旅好き筆者が選ぶ《世界の衝撃メシ》ベスト5

旅好き筆者が感動「世界の衝撃飯」ベスト5(写真:筆者撮影)
トナカイの肉はビールに合う? 日本人が知らない海外飯の魅力
日本の食事のクオリティは、まず間違いなく世界ナンバー1だ。私は社会に出てから40カ国以上を旅したが、帰国する度にいつも「はま寿司食いてぇ」「絶対に今日は白いご飯をお腹いっぱい食べるぞ」と意気込んでいる。
【写真を見る】筆者が食べた世界の衝撃メシはこんな感じ
その一方で、美味しい食事が当たり前になってしまった日本人は食事を通して“刺激”や“驚き”“感動”を味わう機会に飢えているのではないか……!? そんな私たちの味覚に「バカ野郎!」とカツを入れてくれるスパイス的存在が、異国で食べる“海外飯”だ。

カンガルー焼肉とカンガルースープを自炊。しかし料理人の腕が悪いため、どちらも味はイマイチだった(写真:筆者撮影)

インドネシアのバリ島で食べた謎のフルーツ。毛の生えた皮を剥いて食べる。甘みと酸味があり、かなり美味しかった。ランブータンというらしい(写真:筆者撮影)
例えばオーストラリアでは、スーパーマーケットで「カンガルーの肉」が普通に売られている。フィンランドでは「トナカイの肉」がスーパーで売られており、私はトナカイのジャーキーを食べたのだが、これが最高にビールとよく合いそうな味で、クリスマスシーズンの今は毎日ヨダレが止まらない。
ベトナムでは“カエルの卵”っぽい気味の悪いフルーツを、インドネシアでは“毛の生えた赤玉”のフルーツを食べた。どちらも想像以上に美味しくて、人を見かけや肩書で判断してはいけないのと同じように、食べ物も色や形に惑わされてはいけないのだと心に刻んだ。
ということで、前菜の前振りはここまでだ。本稿では私が「まじかよ!?」「こんなの食べたことない!」と驚いた『世界の衝撃飯ベスト5』をご紹介したい。なお、あくまで衝撃の深さで紹介するため、必ずしも美味しいわけではない……。心に今でも強く残っている食べ物という基準で選んだ。
5位は〇〇〇のステーキ。背中に乗った後にいただきました
ベスト5位は「砂漠の船」として、1000年以上前から移動手段として使われてきた動物の料理……『ラクダ肉のステーキ』を選出したい。
私がラクダのステーキを初めて食べたのは中東ドバイ(アラブ首長国連邦)だ。大学時代の友人と男2人旅で、私たちは砂漠ツアーに参加。砂漠の中を車で突き進んだり、ラクダの背中に乗ったりするなど、腹ペコの状態で市内に戻ってきた(ちなみに友人は体重が100キロ近くあり、彼がラクダの背中に乗った瞬間、ラクダが怒り出した)。
ラクダの肉を食べることができるレストランに向かうと、店の前にラクダの模型が置かれており、食欲と罪悪感をそそった。店員さんは日本で何年か暮らしていた経験があるそうで、日本語で「これとこれがオススメのラクダ料理だよ」と教えてくれた。
私たちはラクダのステーキ(5000円くらい)とラクダのハンバーガー(3000円くらい)を注文。待つこと約30分、待望のラクダ料理がこちらだ。

ラクダのステーキ(写真:筆者撮影)

ラクダのバーガー(写真:筆者撮影)
初めてラクダの肉を口にした時、友人が動画で、私の食レポを撮影していた。そのときの音声を紹介したい。
「いただきまーす。やわらか、やわらかい……。ん、なんかミンチっぽくて、すごい牛肉感が……あ、噛んでくとラム肉っぽさが出るね。美味しいか美味しくないかと言うと、美味しいです!!」
ラクダのステーキは脂身がまったく感じられない。鳥のササミを柔らかくしたような食感で、わずかに獣臭さがあった。毛なのかスパイスなのか、繊維のような棒状の何かが肉に混じっており、見た目はザラザラ凸凹した感じ。ちなみにラクダバーガーはジューシーな感じで、こちらも大変美味しかった。
4位の「タルタル」はネギトロみたいな食感。しかし材料は…
ベスト4位はチェコで食べたキユーピーマヨネーズ、は一切使われていない肉料理の『タルタル』を選出したい。
タルタルはチェコの伝統料理で、生の牛肉を細かくみじん切りにして、玉ねぎやニンニクなどと混ぜ合わせ、これをパンに載せていただく。つまりは加熱処理が一切行われていない、生の牛肉を食べる。日本人の私たちからすると、塩コショウ少々程度の勇気が必要になる料理だが、Googleレビューや日本人渡航者のブログを調べ尽くした結果、「新鮮だから安全」という声ばかりだったので挑戦することにした。
私はチェコの首都・プラハで有名なレストランで、店員さんに「タルタル!」「アンド、oneビアー。スモールサイズ、プリーズ!」と拙い英語で注文。歯磨きスマイルの店員さんから、タルタルとビールを受け取った。恐る恐る、目を閉じながら、タルタルを口の中に運ぶと……ん!? これは完全に、ネギトロの食感と同じじゃないか!!

うまそぉ(写真:筆者撮影)

ズームするとこんな感じ(写真:筆者撮影)
タルタルの食感はフワフワで、ニンニクの味が効いており、噛めば噛むほど肉の旨味がほんのりと感じられる。これは控えめに表現しても、めちゃくちゃうまい! なにより、ビールに合う!
私はライオンになった気分で、お皿に盛られていたタルタルを完食。おかわりするか本気で迷ったが、節約のため自粛の道を選んだ。ちなみにタルタルは一皿2300円。ビールはスモールサイズで450円。チェコはヨーロッパ諸国の中で比較的物価が安く、世界遺産に登録されている街並みは素晴らしいので、死ぬ前に一度は訪れてみる価値があるだろう。
3位は過去最悪で面白かった「badモーニング」
ベスト3位はトルコで食べた『badモーニング』を選出したい。この料理は、味は普通以下だったのだけれど、面白さという名のインパクト(イライラ感を多分に含む)という点では群を抜いて過去一番だった。
その日、私は歩道で「ウチの店は朝食は安いし美味しいよ」とキャッチの店員さんに話しかけられた店で、メニュー表にあった500円のモーニングセットを食べていた。店員さんは女性で、「インスタ交換しようよ」など、笑顔で素晴らしい接客をしてくれたが……。

一見すると豪華そうに見えるが、食材はいたってシンプル(写真:筆者撮影)
お会計の時、店員さんから「料金は5000円です」と法外な請求をされた。私は「500円の間違いでしょ?」と質問したが、その女性は「メニュー表に書いてある」の一点張り。メニュー表を確認したところ、なんと信じられないくらい薄い字で、“0”の数字が記載されているではないか!?
私は「あなたは安いと言った」と身振り手振り主張したが、その女性は血走った目で「5000円払うまで返さない」と反論。結局、10分くらいレジ前でウダウダと粘った結果、彼女は不貞腐れた態度で「じゃあ半額の2500円でいいわよ」と発言。面倒事を切り上げたかった私は、2500円を置いてその場を立ち去った。
ちなみに本記事を執筆時点で、そのレストランのGoogleレビューは☆2.5。コメント欄には「詐欺だ!」「ここには絶対に近づかないでください」「観光客向けの罠です」など、先人たちの“後悔の味”が今も残り続けている。
2位は“白色の大玉”がドスンと乗っている本場の○○
ベスト2位はイタリアで食べた『白色の大玉が乗ったピザ』を選出したい。私はこのピザを口に入れた瞬間、1人旅にもかかわらず「これくっそうめぇ!」と唸ってしまった。感動のあまり涙が出そうになるほど美味しかったので、ぜひローマに行く機会があればレストラン『L'Angolo di Napoli』に立ち寄ってほしい。
夜ご飯を食べるために入ったレストランで、私は店員さんに「レコマンド・プリーズ(オススメをお願いします)」と話しかけた。店員さんから「俺はこれが一番美味しいと思うぜ」と教えてもらったピザを、私は(値段をよーく確認してから)即決で注文。値段ばかりに集中していたので、大変申し訳ないがピザの名前はわからない。

バジルの葉っぱが刺さってる(写真:筆者撮影)
出てきたピザは巨大で、ブルブルした白色の球が乗っていた。恐る恐るフォークで白球を突いてみると、なんとその球の中から、クリーミーな液体があふれ出したのだ!
この球の正体は、チーズ(おそらくブッラータチーズ?)だった。ピザの耳にもチーズが入っており、本場の美味しいチーズが「THISでもか(これでもか)」と使われている……。パン生地もめちゃくちゃ美味しかった。ちなみに私はサイゼリヤが大好きでよく利用するのだが、本場のピザはやはりちょっと“格”が違った。
お値段はビールと合わせて23ユーロ。イタリアは物価がやや高いのがネックだが、大満足で、私は次の国を目指した(日本→中国→イタリア→バチカン市国→ラトビア→エストニア→フィンランド→エストニア→ラトビア→スペイン→中国→日本の順で巡った。渡航日数は計9日間)。
1位は壺料理。大型ナイフを使ったパフォーマンスが最高すぎた
ベスト1位はトルコで食べた『壺ケバブ』を選出したい。この料理は素焼きの壺に、牛肉や鶏肉や羊肉、玉ねぎやトマトなどの野菜を入れ、壺の口を密閉して蒸し焼き(煮込み)にして調理する。まるで具だくさんのスープのような壺ケバブは、食材の旨味を逃がすことなく閉じ込めており、優しい味が心と体に染みる、染みる、染みる……。
壺ケバブの最大の魅力は、提供時に行われるパフォーマンスだ。まるで刀のような大型のナイフを使って、店員さんが壺を開封してくれる。素焼きの壺を少しずつ動かしながら、ナイフの刃でカンカンと叩き割ってくれるのだ。壺が空いた瞬間は湯気と匂いがブワッと広がり、食欲をそそる。

インパクトのあるパフォーマンス(写真:筆者撮影)

美味しそぉー!(写真:筆者撮影)
私は大型ナイフを持った店員さんと「サムライソード!」「サムライ!」と笑い合いながら、壺を開封してもらった。注文した壺ケバブには柔らかい羊肉がゴロゴロと入っており、臭みもなく、ホッとする味付けで文句なしで美味しい。お値段は2500円くらいで、山盛りのパンとライスとサラダがセットで付いてくる。
(余談)壺があったら入りたい…
これは余談だが、私はこの料理を食べた10時間後、人生で初めて「気球」に乗った。気球の籠の高さは、身長167センチの私の胸の高さくらい。上昇して30秒もしない内に、「これ完全に罰ゲームじゃん」と私は気が付いた。気球は高度1000メートルまで上昇後、ゆっくりと降下。私は「こ、恐過ぎる……」「壺があったら入りたい……」と嘆きながら、そのほとんどの時間を床にしゃがんで過ごしたのだった。