「ChatGPT」が病名を特定、原因不明の病に苦しんでいた少年が回復へ
人工知能(AI)に救われた少年

アメリカに住むアレックス君は、幼い頃から身体の広範囲にわたる痛みに苦しめられていた。4歳から7歳にかけて17人もの医師に診てもらったが原因が特定できず、ついには歩行障害も起こしてしまったという。そんなアレックス君を救ったのが、人工知能を用いたチャットシステム「ChatGPT」だ。
対話形式でAIが質問に回答する「ChatGPT」

ある日、アレックス君の母親コートニーさんは、運命に導かれたかのようにChatGPTに息子の症状をすべて入力してみた。するとChatGPTが瞬く間に回答を生成。この回答により、ついにアレックス君の病気を特定することができたのだという。
写真:Pexels - Hatice Baran
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匿名で経験を公開

コートニーさんはこの経験を、アメリカNBCで放送されているニュース番組『トゥデイ』で語った。息子の人生に支障がないよう匿名性を維持し、姓は名乗らず写真も公開していない。
写真:Pexels - Muqtada Mohsen
コロナ禍のロックダウン中の出来事

当時4歳だったアレックス君は、コロナ渦による世界的なロックダウンのさなかで突然強い体の痛みを訴え始めた。当初コートニーさんは、痛み止めの「モートリン」を息子に毎日のように飲ませていた。
写真:Unsplash- Glen Carrie
原因不明の全身の痛み

アレックス君の全身の痛みは口の中にも及んだが、歯科医は虫歯や永久歯への生え変わりなどが原因ではないとした。しかし、アレックス君の口蓋が歯に対して小さすぎることから、夜間の呼吸に困難を引き起こしているのではないかとして矯正歯科医を紹介する。
写真:Pexels - Pixabay
子供の性格と成長

矯正器具を付けたことで一時的に症状は改善するも、根本的な解決には至らなかった。アレックス君は絶え間ない痛みと睡眠不足で、不機嫌な状態が多くなっていく。さらに2021年の初め、コートニーさんは息子の身長が年齢の割に成長していないことに気づいた。
コロナ渦の影響と体のバランスの崩れ

そこで小児科医を訪れるが、発育の遅れはコロナ渦が悪影響をおよぼしていると診断、しかし体の左右のバランスが崩れていることから理学療法をすすめられた。コートニーさんは当時を振り返り「アレックスは右足だけで歩き、左足はひきずるような感じでした」とコメントしている。
さらなる症状:片頭痛

ところが理学療法を始める前に、アレックス君はひどい頭痛に悩まされるようになる。神経内科医を訪れると片頭痛と診断、同時に倦怠感にも襲われていたので、耳鼻咽喉科を受診して気道の機能をチェックすることになった。
医学的所見をすべてChatGPTに

このとき、コートニーさんはあることに気付いた。何人もの医師の診断を受けたが、どの医師も自身の専門分野に注目し、アレックス君を全体的には捉えていなかった。
写真: Pexels - Shantanu Kumar
17人の専門医を経てChatGPTへ

3年間で17人の医師を訪れたが、アレックス君の問題は解決せず明確な診断がつかなかったのだ。そこでコートニーさんは、息子の症状、検査結果の全てをマイクロソフトの人工知能ChatGPTに入力することにしたのだ。
写真:Pexels - Thirdman
「脊髄係留症候群」

アレックス君の母親はこうコメントしている:「手元の情報を見直してからChatGPTに入力しました。すべて入力するのに一晩かかりました」眠れぬ夜を過ごしたが、息子の症状が出始めてから3年後の朝、コートニーさんはついに「脊髄係留症候群」という有用な回答を得ることになった。
写真:Pexels - Cottonbro Studio
「脊髄係留症候群」の子供を抱えるコミュニティ

コートニーさんは「脊髄係留症候群」に苦しむ子供たちを持つ家族のFacebookグループに参加し、診断に確信を深め、小児脳神経外科医を予約した。
写真:Unsplash - Quang Tri Nguyen
稀な病気

脊髄係留症候群は、脊髄の組織が癒着することで歩行障害や慢性的な痛みなどの自律神経症状が発症する神経疾患だ。
写真:Pexels - Cottonbro Studio
「二分脊椎症」

小児脳神経外科医のホリー・ギルマー氏が『トゥデイ』で語ったところによると、アレックス君の場合、脊髄係留症候群の原因となる二分脊椎症(脊髄が露出している状態)が見つかりにくい場所にあったため、発見するのに3年もかかかってしまったという。
写真:Pexels - RDNE Stock Project
手術、そして痛みのない未来へ

コートニーさんは『トゥデイ』で、アレックス君はすでに手術を受け、回復に時間はかかるものの痛みのない生活を送れるようになるだろうと語っている。
写真:Pexels - Manu Mangalassery
人工知能の未来

コートニーさんは、同じような困難に直面している家族を救うため自身の体験を伝える決意をした。アレックス君と母親の物語は、賛否両論になりがちな人工知能について肯定的な視点を提供している。
写真:Pexels - Jonas Mohamadi
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