認知症になって「季節や時間が分からなくなっても、忘れない」たった一つのこと。ネガティブ感情を消す簡単な方法とは

認知症になって「季節や時間が分からなくなっても、忘れない」たった一つのこと。ネガティブ感情を消す簡単な方法とは
こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#26
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▶負の感情を消す意外な方法とは
「でも、少しのきっかけや出来事で負の感情が消えるケースもあるのよ。それにより、『うれしい』『楽しい』といった感情が『上書き』できるといいんだけど」と叔母は続けます。
なるほど。要するに今回のようなケースでは、「時間が解決」は厳しく、このままでは長期戦になる。ただし、負の感情を超えるハッピーな出来事があれば、「記憶は上書き」されてゆくかもしれない!
▶投げやりな夫にイライラが止まらない
投げやりな夫の態度にイライラ!疲れもピークに

しかし、それらを踏まえても、負の感情を忘れさせてくれる出来事に出会うのはハードルが高そうなことに気付きます。なぜなら、最近お義母さんが一番楽しそうに見えたのは、Aさんとの電話の時間だったから(涙)。
次の日、夫に叔母からの話を伝え、良い案がないかを考えることに。
夫:確かAさんと電話するまでは、(要介護認定調査で)足を上げたり、片足で立ったりが上手くできたから、「皆に褒められた」って喜んでたよね。
私:そう。かなりご機嫌だった。
夫:じゃあ、またそのとき(認定調査)の話をすればいいんじゃないの?
私:いや、話したけどダメだった。そもそも、Aさんとの喧嘩の原因がそれ(認定調査の話)だったから。
夫:そっか。じゃあ……もうムリだろうね。
(私:えっ、諦めるの、早くない?)
結局は良い案が何も浮かばず、投げやりな夫の態度にもイライラし、すっかり疲れ果て……。まずは、翌日の外出(通院)に力を注ぐことにしました。
▶負の感情に上書き成功!「身近な場所」とは
実は身近なところにあった!「負の感情を上書きする存在」

お義母さんの通院は、脳神経外科と内科(かかりつけ医)で月に2~3回。基本的に付き添いは夫の担当ですが、今回も身支度に手こずりそうなので、私も参戦します。
予想通り、お義母さんは「今日はどこに行くの? どこにも行きたくないんだけど」と言い出し、夫が「今日は病院。先生が待ってるよ」と言うと、「じゃあ、仕方ないわね」と起き上がるも、なかなか着替えてくれません。さらに、「Aちゃんって本当に酷いのよ!」とまた愚痴が始まります。
「ここまでお義母さんの心に居続けるAさんって、なんか凄いな」と変なところで感心するも、タイムリミットは迫り……。最終的には夫がやや強引に着替えさせ、なんとか出発。
病院には予定時刻までに到着しましたが、診察→会計→処方箋受け取りまでを終え、気が付けば12時を過ぎていました。そこで、「久しぶりに3人で外に出たし、お昼を食べて帰ろうか」という夫の提案で、回転寿司に行くことに。
もともと外食をする習慣がないお義母さんが、田舎から出てきて唯一「おいしくて楽しい!」と気に入ったのが回転寿司。周囲を気にすることなくマイペースにオーダーできる気軽さもあり、夫と私も「ここなら、お義母さんが突然『帰りたい』と言い出しても、動きやすい」ということで、これまでも何回か利用していました。
驚くことに、病院での長い待ち時間などで先ほどまでグッタリしていたお義母さんが「回転寿司に行く」と決まった瞬間から、ハイテンションに! さらにお店に到着すると、「ほら見てよ~。オススメって書いてあるのがいっぱい。オススメされてるんだから、全部食べなくちゃ(笑)」と、すっかりはしゃいでいるのです。
確かに日々の暮らしでは、食堂で決まった食事が提供されるため、「選ぶ」という習慣がない。それが、回転寿司ではあらゆるメニューの中から、自分の好きなモノを好きな分だけ「選ぶ」ことができる。お義母さんにとっては、かなりスペシャルでウキウキする時間になっているのかもしれません(まぁ、私も回転寿司に行けば、普通にテンション上がるしね)。
その日は結局1時間以上もお店に滞在し、お義母さんは終始上機嫌のまま帰路につきました。そして、これが見事に「記憶の上書き」となり、そこからAさんの愚痴がほとんど出なくなったのです。
昼夜逆転生活についても、数日かけて少しずつリズムを整えることに成功。見つけられないと思っていた「負の感情を上書きする存在」は、意外と身近なところにありました。改めて、回転寿司に感謝!