【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ

【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ

米空軍仕様のF-35、資料写真(2010年4月20日、テキサス州のフォートワース統合予備役基地)REUTERS

<日米同盟の「最前線」に位置する馬毛島、中国の海洋進出を抑止する「第一列島線」防衛ラインの要衝として、米軍および自衛隊の訓練拠点整備が加速>

日本政府は、南西諸島の無人島・馬毛島で、米国および自衛隊の戦闘機訓練に使用される基地の建設を加速させている。中国からの脅威の高まりに対応する狙いがある。

米国防当局は、日本を条約上の同盟国として、西太平洋の最前線における戦略的要所と見なしている。中国人民解放軍は日本列島から台湾、フィリピンに至る第一列島線に迫っており、米国防総省は島嶼から成るこの線を、東アジアで中国の行動を抑える防衛ラインと位置づけている。日本の防衛省も、中国を「最大の戦略的課題」と明言している。

日本政府は、米国主導の防衛ネットワークにおける自国の役割を拡大すべく防衛費の増額を約束しており、馬毛島での整備は、日本が西方の離島で軍事的プレゼンスを強化する取り組みの一環である。

◾️3年で様変わり、馬毛島での日米共同F-35B訓練基地の建設地(欧州宇宙機関の衛星画像)

2022年12月

2025年11月

日本政府は2019年、鹿児島県にある無人島・馬毛島を1億4600万ドルで取得した。この島は、2030年初頭までに、米海兵隊および航空自衛隊が運用する最新鋭のステルス戦闘機「F-35B」の主要な訓練拠点となる予定だ。F-35Bは短距離離陸・垂直着陸(STOVL)型の機体である。

馬毛島は大隅海峡に位置しており、中国海軍がフィリピン海や太平洋へ進出する際の通航可能な数少ない国際海峡の一つにあたる。本誌が確認した衛星画像によれば、2023年1月に始まった馬毛島での基地建設は、現在も急ピッチで進んでいる。

この動きは中国でも注目されており、先週には中国国営放送・CCTVが特集番組を放送。日本の再軍備計画のスピードに警鐘を鳴らす内容だった。これは、高市早苗首相の発言をめぐる日中間の外交摩擦のさなかに放送された。

中国の国営タブロイド紙「環球時報」は、12月7日に掲載した記事の中で、馬毛島での工事が「顕著に加速している」と伝えた。匿名のアナリストの話として、「現時点で2000メートルの滑走路、弾薬庫、燃料タンクなどのインフラ、そして大型軍艦が接岸可能な仮設桟橋などの主要施設がすでに設置されている」と報じている。

TBSの報道によれば、建設作業員の数は2024年12月時点より1000人多い6000人に達し、2025年10月には過去最多となった。

従来、米海軍の艦載機は東京近郊の厚木基地で離着陸訓練を行っていたが、騒音問題を受けて1990年代に硫黄島へ移転。さらに、米海兵隊の機体は厚木から山口県の岩国へ移動し、訓練地までの距離が拡大したことで、米政府はよりアクセスしやすい新基地の整備を日本側に要請し、最終的に馬毛島が選ばれた。

中国の軍事専門家・宋忠平は環球時報に対し、この基地がパイロット訓練施設にとどまらず、「日本の軍備拡張の一環」となる可能性を指摘。馬毛島が琉球諸島に近接する地理的優位性にも言及した。

先月、小泉進次郎防衛相は、台湾から東に約100キロの距離にある与那国島に対空ミサイルを配備する方針を明らかにした。これに対し中国政府は、「極めて危険な動き」として非難し、軍事的緊張をさらに高めると警告している。小泉はこの配備が「国家安全保障上、不可欠だ」と述べている。

こうした動きは、11月7日に高市首相が台湾海峡での危機に際し、日本の自衛隊が米軍を支援する可能性に言及したことをきっかけに、日中関係が一層緊迫化する中で浮上している。

高市は、仮に中国が台湾を海上封鎖した場合、それが「存立危機事態」に該当する可能性があるとの見解を示した。これは、日本の平和憲法の下で軍事行動が正当化され得る、極めてまれなケースにあたる。

歴代政権も台湾情勢と日本の安全保障を関連づけてきたが、高市の発言は、軍事介入の条件を明言した点で過去最も明確だった。

これに対し、中国政府関係者や国営メディアは、強い非難を展開し、高市に発言の撤回を要求。日本が1930〜40年代の軍国主義を再び追求していると非難している。

中国政府は台湾を自国領土と主張しているが、共産党政権が同島を統治したことはない。中国指導部は「必要ならば武力行使も辞さない」として、武力統一の可能性を公然と掲げている。

中国外務省の毛寧報道官は、11月21日の定例会見でこう述べた。

「近年、日本は軍事的制約を緩和し、軍備拡張を追求している。仮に日本が再び軍国主義の道に戻り、平和的発展の誓約を破って戦後国際秩序を乱すならば、中国人民はそれを許さず、国際社会も容認しないだろう」

一方、日本の防衛省は馬毛島の基地について次のようにコメントしている。

「この施設は日本の平和と安全にとって極めて重要な意味を持つ。大規模災害時には、この地域における救援活動の拠点にもなり得る」

馬毛島の基地は、2030年3月の完成を予定している。

マイカ・マッカートニー、ジョン・フェン