<ぷらっと千葉 でこぼこ探訪>松戸・21世紀の森と広場 変化に富む自然の宝庫

木々の紅葉が美しい光と風の広場。広大な芝生の広場には親子連れが遊ぶ姿も=松戸市千駄堀で
千葉県松戸市にある「21世紀の森と広場」は自分にとって思い出深い公園だ。自然尊重型都市公園として開園した1993(平成5)年に、まだ幼かった長男を抱っこして電車を乗り継いで遊びに行ったことがある。当時は地形にはまったく興味がなかったが、自宅から1時間以上かけて行ったのは、松戸市に自然豊かな大きな公園ができたと話題になったからであろう。光と風の広場の大きな芝生の広場と、その真ん中を流れる小川で子どもと一緒に遊んだことが印象に残っていて、今でも当時の写真アルバムを眺めると懐かしく思い出す。そんな公園もその後は足が遠のいていたが、地形を楽しむまち歩きを始めてからはふたたび時おり訪れるようになった。そして今回は公園内の木々の紅葉が色づいた秋晴れの日に行ってきた。

光と風の広場の台地の縁にある木道と下を流れる湧水。この右奥に「千駄堀のわき水」の石碑と説明がある=松戸市千駄堀で
21世紀の森と広場はJR武蔵野線の新八柱駅、京成松戸線の八柱駅から北側に歩いて約15分のところにある。この公園の面積は50.5ヘクタールで、東京ドーム11個分もある。中央口から入ると目の前には光と風の広場の広大な芝生が広がっていて家族連れなどで賑(にぎ)わっているが、山林に覆われた台地の縁では湧水を見ることができる。この一角に設置された「千駄堀のわき水」の石碑には次のような説明が記されている。
「二十一世紀の森と広場には、斜面からしみ出してくるわき水が各所にあり、なかでも、このあたりの水量が一番多く一日当(あた)り約770トン位(くらい)わき出しています。この豊かなわき水は、金ケ作・常盤平地区の台地約467ヘクタールに降った雨の一部が地下にしみ込み、数ケ月の後にわき出てくるものです。それは、これらの地区に畑や山林が多く残されているがために、雨水が浸透しやすくなっているからです。このわき水は、昔から千駄堀・中和倉にかけて水田をうるおし、農業にたずさわる人々にとって深い自然の恵みです。この豊かなわき水のおかげで、サワガニやホタルがすむ自然環境が保たれています。これらを二十一世紀の森と広場の財産として、この地を訪れる人達のためにも未来に向かって、永く残していけることを強く願うものであります。松戸市公園緑地部 平成二年四月吉日」
公園が開園する3年前に記されたものだが、この文章にこの公園がつくられた理念と将来への期待が込められていると思う。

湿地が再現された人工池の千駄堀池。かつての千駄堀にはこのような風景もあったであろう=松戸市千駄堀で
公園には他にも、三つの谷津の水が集まってできている人工の池である千駄堀池や、山・草原・湿地・水辺などの変化に富んだ自然を観察することができる野草園・四季の山野辺、生きもの専用区域として人の立ち入りを制限し自然環境の保全に努めている自然生態園(土・日・祝日には各4回、湿地の観察会が行われている)、田園風景などが広がる昔懐かしい景色が見られるみどりの里などがあり、早足で1周回っても1時間以上かかる。
さて、公園を回った後にパークセンターに寄ったら、「こっとん。」さんという方が文章とイラストを書いた「森の観察日記」という小冊子を見つけた。ここに「実はこの公園に幼少期に通っていて、私が人生ではじめて歩けた場所が21世紀の森と広場なのです。大人になってからアートで関われると思っていなかったので、不思議な縁を感じます」と書いてあった。
開園から時を経て、親も子もともに思い出に残る公園に育っていることをうれしく思った。(千葉スリバチ学会長・稲垣憲太郎)

新八柱駅・八柱駅と21世紀の森と広場周辺の地形図(カシミール3D 国土地理院地図+スーパー地形)
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