまう西部劇だ。「マカロニウェスタンは、こう言ってよければ、世界の映画史における偉大な様式のひとつだね。イタリア映画の歴史においては間違いなくそうだ」。これはタランティーノが2007年のベネチア映画祭で語ったコメントである。
マーティン・スコセッシが選ぶ一本:『赤い靴』

マーティン・スコセッシ監督は、イギリスのマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーのコンビによる『赤い靴』に心酔している。スコセッシの信じるところによれば、同作はこれまで作られた映画のなかで最も美しい一本である。「芸術に抗いがたく取り憑かれ、人生が乗っ取られるさまを、この作品ほど見事にドラマ化し視覚化できている例はほかに見当たらない」と、スコセッシは映像ソフトメーカー「クライテリオン社」のウェブ記事で語っている。
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クリストファー・ノーランが選ぶ一本:『2001年宇宙の旅』

クリストファー・ノーランはスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』をしばしば賞賛している。その革新的な視覚効果と、そこで語られる物語の深みを高く評価してのことだ。『エンターテインメント・ウィークリー』誌のインタビューで、ノーランはこう語っている。「つまり私は、別の世界へと連れ去られるという並外れた体験をしたのです。その世界に疑いを容れる余地はありませんでした。じつに堂々たる質感をともなっていたからです」
スティーヴン・スピルバーグが選ぶ一本:『アラビアのロレンス』

スティーヴン・スピルバーグは、デヴィッド・リーン監督の『アラビアのロレンス』を自身のオールタイムベストに挙げている。ロレンスの叙事詩的な活躍を格調高く物語るストーリー・テリングの手腕と、その映像の比類なきスケール感、息を呑むすばらしさにスピルバーグは参っているのだ。モーリス・ジャールのサウンドトラックも忘れがたい。『アラビアのロレンス』を観ると、スピルバーグがそこからいかに影響を受けているかわかるだろう。
アルフレッド・ヒッチコックが選ぶ一本:『疑惑の影』

サスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコックは、自作の『疑惑の影』(1943年)をいくつかのインタビューでお気に入りに挙げている。同作はヒッチコックのフィルモグラフィーのなかではややマイナーな一本だが、映画批評家のあいだでも評価が高い。たとえば『ニューヨーカー』誌の映画批評を担当していたデヴィッド・デンビーは、同作をヒッチコック作品のなかで最も「親密で胸の締めつけられる」映画と評している。
アニエス・ヴァルダが選ぶ一本:『市民ケーン』

晩年まで旺盛な創作活動を展開し、2019年に90歳で亡くなったアニエス・ヴァルダ。クライテリオン社のウェブ記事でオーソン・ウェルズの『市民ケーン』についてこう語っている。「『市民ケーン』のストーリーは、ストーリーと呼べるほどのものではない。お金持ちの大立者が亡くなる。亡くなる前に謎めいた言葉を残す。調べても大したことはわからない。この男の人生のいくつかの断片、最後には橇(そり)にたどりつくだけ。これがはたしてストーリーといえるかしら? まさか。要するに、『市民ケーン』がこれほどまでに面白いのは、ひとえに(オーソン・ウェルズの)語り口のおかげなの。私たちはしだいに、この男について人々がどんなふうに考えているのかが気になるようになってくる」。
フランシス・フォード・コッポラが選ぶ一本:『灰とダイヤモンド』

フランシス・フォード・コッポラは、英映画誌『サイト・アンド・サウンド』の記事で、アンジェイ・ワイダ監督の『灰とダイヤモンド』をお気に入りとして挙げている。白黒の古いポーランド映画だ。舞台は第二次世界大戦末期、ドイツ降伏後のポーランド。反ソビエトとして抵抗運動を続ける青年が、ソビエトの要人と間違えて別の男を暗殺してしまう。「さまざまな点からいって非凡な映画。もっと知られてしかるべき。珠玉の一本です」
ギレルモ・デル・トロが選ぶ三本:『蜘蛛巣城』『天国と地獄』『乱』

クライテリオン社のためにトップ10を編むにあたり、ギレルモ・デル・トロは1位を一本に絞れないどころか、黒澤明の三本を選んでしまった。『蜘蛛巣城』『天国と地獄』『乱』である。「クロサワが巨匠中の巨匠であることは、これらの作品にじつによく表れている。これら三本はそれぞれ、クロサワ映画のなかで最もオペラ的で、最もペシミスティックで、最も視覚的に華々しい映画だ。どれがどれなのか当ててみてほしい」
スタンリー・キューブリックが選ぶ一本:『青春群像』

スタンリー・キューブリックは1963年、『シネマ』という米映画誌にトップ10を発表している。1位はフェデリコ・フェリーニ監督の『青春群像』。フェリーニの初めてのヒット作だ。のちにキューブリックは、もっと新しい作品として、ウディ・アレンの『アニー・ホール』などをお気に入りに挙げている。
スパイク・リーが選ぶ一本:『波止場』

お気に入りの映画三本を訊ねられて、スパイク・リーはまっさきにエリア・カザン監督の『波止場』を挙げた。その理由は、彼がBBCで語るには、俳優の演技、物語、ダイアローグ、レナード・バーンスタインの音楽と、どれをとっても素晴らしいからだという。『波止場』以外のお気に入りは、エクトル・バベンコ監督の『ピショット』、おなじくカザンの『群衆の中の一つの顔』だった。
デイヴィッド・リンチが選ぶ一本:『8 1/2』

著書のなかでデイヴィッド・リンチは、好きな映画を四本まで絞り、まず最初にフェデリコ・フェリーニの『8 1/2』を挙げている。リンチの見るところ、フェリーニという映像作家は「抽象画家がふつうはおこなうことを映画によって成し遂げおおせている」という。「すなわち、決してなにかをじかに言ったり示したりすることなく、感情を伝達している」というのだ。リンチのベスト4の残りは、ビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』、ジャック・タチの『ぼくの伯父さんの休暇』、ヒッチコックの『裏窓』である。
グレタ・ガーウィグが選ぶ一本:『シェルブールの雨傘』

監督作『バービー』の大ヒットで名高いグレタ・ガーウィグは、ジャック・ドゥミのミュージカル映画『シェルブールの雨傘』を愛してやまない。映画情報サイト「Letterboxd」のインタビューで、ガーウィグは同作を「あっと驚くほど美しい」と評し、『バービー』もこの作品からインスピレーションを得ているとした。
ビリー・ワイルダーが選ぶ一本:『我等の生涯の最良の年』

『サンセット大通り』や『アパートの鍵貸します』で独自の世界を切り拓いたビリー・ワイルダーは、英オンラインカルチャー誌『Far Out magazine』によると、かつてオールタイムベスト10を作成したことがあるという。そこで1位に選ばれたのが、ウィリアム・ワイラー監督の『我等の生涯の最良の年』(1946年)だった。同作は、第二次世界大戦から帰ってきた3人のアメリカ人復員兵の物語。アカデミー賞の作品賞をはじめ、9部門で受賞を果たした。
ウエス・アンダーソンが選ぶ一本:『ローズマリーの赤ちゃん』

ウエス・アンダーソンは、しばしばロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』をお気に入りに挙げている。『Far Out magazine』が引用するには、「僕がよく観返す映画の一つは、『ローズマリーの赤ちゃん』だ。この作品からは大きな影響を受けている。アイディアの源といってもいい。あのミア・ファローはじつにすごい、大変な演技をしているし、僕は脚本も読んだのだけれど、これがとんでもない代物なんだ」
ウディ・アレンが選ぶ一本:『第七の封印』

ウディ・アレンはイングマール・ベルイマン監督の『第七の封印』をたたえている。その哲学的ともいえる深さと、ストーリー・テリングの妙に敬意を表してのことだ。『インディペンデント』誌によれば、ウディ・アレンは次のように述べたという。「人々はこれまで、死すべき運命に立ち向かうことについて、いろいろと異なるやり方で語ってきた。そんななかでも、ベルイマンの立ち上げるドラマの効き目、そして彼の戯曲的なセンスは本当に優れている。いざ映画が始まってしまうと、もう終わるまで君は息もつけないほどなんだ」
M・ナイト・シャマランが選ぶ一本:『ゴッドファーザー』

M・ナイト・シャマランは映画情報サイト「Letterboxd」のインタビューで、『ゴッドファーザー』がおそらく史上最高の一本だろうと述べた。シャマランはさらに、ホラー映画のオールタイムベストとして『エクソシスト』を挙げ、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』も好きなことを明かした。
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