高速バスが110分遅れになっただと? 4つのトラブルに見舞われながらも見事な案内で乗客も感謝!

■ノーショーに改札遅れ, ■30分の遅延を抱えたまま静岡インターへ!, ■怒涛の接続可能な鉄道路線案内!, ■最終的に110分遅れ!

 今日も全国各地を結び走る高速バスだが、今回は東名高速線をあえて新東名経由ではなく東名経由で乗車したまでは良かったが、トラブル続きで「こういう日もあるさ」的な乗車記録である。高速バスの運転士も大変なのだ。

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文/写真:東出真

編集:古川智規(バスマガジン編集部)

(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■名古屋駅

■ノーショーに改札遅れ, ■30分の遅延を抱えたまま静岡インターへ!, ■怒涛の接続可能な鉄道路線案内!, ■最終的に110分遅れ!

スーパーライナーは「超特急」!

 今回の出発地は名古屋だ。新幹線ホームに近い太閤口を出ると見えてくるのがJRハイウェイバス乗り場である。ここからはJR東海バス、そして乗り入れる各バス会社など日夜多くのバスが発着している。筆者も何度も利用しているが、今日はある意味初めてというポイントがある。

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バスの「駅舎」が移動していた

 かつて目の前にあった建物がすっかりなくなり、広い空間が広がっている。というのもJR名古屋駅周辺の再開発のためバスターミナルの建屋機能が2025年9月18日に移転し、新幹線ホームの高架下に入る形となった。まずはバスの乗車前にカウンターを見た。以前の場所から駅の建物に沿って歩くと真新しい区画が見えてきた。

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発券カウンターは2つ

 入口横にはバスの発車電光掲示板があり行き先や乗り場、空席状況などが表示されている。一応、待合室と座席も設けられているが、以前の半分以下になっただろうか狭い。一時的なものなのかどうかは不明だが利用者は多いので、待合スペースが縮小したのは問題だろう。

■「超特急」だぞ!

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「超特急」東京駅行き

 出発するホームへ向かうとまだ乗客の列は出来ていなかった。ロータリーの方を見渡すとこれから京都駅、大阪駅という関西方面や福井駅行きといった北陸方面へ向かうバスが停車していた。その向こうでは各方面からやってきた夜行の旧ツアー系バスが行き交う姿が見られ、朝ならではの風景が広がっていた。

 出発するバスを見送っていると入れ替わりにバスがやってきた。これが今日乗車する東名ハイウェイバス「超特急」東京行きである。東名ハイウェイバスの種別は「直行」「超特急」「特急」「急行」とあり、その中では速い順で2番目だ。超特急というと新幹線ひかりというイメージのある昭和世代にはさぞかし速いのだろうと思ってしまうが実はそうでもない。

 インターチェンジ内の主要バス停に停車するのが「超特急」なのである。全てのバス停に停車するわけでもなく、それは急行や特急が補完しているのだが「超特急」でも東京駅日本橋口まで30箇所弱は停車していく。ほとんどの場合は東京に早く向かいたいため「直行」のバスを選ぶが、今回はあえて「超特急」に乗り東京を目指すこととした。

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4列ワイドシートは補助席がない分のスペースを座席幅に割り振った結果の快適性

 並んでいる乗客が乗り込んだところで定刻になったのだが、バスが出発する感じがない。前方の方を見ると、運転席がまだ空いており外にいるようだった。少し遅れたところでバスは動き出したが、要旨「乗車予定の1名を待っていたが現れなかったので出発した」旨の案内があった。

 これに関しては以前から度々話題に上がっていることだが、路線バスはダイヤに沿って運行している。途中の休憩場所でもそうだが、現れない乗客をずっと待っているということはない。また他の乗客の迷惑にもつながることなのでノーショーは厳に慎みたい。

 乗車できなくなった場合にはWebからのキャンセル操作やバス会社への連絡など伝えることを忘れずに行ってほしい。始発地でのノーショーによる出発遅れが最初のトラブルだった。

■ノーショーに改札遅れ

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伝統の東名高速線東京駅行き!

 名古屋駅を出たバスは市内を東へと走行する。直行便であれば名古屋駅近くのインターから名古屋都市高速道路へ上がり伊勢湾岸自動車道へと進んでいくのだが、市内にも何箇所かバス停があり、そこを経由して東名高速道路の名古屋インターへと向かうルートだ。

 栄バス停で数名を乗せた後、次は千種駅前バス停で待っていた2人がなかなか乗車してこない。運転手が2人に声をかけていろいろと話をしているようで、どうやら乗車に必要なQRコードの出し方が分からなかったようだ。できればバスがやってくるまでにスマホの画面に出しておいてほしいところだが、操作に時間がかかっていたのかもしれない。

 以前は座席表をバインダーに挟み、旅客氏名をチェックしていたが、今は端末やタブレットでQRコードを読み取う形式だ。写し出された情報を照会すればいいので見間違いもなく、改札は一瞬で終わるはずだが件のQRコードがなければ万事休すだ。

 ただ運転手もこういったケースに慣れているようで、どう操作すればQRコードが出せるか手短に説明し、なんとか乗車することも出来たようだ。QRによる改札遅れで出発がまた遅れてしまったので第二のトラブルだ。まだまだ続く。

■ケンカ騒動?

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色々なトラブルに見舞われて遅延が蓄積されていく

 再び走り出したが、またしても問題が発生した。次は本山バス停から乗車した人と、次の星が丘バス停で乗車した人と口論が発生した。筆者の座席からは離れた場所で詳細は不明だが、自分の座席に座っていたといった内容のものだったようだ。列車の指定席でダブルブッキングのトラブルは聞いたことがあるが、バスの座席では見たことも聞いたこともなかった。これはどうなるだろうと気になってはいた。

 後から乗車してきた人が運転手を必死に呼んでいたが、バス停でない場所で停まることは出来ないため次のバス停で対応することとなった。次のバス停は名古屋インターで、ここで乗車の扱いを行った後にケンカ仲裁の対応となった。

 おそらく双方の券面を確認したのであろう、なんとか着席してもらったようだが、それから報告を会社へ行うため車外に出て電話で連絡を行うなどがあり、約30分ほどの停車していた。

 どんな小さなことでも通常運行と異なる事態が起こった際には営業所に連絡し報告することが運転士の常識で、これはどの事業者でも変わらない。

 もし運行方法等に変更がある場合は、運行管理者の指示を仰がななければならないからだ。その点において運転士の行動は決められた手順である。しかし、すでに30分以上遅延しているが、どうなるのだろうか。

■30分の遅延を抱えたまま静岡インターへ!

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遅延を抱えたままだが運転士のためでもある休憩時間はきっちり取る

 名古屋市を出るところからいきなり30分強の大きな遅れとなってしまったが、その後も少しずつ遅れが伸びていく。これは運転手のアナウンスにあったことだが、時刻表に掲載されている各バス停の時刻というのはバス停で乗降客がなかった場合で考えられているため、乗車する人や降りる人がいればその分だけ遅れが増していくということのようだ。

 それでも乗降客がなければと思っていたのだが、思ったよりもあちこちのバス停で乗降があり、区間乗車も多いのかと思った。名古屋インターから東名高速道路に入ったバスは最初の休憩地である赤塚パーキングエリアに到着した。

 ここで約10分の休憩となり、続々と乗客が降りていった。予定出発時刻は9時47分と表示されていたが、本来は浜名湖サービスエリアが9時46分とあるのでかなり遅れていることになるだろう。

 その後赤塚パーキングエリアを出発したバスは東へと順調に走行を続けていく。こういった場合に鉄道では回復運転で遅れを取り戻すこともあるのだが、高速バスではそういうわけにもいかないので決められた速度の下で走行しているようだ。静岡県に入ったバスは静岡インターの「東名静岡」バス停で停車した。

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7形はかつての国鉄専用形式の栄光!

 バス停であるので乗降扱いを行うが、同時に運転手の交代も行われる。10分ほどを要し発車した。ここまで安全運転でハンドルを握った運転手が見送る中、バスは再び東名高速道路へと入っていく。

 改めてバスの案内と遅れ、交通情報が車内の乗客にも伝えられる。時刻表からは30分の遅れ、そしてこの先の足柄サービスエリアの先で事故の一報が入っていて更に遅れる可能性があるということであった。

■冨士山

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バスからの富士山は長時間眺めることが可能

 静岡県も中部から東部へと差し掛かる位置だろうか、天気もいいので車窓には雪化粧した富士山が見えてきた。新幹線の窓から見る富士山も綺麗だが、高速バスの大きな窓から眺める富士山もまた格別だ。ちなみに富士山はどの辺りから見えるのかご存知だろうか。

 新幹線の場合は新富士駅の周辺、富士川橋梁に差し掛かるところから新富士駅を過ぎた辺りなので時間にして数分、新富士駅に停車するこだまでも10分ほどだ。バスの場合は角度がいろいろあり、清水インターの手前くらいからはバスの正面に見えてくる。

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方向が変わっても富士山は見える

 これは前方の座席に座っていないと見ることは難しいが、側面となると富士インターの周辺、そして御殿場インターの辺りでも見ることが可能だ。また富士インター辺りでは麓は住宅街や工場が広がっているが、御殿場インター周辺はそういったものが少なく、より自然な風景で富士山を撮ることができる。

 直行便など新東名高速道路を使うバスでは、より高いところを走るのでダイナミックに撮ることができるのでお勧めだ。富士山を見ながら楽しんでいると、2回目の休憩場所である足柄サービスエリアに到着した。

 ここでも約10分の休憩が取られ、乗客が一斉に降りていった。この直前に停車した「東名御殿場」では32分遅れだったので、なんとか30分程度の遅れを保っているようだった。ここでも遅れなく全員がバスに戻ったので、予定通り出発した。

■怒涛の接続可能な鉄道路線案内!

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渋滞情報が恨めしい!

 本線へと戻ると再びアナウンスがあり、やはりこの先で渋滞にかかる予定だという。しかも事故の処理が行われていることもあり、かなり通過に時間がかかるとのことだった。筆者もその様子を見ながら車の動きを見ていたが、通過に1時間以上はかかっただろうか。この事故渋滞が最後のトラブルになりそうだ。

 渋滞を抜けると大井松田インターだが、1時間半以上の遅れになっていた。また横浜市内では交通集中による混雑もあり「東名綾瀬」バス停到着は15時前で、1時間50分ほどの遅れに広がっていた。

 するとここでアナウンスがあり、この先のバス停から連絡可能な他の交通機関への案内が始まった。まず次の「東名大和」では相鉄本線、小田急江ノ島線の大和駅が、「東名江田」では東急田園都市線、横浜市営地下鉄ブルーラインのあざみ野駅が案内された。

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道路交通情報で有名な綾瀬バスストップ

 このアナウンスにより、それぞれのバス停で何名か降車していく姿がみられた。地図上で見るとそれほど近いわけではないが、大幅な遅延に対してでき得る限りのリカバリー方法を案内したのだろう。

 そして恐らく終点まで乗車の予定だったのだろうと思うが、途中で降車していく乗客が運転手へ感謝の言葉をかけていたのも印象的で、改めて日夜多くの乗客を乗せて運転する乗務員への気遣いや感謝も必要だと思う瞬間だった。

■最終的に110分遅れ!

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道路交通情報で有名な綾瀬バスストップ

 長らく走ってきた東名高速道路ももうすぐ終点だ。東京料金所を15時10分に通過すると、首都高速用賀料金所を15時15分に通過した。隣接する用賀パーキングエリアにはバス停が設置されていて、乗客からの要望と駐車スペースが確保されていれば停車して降車することも可能なのだが、もはやここまで遅れれば東急に乗り換えても大して旅程は戻らないのか、ここでの降車ボタンを押す人は現れず通過した。

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ようやく霞が関

 首都高では目立った渋滞には遭うこともなく走行し、霞ヶ関バス停には予定より1時間53分遅れの15時36分に到着した。筆者も当初は東京駅までの乗車予定であったが、この先の予定もありここで下車した。数名の降車と残った乗客を乗せてバスは東京駅日本橋口へと走っていった。

 今回は東名ハイウェイバス「超特急」東京行きに乗車して霞ヶ関バス停までの旅をお届けした。時刻表通りでは東京駅日本橋口まで6時間24分と、新東名高速道路を使う「直行」の5時間10分に対して1時間以上余計にかかるバスで、しかも1時間53分遅れとなって結局8時間6分という夜行長距離バス並みの時間を乗車することとなった。

■ノーショーに改札遅れ, ■30分の遅延を抱えたまま静岡インターへ!, ■怒涛の接続可能な鉄道路線案内!, ■最終的に110分遅れ!

ありがとう!運転士さん!

 さすがにここまで長時間乗車だと苦痛の方が勝ってしまうかも知れないが、短い移動時間ではできないようなことに向き合ってみるにはいい時間の確保だと思う。ゆっくりと風景を眺めるのもいいし、読書や音楽を楽しむのもいかがだろうか。コンセントも各座席にあり、読書灯も備わっているので致せり尽くせりと言ってもいい。

■ノーショーに改札遅れ, ■30分の遅延を抱えたまま静岡インターへ!, ■怒涛の接続可能な鉄道路線案内!, ■最終的に110分遅れ!

ありがとう!運転士さん!

 今回はさまざまなトラブルが詰まった乗車であったが、時には冷静に、的確に対応していただき、遅れに対しては行き先の情報も随時知らせていただいたほか、乗り換えの案内まで行っていただいた2人の運転手にも敬意と感謝の気持ちを伝えたい。

 どうかバスに限らず、公共交通機関を利用した際には安全に目的地まで送り届けていただく乗務員に、感謝の気持ちを忘れないでいただきたい。そんな感想を持った「超特急」の旅だった。