“専業主婦”回帰の波は日本にも来る?6割が仕事と子育ての両立に不安で子どもを諦める人も…漫画家・瀧波ユカリが指摘「システムが変わるべき」「少子化の責任を女性に押し付けないこと」

“専業主婦”回帰の波は日本にも来る?6割が仕事と子育ての両立に不安で子どもを諦める人も…漫画家・瀧波ユカリが指摘「システムが変わるべき」「少子化の責任を女性に押し付けないこと」

男性が外で働いて稼いでいる間、専業主婦として家事や子育てに専念する「伝統的な妻=トラッド・ワイフ」の生き方を望む若い女性が欧米で増えているという。トラッド・ワイフ旋風、つまり専業主婦への“回帰の波”は日本にも来るのか。ニュース番組『わたしとニュース』では、漫画家でパブリックスピーカーの瀧波ユカリと考えた。

専業主婦への回帰の波は日本にも来る?

「トラッド・ワイフ」という“専業主婦”的な生き方が、なぜ欧米のZ世代など若い人の間で支持を広げているのか。

イギリスの研究では「トラッド・ワイフ現象は伝統への回帰ではなくバランスを求める懇願」とある。18~34歳の女性1000人を対象に調査したところ、男性は稼ぎ手、女性は世話役というモデルを望んでいるというより、不安定で過重な仕事のプレッシャーからの逃避先として、トラッド・ワイフ的な生き方に惹かれていることがわかったという。

このトラッド・ワイフ旋風、専業主婦への“回帰の波”は日本にも来るのか。街で聞いた。

「男性に養ってもらうのがとてもいいことかと言われたらそうは思わないが、“昔ながらの主婦”はいいなと思う。家族のことだけを考えていられる状況に、自分がいることがひとつの幸せの形」(30代 専業主婦)

「私もそっち派(トラッド・ワイフ)。でも、働きたい人もたくさんいるので、自分がよければいいのでは」(30代 専業主婦)

「子どもが2人できてフルタイムの復職は難しい」(30代 会社員)

「妻の年収があがったら、僕は専業主夫になりたい」(40代 会社員)

この街の声を聞いて、瀧波氏は「専業主婦は無償労働とされている。そこが問題だと思う」とコメントする。

「例えば専業主婦になったとき『給料は誰のもの』という話になる。家賃や生活費を抜いて残った分を、私だったら、夫と妻半分ずつ、それぞれの名前の口座に入れる形だったら専業主婦になってもいいと思う。しかし、専業主婦の給料、家で働いた分は、お金に換算すればいい値がするようなものだけど、家計の中では無いことにされている」(瀧波ユカリ、以下同)

6割以上の女性が「仕事と子育ての両立に不安」

働く男女を対象に実施した調査では、「仕事と子育ての両立に不安を感じた経験は」という質問に対し、全体の約6割が「ある」と答え、女性だけでみると3人に2人が不安を抱えていることがわかった。

この結果を受け、瀧波氏は「女性の不安と男性の不安の質が同じなのかという疑問もある」と見解を示す。

「女の子は早かったら中学校ぐらいから考える。『大人になって働いていても子どもも欲しいな、両立ってどうなるんだろう』と。そこを女性だけの責任にされたくない。夫は『家事をやらなきゃいけないのかな』というくらいか…男女の不安にはそれくらいギャップがあると思う」

仕事と子育ての両立に不安を抱く人の声には「多くの家庭で女性側が仕事セーブ(給与やポジションを下げる、あるいは上昇を穏やかにする)ケースを多く見ているため(28歳)」「職場からはパフォーマンスを求められ、家庭では育児や家事をするのが当たり前の雰囲気で、夫よりやらざるを得ない状況(41歳)」「毎日仕事が終わると、お迎え・食事の支度・洗濯と多忙でヘトヘト(40歳)」、さらに「子育てと仕事の両立は、どうしてもスーパーマンにならなくてはならないイメージ(26歳)」といった声が挙がった。

この声を聞いて瀧波氏は「一昔前だと、男性と同様に働くのはスーパーマンにならなきゃいけないと言われていて、そこにさらに子育ても両立となったら、もうスーパーマン×2」とコメント。

では、仕事と子育てを両立するのが無理だとなったとき、欧米で「トラッド・ワイフ」現象、すなわち“専業主婦回帰”への支持が広がっているように、日本でも仕事を辞めて専業主婦の道を選ぶのかというと、必ずしもワークを諦めるのではない側面も見えてきた。

「仕事と子育ての両立への不安が原因で、妊娠や出産を諦めたり、時期を遅らせることを考えたことがあるか(男性はパートナーの妊娠や出産について)」という質問に対して、子どもがいる人の4割以上、子どもがいない人の3割以上が「ある」と回答した。

ワークを諦めるのではなく、ライフを諦める人も一定数いるという結果を受け、瀧波氏は「躊躇するのはすごくわかる」と話す。

「上の世代が苦労しているのを見ると、『ああ、だったらな…』となる。男も女もバリバリ働かないとやっていけない、生きていけないという社会に問題があると思う。」

主婦の変化を研究している跡見学園女子大学の石崎裕子准教授は、「働いていると、子どもを持つことが非常に難しい社会になっている。子育てをする人が少数派になりかねない。社会のあり方を変える必要がある」と指摘する。

まさにこの社会の変え方こそが、難しい問題だが、瀧波氏はどうすれば社会が変わると考えるか。

「少子化の責任を女性に押し付けないこと。そのためには企業が男性の育休などを支援する。男性もお迎えに行けるよう早く帰してあげる。それも国が支えるというシステム。システムの問題だから、システムが変わるべき」

(『わたしとニュース』より)

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