ららぽーと豊洲「海が見えるフードコート」の至福

タワマンだけではなく「観光」でも人気の豊洲にあるフードコート(筆者撮影)
「豊洲」といえば近年開発が進み、タワーマンションが林立。東京駅などへのアクセスもかなり利便性が高く平成~令和のニュータウンとして人気を博する。
【画像9枚】富裕層御用達? 「豊洲にぎり」(2750円)など、フードコート飯の様子
有明や晴海などと合わせたベイエリアとして、いわゆる「パワーカップル」など、比較的富裕な層がこぞって入居している街、というイメージを持つ人も多いだろう。
タワマンだけじゃない、新たな観光地・豊洲
実は豊洲は「タワマンの街」以外の顔も持っている。それが「観光」だ。
ららぽーと豊洲の最寄り駅は東京メトロ・有楽町線および「ゆりかもめ」の豊洲駅だが、観光でも活況の豊洲を概観するため、今回はゆりかもめ・市場前駅からスタートしよう。
市場前駅は、その名の通り東京都中央卸売市場の1つ、「豊洲市場」の目と鼻の先にある駅。
簡単に歴史を振り返ると、前身の築地市場は1935年に開場したこともあり、年々老朽化が課題に。1990年代から再整備計画が進んだものの、さまざまな理由で移転へと方針転換した。

築地から2018年に移転し、オープンした豊洲市場(筆者撮影)
新スポット「千客万来」
そして2018年に移転を果たし、以来は新しい「東京の台所」として営業している。
施設内で飲食店がいくつも営業しているだけでなく市場の見学も行っているが、豊洲市場の目玉といえば2024年に場外でオープンした「豊洲 千客万来」だろう。

豊洲 千客万来(筆者撮影)
千客万来は「食楽棟」と「温浴棟」で構成されており、前者は江戸の街並みを再現した商業施設。市場隣接という立地をウリに、食べ歩きの店舗や飲食店が営業する。
こちらにもフードコートがあり、中には1杯1万円を超える海鮮丼もあることから、オープン当初は“インバウン丼”と揶揄されて大きな話題となった。しかし、実際に訪問すると日本人も相応に多いように感じた。

「ザ・日本」という感じの内装である(筆者撮影)

フードコートのようす。平日の午前10時ごろに訪問したため、客足はまばら(筆者撮影)
反対に外国人観光客が目立つのが、少し歩いた新豊洲駅の近隣にある「チームラボプラネッツ TOKYO 豊洲」(チームラボプラネッツ TOKYO DMM)。体験型ミュージアムとして、SNS映えするスポットも多いことから人気のようだ。

インバウンド人気が高い「チームラボプラネッツ TOKYO 豊洲」(筆者撮影)
インバウンドに関するニュースメディア「訪日ラボ」が調査している外国人に人気の観光スポットランキングで全国1位を獲得している。この日も入場待ちとおぼしき外国人が、施設の外にたくさんいた。
子連れも多い大箱フードコート
さて、ちょうどいい散歩を済ませてアーバンドック ららぽーと豊洲にたどりついた。同施設の開業は2006年。もともと旧石川島播磨重工業(現IHI)の工場跡地だったこともあり「船」や「海辺のリゾート」をモチーフにしているようだ。

2006年にオープンした、ららぽーと豊洲(筆者撮影)
単なる「買い物」だけでなく、映画館はもちろん「キッザニア東京」なども営業しており、水上バスの発着場もあるなど、こちらも豊洲の観光施設に数えていいだろう。水上バスは浅草への便が運航しており、東京の新旧を一気に観光できる。

水上バスの発着場がある、珍しいショッピングモール(筆者撮影)
そんな施設にあるフードコートは、その名も「Marina Kitchen(マリーナキッチン)」。
ららぽーと豊洲が2012~2013年にかけて大規模リニューアルを行った際に誕生した。当初からエリア面積がおよそ700坪、屋内外あわせて670席とそれなりに大規模だったが、2020年にもリニューアルを実施。現在は約900席と、かなりの大箱となっている。

今回のフードコート「マリーナキッチン」(筆者撮影)
通常のサンプルが並ぶショーケースは他のフードコートでも目にすることはあるが、こちらではキッズメニューやカフェメニューのショーケースもあるのが新鮮だ。
マンションが多く建ったことで、ファミリー層の移住が多いとともに、キッザニア利用者が食事するニーズも見据えているのだろう。

キッズメニューのサンプルは珍しいような(筆者撮影)
フードコートのラインナップは「宮武讃岐うどん」に「玉 GYOKU」「江戸前煮干中華そば きみはん」といった鉄板の麺類に加え、「柿安 Meat Express」に「日本橋 天丼 金子半之助」といった歴史のある店とともにチェーン店も充実している。

ラーメン店の「きみはん」(筆者撮影)

デパ地下でよく目にする「柿安」の店舗(筆者撮影)

ケンタッキーの他、フレッシュネスバーガーや銀だこなど安心感のあるメンツも充実(筆者撮影)
さすがは「豊洲市場のおひざ元」 市場直送の海鮮丼を食べられる
ひときわ目を引くのが、まぐろ専門仲卸「鈴富」が手掛ける寿司店「つきじ鈴富 すし富」だ。

「市場直送」をうたう「すし富」(筆者撮影)
天然まぐろなど7種の具材を乗せた「海鮮丼」を筆頭に海鮮丼が充実しており、もちろん握りメニューも販売している。
最も高い「豊洲にぎり」は2750円だが、先ほど千客万来で1万円超の海鮮丼を見てきたので、安くすら感じる。せっかく豊洲に来たんだし、まずはここで海鮮丼を注文しよう。
海鮮丼を注文してうろうろと歩いていると、やはり子連れが多い。そして、多くの子どもがおこさまラーメン的なものを食べている。郷に入っては郷に従え、主要客層の気持ちを味わうために、このラーメンを食べてみよう。
ということで、きみはんで「おこさまらーめんセット」を注文。当方、30を超えた純然たる大人だが、まあ「大人厳禁」という文言もないので問題ないだろう。心なしか、注文を取る従業員さんの顔が怪訝だった気もするが……。
確保した窓際の席からは、海が見える。コンセントもあって、長居するにはいい席だ――と思ってよく窓の外を眺めると、テラス席もあるではないか。せっかくなので外で食べよう。
無理やり港町気分に浸って海鮮丼を食べる
青空の下、豊洲らしい海鮮丼と、ちょっとミスマッチなおこさまラーメンが到着。

豊洲の富裕親子は、いつもこんな食事をとっているのだろうか(筆者撮影)
ラーメンから食べる。おこさまラーメンながら、チャーシューにコーン、さらにネギやかいわれも入っており意外と本格派。スープも結構とんこつっぽいインパクトを感じる。半ラーメンとしても普通に食べられるクオリティである。

1杯600円超のおこさまラーメン(筆者撮影)
それにしても、おこさまラーメンで600円超え。物価高が叫ばれる中、子どもの食べ物も値上げが進んでいるようだ。そりゃあラーメンも1杯1000円を超えるはずだ。

意外と本格派の味で満足感あり(筆者撮影)
海鮮丼は、全7種の具材が載っている。北海道産のホタテに、愛媛県産の真鯛。さらに熊本県産の鯛を胡麻和えにしたものに加え、赤えびとまぐろ、いくら、サーモンと豪華。1500円ほどと考えると、割とコストパフォーマンスは高い。

味噌汁付きなのもうれしい(筆者撮影)
大海が開けているわけではないが、目の前は海。ものすごく好意的に考えれば、港町で食べている――ような気分にもなれる。

海? をバックに、海鮮丼(筆者撮影)
インバウン丼を食べずとも、フードコートで満足?
ネタがペラペラでなく、しっかり厚みがあって食べ応えもそこそこ。豊洲市場のおひざ元、1万円超の“インバウン丼”を食べずともこれで満足できる。
食べ終わって、今度はどこに行こうか。水上バスで浅草に行くのもいいし、ちょっと腹ごなしに有明や台場まで散歩をするのもいい。
そう考えつつ結局ダラダラと居座って、また別の店舗でおやつを買ってさらに長居してしまうのがフードコートの魔力。フードコートそのものが観光地である、といえなくもない。