「日本人がどんどん右傾化している…」高市政権の「圧倒的な高支持率」を手放しで喜べないワケ

高市内閣の高支持率が続いている。12月20、21日の週末を中心に多くのメディアが世論調査を行ったが、ほぼ横ばいの高い支持を維持している。その

原因はどこにあるのか、また、この傾向は今後も続くのであろうか。

支持率の異様な高さ変わらず

読売新聞は、支持率73(+1)%、不支持率14(−3)で、支持率は内閣発足以来最高である。朝日新聞は、支持率68(−1)%、不支持率19(+2)%で、ほぼ横ばいである。日経新聞は、支持率75(±0)%、不支持率18(±0)%で、支持率は横ばいである。毎日新聞は、支持率67(+2)%、不支持率22(−1)%で、僅かに支持率が上がっている。共同通信は、支持率67.5(−2.4)%、不支持率20.4(+3.9)%で、やや支持率が下がっている。

若年層の支持率が高いことも、注目点である。

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国民の最大の関心事は物価高である。高市内閣は、18.3兆円に及ぶ補正予算を組んでこれに対応している。子ども1人当たり2万円の給付、冬場の電気・ガス代の補助、ガソリン価格の引き下げなどである。これらが、評価されたようである。ただし、「おこめ券」は人気がない。

さらには、国民民主党が主張する「年収の壁」を、現行の160万円から178円に引き上げることを決めたことも歓迎された。

これらは積極財政であるが、賛否は分かれている。

自民党の連立相手については、公明党よりも日本維新の会を評価する声が多い。維新は、公明党よりは右寄りであり、ブレーキ役というよりも、アクセル役に回っている。

武器輸出についての5類型を撤廃し、殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指す動きなどが、その典型である。

世論全体が“右傾化”している

高市政権になって、参政党の支持率が下がっている。それは、リベラルな石破政権を見捨てて参政党に行った保守層が、自民党に回帰してきているからである。高市政権の誕生が、参政党には逆風となった。

また、台湾有事を巡る高市首相の発言で、日中関係が悪化しているが、その国会答弁を「撤回する必要はない」が多数を占めている。中国に対する厳しい姿勢を求める国民の声も、支持率を上げる要因になっている。

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上野動物園の双子のパンダが中国に返還された後、新たな貸与の予定はないが、中国に貸与を働きかける「必要はない」というのが多数である。

最近の中央アジアの五ヵ国の首脳を招いた会談など、国際会議における存在感もまた、支持率アップに役立っている。

女性初の総理大臣ということも、高支持率維持に役立っている。そして、宴会などに出ずに、「働け、働け」と仕事に邁進している姿も共感を呼んでいるようである。

以上の調査結果を見ると、世論全体が右傾化しているようである。

議員定数削減、対中外交…課題は山積み

積極財政については、財政健全化とのバランスが必要である。また、減税を埋め合わせるための財源をどこに求めるかも問題である。放漫財政という批判が出ても仕方がない。これ以上、国債を増やしてよいのか、議論のあるところである。

議員定数の削減については、賛成が多いが、国会の実態が分かった上での議論とは思えない。そもそも、人口比でみた議員数は、日本は先進民主主義国の中でも少ない。さらに、国会議員を経験した立場でいうと、仕事量に比べて議員の数が少ない。しかし、「定数削減」というと、直ぐに飛びついてくるのがポピュリズムである。

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対中外交についても、何らかの出口を見つけねばならない。「一つの中国」を基本方針とする習近平政権が態度を軟化させることはない。中国は、日本との交流を制限しており、それは、交通、観光、ホテル、エンタメ業界など、多くの分野にわたっている。被害は、少しずつ増えている。

業界も、中国以外の国との交流に多元化しているが、それで全てが解決できるわけではない。

2010年(中国漁船と巡視船の衝突)、2012年(尖閣諸島国有化)にも、日中関係が緊迫し、中国では日本製品がボイコットされたり、レアアースの輸出が制限されたりした。

今回は、まだレアアース規制は行われていない。また、日貨排斥が起きないのは、15年前に比べて日本製品を保有している中国人が減ったからである。たとえば、今は、中国製の電気自動車が席巻しており、日本車に乗っている中国人は少ない。ボイコットする日本製品がないのである。

【後編記事】『高市政権、高支持率なのに「政治の混乱待ったなし」と断言できる理由…政策にもすでにひずみが』へつづく。