「ユニクロは高級品?」仏大学生が日本で買った物

パリ郊外の街に住むアンナさん。今夏、日本で購入したものを見せてもらいました(筆者撮影)
「初めまして!遠いところまでありがとうございます」
【画像を見る】アンナさんが日本で買ったものはこんな感じ。コスメやユニクロ、アディダスも購入!
完璧な日本語で声を掛けてきたのは、パリ郊外の街に住むアンナさん。フランスで生まれ育った日本とフランスのクォーターだ。
今夏日本に行ったアンナさんは「洋服やコスメが大好き」な大学生。
フランスの大学生は日本で何を買うのだろう?
フランスの大学のクラスメイトの反応は?大学生の視点から見た日本とフランスの違いは?
それでは一緒にアンナさんの購入品を見ていこう!

日本で買ってきたものを持ってきてくれたアンナさん(筆者撮影)

アンナさんが日本で買ってきたモノたち(筆者撮影)
1年分のコスメの買いだめ
「メイクグッズは、日本で購入します」というアンナさん。日本のコスメは「ニュアンスカラーが多いのが魅力」なのだという。
「フランスでもシャネルやイヴ・サンローランなどの高級コスメには素敵な色が揃っていますが、学生が気軽に買える金額ではありません」
友達へのプレゼント用に数人で集まって高級コスメを買うこともあるが、あくまでもコスメは毎日使う消耗品。自分用には日本で買いだめしてきた。
アンナさんによると、フランスの大学生のリップの塗り方には工程が3つあるのだそう。まずは①リップペンシルで輪郭を縁取り、②内側に少し違う色を塗り、③最後にリップグロスでふっくら見せるのが定番らしい。

アンナさんとカフェで楽しくおしゃべり…ではなく、取材をした(筆者撮影)
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日本で買ったリップで優越感に浸る
ところがリップグロスは、しゃべっているとすぐに取れてしまう。だから友達の間ではいつも「誰か、グロス持ってない?」と貸し借りをしている。そこでアンナさんが持っているリップグロスを渡すと「何これ!?すごくいい!どこの?」と盛り上がる。「日本で買った」と言うと、みんなに「今度買ってきてー!」「日本に行きたい」と言われ、ちょっとした優越感に浸るのだそう。
アンナさんのまつ毛はアジア人特有のストレートタイプ。日本のマスカラはカールをキープしてくれる設計なので重宝している。ちなみに体温は37.5度あり、そこは欧米の血を受け継いでいる。コロナ禍中に日本に来た際は、検査に引っかかるのではないかとヒヤヒヤしたそうだ。

アンナさんが購入したのは、マスカラ、髪をまとめるスティック、リップグロス、チーク。たまたま原宿で韓国発祥のロムアンドがポップアップをしており、カラーアナライズを無料でできた。フランスにもカラーアナライズはあるが、基本的に有料なのだそう(筆者撮影)
フワフワ飛び出した毛(通称アホ毛)を気にするのも日本人の特徴だと言う。「インフルエンサー以外の一般のフランス人は、髪の毛が飛び出していてもまったく気にしないですよ」と、アンナさん。だからフランスには飛び出す毛を抑えるようなプロダクトはないので、それも日本で購入する。
確かにパリジェンヌといえば、洗いざらしのクセ毛をふんわりナチュラルにまとめているイメージだ。

ちなみに、フランスの同級生は写真の加工をする人もほぼいないのだそう。「加工するくらいなら投稿しないです、面倒なので」(筆者撮影)
続いて洋服やファッション雑貨だ。「洋服は全部で2万円とお得に購入できました」とアンナさん。

滞在中はちょうど夏のセール期間だったので思わず爆買い(筆者撮影)
購入した場所は、原宿の竹下通りのショップや、茨城県の「あみプレミアム・アウトレット」など。「フランスのアウトレットは買うものが何もない」そうだが「日本のアウトレットには買いたくなるようなかわいいものがたくさんある」らしい。

「パフスリーブのトップスはフランスにはあまりないです」とアンナさん(筆者撮影)

「リボンやフリルが付いてかわいいけれど、フリフリしすぎないクラッシーな雰囲気の服も、フランスではあまり見かけません」(筆者撮影)
ユニクロは高級品!?
「ユニクロはフランスですごく人気です」とアンナさん。

フランスのユニクロは、輸入品のため価格が高い。だからフランスでユニクロを買うのは「ちょっといい物を購入している感覚」だ。アンナさんがユニクロを着ていると「ユニクロ、高くない?」と同級生に言われるのだそう!(筆者撮影)
アンナさんによると、人気の理由は「シンプルなこと」と「生地が良いこと」。フランスでは服を長く大切にする人が多く、持っている服の数も少なめ。だから長く着回せる服が好まれる。
「ファストファッションのお店も覗きますが、1度洗濯するとダメになってしまうような服も多いです」。だから、アンナさんは生地がどのくらい洗濯に持つかをチェックしてから購入するかを決めている。日本ではユニクロ=ファストファッションという認識の人も多いと思うが、フランスではその認識はあまりないようだ。高級品と感じる人もいる。
フランスでは、とことん着倒したあとも捨てずにリサイクルする人が多い。街中にあるリサイクルボックスに入れたり、日本のメルカリのようなサービスやフリーマーケットで売る人もいる。古着屋も人気だ。

フランスの街を歩くと、写真のような洋服、靴、カバンのリサイクル収集ボックスを見かける(筆者撮影)
アンナさんが日本のユニクロで購入したのは、ジーンズとスウェットパンツ。「日本の大学生の間で流行っている」と言われ、さっそく試着。綺麗な形が気に入って購入した。

「体調が優れないけれど学校に行かなければならないときにスウェットはちょうどいい」とアンナさん(筆者撮影)
フランスでは、きちんと試着をし、しっかり吟味をして買い物をする人が多い。30日以内であればレシートを見せて返品ができる店舗が多くあるため、とりあえず購入し、自宅で試着して気に入らなければ返す人もいる。
そのほかに、「日本の電車が寒すぎて風邪を引きそうになり」ユニクロで薄手のカーディガンを購入した。「フランスではあんなに寒い電車は乗ったことないです、冬の寒い日以外は(笑)」。
昨今の温暖化で、夏場のパリは40度前後の気温になる日が増えた。フランスの電車にも冷房付きの車両が登場したが、あくまでも弱冷房設定なのだ。
パーティー用のオシャレ着
日本に住んでいるとあまり馴染みがないパーティー。アンナさんはパーティー用の服も買った。
「友達の誕生日パーティーやクラブ、女子会でダンシングバーに行くときは、みんなものすごくおしゃれします」
女の子はみんなで1つの家に集まって、メイクをして、髪を巻いて、洋服を何着か持ってきて相談したり、ヒールがいいかフラットシューズがいいかを確認し合いながら支度をするのだそう。「パーティーは年に5回くらい」とアンナさん。「友達のなかには週1回、月2回と行く人もいます」。

帽子は、形が崩れないようにスーツケースにうまく入れて持ち帰った(筆者撮影)

スポーティーなトップスも購入(筆者撮影)
フランスの家族からもらったお小遣いで、カバンやお財布を購入した。
フランスのハイブランドは、アンナさんの年代には高額すぎる。フランスに住んでいても、シャネルなどのお店には入ったことがないそうだ。だから日本のアウトレットでは、マイケルコースやコーチなどの「頑張れば自分でも買えるブランド品」がお目当てだった。

フランスはカード社会なので、現金をほとんど使わない。フランスで携帯が義務付けられているカード型の身分証明証や交通ICカード、学生証など必要最低限が入る小さなお財布を選んだ(筆者撮影)
移民国家のフランス、文化の違いを考えてお土産を購入
大学の友達へのお土産も見せてもらった。
お土産のメインは、みんなが好きそうなフルーツ味のグミ。本当は全員分をお菓子にしたかったが、そうするとひとつだけ問題がある。

友達へのお土産。メガネはJINSで購入した自分用のブルーライトカットが入っている伊達メガネ(筆者撮影)
フランスは多くの移民を受け入れているため、アンナさんにはイスラム教の友達も多い。例えばグミは豚由来のゼラチンを使用していることが多く、戒律の厳しいイスラム教徒の友達は食べることができないのだ。
だから、それも踏まえてお土産を選んだ。ココアシガレットは、タバコを吸っている友達へのジョークで。ハイチュウはフランスでも買えるが、以前学校に持って行ったらイスラム教徒の友達も「好き」と言っていたので買ってきた。
お守りは、持病を患っている一番仲良しの友達のため。忍者のキーホルダーは、顔がそっくりの友達へ。シュシュは、いつも親切にしてくれる先輩に似合いそうだったので。
アンナさんによると「イスラム教徒の彼女たちは優しさや思いやりがあり、日本人と似ている」という。例えば家族団欒。「私の周りのフランス人の同級生は、夕食も家族バラバラで食べる人が多かった」とアンナさん。しかし、アンナさんの周りにいるイスラム教徒の同級生は「宗教的に家族を大切にしているので、日本の家庭のようにみんなで同じ時間に同じ献立を食べることが多いのです。そういう価値観が似ているところが、私にはイスラム教の友達も多い理由かもしれません」。
大学のクラスメイトは半分が日本好き
アンナさんが通っているフランスの大学のクラスメイトは約40人で、なんと半数以上が日本好きなのだそう。同級生を見ていると「日本を好きになるきっかけはアニメがほとんど」で、最初はみんなストーリーの面白さにハマる。「そしてアニメで日本人の親切さを知り、実際の日本人の性格もきちんとしている。それが日本が好かれている一番の理由だと思います」。
最近は、フランスでも韓流アーティストが人気だが、それでもアンナさんのクラスメイトで韓国が好きなのは全体の5人ほど。ちなみにアンナさんもその一人で、現在韓国語を勉強している。

フランスにいる親から頼まれた醤油や味噌などの食材は、自分のものですっかりスーツケースが重くなってしまったため「このあと時期をずらして日本に来る弟に荷物を託しました」と笑う(筆者撮影)
「カワイイ」は、フランスでかなり知られている日本語だ。筆者の周りにも「日本の物はカワイイ」というフランス人が多い。アンナさんが買ってきたモノを見ながら、日本に来たフランス人もこんなふうにカワイイものを見つけて、日本で買い物を楽しんでいるのかなと思った。
ところでアンナさんと筆者は親子ほどの年の差だが、取材中にはちょっとした恋バナでも盛り上がった。筆者が何気なく言った「アンナさん、モテそうですね」に反応し、話がヒートアップ。さすが議論好きのフランスだ。その後筆者は前言を撤回することとなる。その様子は後編でお届けする。