「24時間無料だけど…」 道の駅&SA・PAのトラブル、なぜ後を絶たない? 車中泊やゴミ、騒音問題! ゴミ箱撤去や消灯対策も! 管理者を悩ます「迷惑行為」の実態とは

ブームの影で悲鳴… 道の駅やSA・PAで多発する「想定外」の利用

 自由気ままな旅のスタイルとして定着した車中泊。

 しかし、その拠点として利用されることが多い「道の駅」や「SA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)」では、一部のユーザーによる迷惑行為が深刻化しています。

 ゴミの放置や設備の私物化など、運営側を悩ませるトラブルはなぜ後を絶たないのでしょうか。

【画像】「えっ!」 24時間無料でも「22時以降消灯!」の道の駅はこれです(22枚)

 本記事では、ここ数年で起きている問題の背景を探るとともに、私たち利用者が守るべき正しいマナーについて改めて考えます。

ブームの影で悲鳴… 道の駅やSA・PAで多発する「想定外」の利用, 「無料」が生む甘え? ゴミ放置にトイレの私物化も, 「仮眠」か「宿泊」か… 曖昧な境界線と施設の苦悩, ルールを守ってこその「自由」 求められる利用者の意識改革

道の駅&SA・PAのトラブル、なぜ後を絶たない? 車中泊やゴミ、騒音問題…ゴミ箱撤去や消灯も!(画像は実際に車中泊をしている様子)

 時間や場所に縛られず、愛車とともに旅を楽しむ「車中泊」は、コロナ禍を経て一過性のブームから定着したカルチャーへと成長しました。

 キャンピングカーだけでなく、市販車を自分好みに改造して楽しむユーザーも増え、手軽なレジャーとして親しまれています。

 その一方で、旅の道中で立ち寄ることの多い「道の駅」や高速道路のサービスエリア・パーキングエリアでは、利用者のマナーをめぐるトラブルが頻発しています。

 本来、これらの施設はドライバーが安全に運転を続けるための「休憩」を目的として設置されていますが、宿泊施設代わりとして長時間滞在するケースが後を絶ちません。

 国土交通省や道路管理会社は「宿泊を目的とした利用はご遠慮ください」というスタンスを示していますが、あくまで「休憩」や「仮眠」は認められているため、その境界線が曖昧なまま利用されているのが現状です。

 その結果、一部の利用者による「公共の場所だから何をしてもいい」という誤った認識が、施設管理者や他の利用者を悩ませる事態を引き起こしています。

「無料」が生む甘え? ゴミ放置にトイレの私物化も

 では、具体的にどのような迷惑行為が起きているのでしょうか。

 多くの施設運営者が頭を抱えているのが、持ち込まれた「ゴミ」の問題です。

 車内で出た飲食のゴミだけでなく、家庭ごみを持ち込んで捨てていく悪質なケースも見受けられます。

 多くの道の駅は地元自治体が運営に関わっており、ゴミの処理費用には住民の税金が充てられています。

 処理コストの増大や分別作業にかかるスタッフの負担は、本来注力すべき地域産品の販売や観光情報の提供といった業務を圧迫しかねません。

 実際にNEXCO中日本名古屋支社では東海地区の一部のパーキングエリア(トイレのみのPA)から、ごみ箱を撤去。その理由について「持ち込みごみや、不審物等の投棄が多発しており、安全・環境・防犯等の観点から撤去しています」と説明しています。

ブームの影で悲鳴… 道の駅やSA・PAで多発する「想定外」の利用, 「無料」が生む甘え? ゴミ放置にトイレの私物化も, 「仮眠」か「宿泊」か… 曖昧な境界線と施設の苦悩, ルールを守ってこその「自由」 求められる利用者の意識改革

東海地区の一部のパーキングエリア(トイレのみのPA)から、ごみ箱を撤去しました。(画像:NEXCO中日本 名古屋支社)

 また、トイレなどの共有スペースにおけるトラブルも深刻です。

 洗面台を占領して洗顔や歯磨きをする程度ならまだしも、中には洗髪まで行い、床を水浸しにして立ち去る利用者もいるといいます。

 これでは、純粋にトイレを利用したい他のドライバーが気持ちよく使えないばかりか、清掃スタッフの負担も増す一方です。

 さらに駐車スペースの問題も見過ごせません。

 屋根があるからという理由で障害者用スペースに一般車が停め続けたり、何日にもわたって同じ場所に居座ったりする「連泊」行為も報告されています。

 道の駅やSA・PAはキャンプ場ではないため、駐車場でテーブルや椅子を広げて調理をするような行為は、完全なマナー違反と言えるでしょう。

 また、静寂が求められる夜間の「騒音」も大きなトラブルの要因です。

 エンジンをかけたままのアイドリング音や、深夜まで続く話し声、ドアの開閉音は、近隣住民や仮眠をとる他のドライバーにとって深刻なストレスとなります。

 特に、集団で集まって大騒ぎをするケースなどは、警察に通報される事態に発展することさえあるのです。

 実際に複数の道の駅では、深夜に自動車やバイクが集まって大声で騒ぐといった迷惑行為が散見されたことにより、深夜の駐車場照明を全消灯するなどの対策を実施しています。

「仮眠」か「宿泊」か… 曖昧な境界線と施設の苦悩

 こうしたトラブルに対し、施設側も対応に苦慮しています。

 過去には「車中泊禁止」を掲げる施設もありましたが、利用者から「疲れたから仮眠しているだけだ」と主張されれば、安全運転の観点からも強く退去を促すことは難しいのが実情です。

 人によって疲労回復に必要な時間は異なるため、「何時間までなら休憩で、それ以上は宿泊」という明確な線引きができないことが、問題の解決を難しくしています。

 そんな中、独自の対策に乗り出す施設も現れています。

 例えば北海道のある道の駅では、利用者にクルマのナンバーを申告してもらうことで、駐車場での夜間滞在を容認するシステムを導入しました。

 これは、万が一トラブルが発生した際に迅速に対応できるようにするための苦肉の策とも言えます。

ブームの影で悲鳴… 道の駅やSA・PAで多発する「想定外」の利用, 「無料」が生む甘え? ゴミ放置にトイレの私物化も, 「仮眠」か「宿泊」か… 曖昧な境界線と施設の苦悩, ルールを守ってこその「自由」 求められる利用者の意識改革

後を絶たないトラブル…解決方法は?(画像はイメージ/PhotoAC)

 また、広島県内の施設のように、夜間の騒音対策として深夜帯に照明を全消灯するという強硬手段をとるケースや、逆に有料の車中泊専用スペースを設けて積極的にユーザーを受け入れようとする動きも見られます。

 しかし、すべての施設がこうした対策をとれるわけではなく、多くの道の駅は「利用者の良心」に委ねざるを得ない状況が続いています。

ルールを守ってこその「自由」 求められる利用者の意識改革

 道の駅やSA・PAは、あくまで公共の休憩施設です。

「無料だから使い放題」という考えは、施設運営を圧迫し、結果として自分たちの利用できる場所を減らすことにも繋がりかねません。

 車中泊そのものは素晴らしい旅のスタイルですが、それを持続可能なものにするためには、私たち利用者の意識改革が不可欠です。

「ゴミは持ち帰る」「長期滞在やキャンプ行為はしない」「他人に迷惑をかけない」といった当たり前のルールを守ることが求められます。

ブームの影で悲鳴… 道の駅やSA・PAで多発する「想定外」の利用, 「無料」が生む甘え? ゴミ放置にトイレの私物化も, 「仮眠」か「宿泊」か… 曖昧な境界線と施設の苦悩, ルールを守ってこその「自由」 求められる利用者の意識改革

ローソンとRVパークが「店舗駐車場での車中泊」の実証実験を実施。(画像はローソン一宮東浪見店)

 もし、安心して車中泊を楽しみたいのであれば、日本RV協会が認定する「RVパーク」などの専用施設の利用を検討すべきでしょう。

 近年ではコンビニエンスストアと連携した車中泊スポットの実証実験が始まるなど、環境は徐々に整いつつあります。

 公共の場所を借りているという感謝の気持ちを忘れず、スマートに施設を利用することこそが、真の車中泊ユーザーと言えるのではないでしょうか。

【画像】「えっ!」 24時間無料でも「22時以降消灯!」の道の駅はこれです

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