煮込んで肉パサパサ防ぐ「冬カレー」作り方革命

市販のカレールーは完成度が高いので、調味料を加えるのではなく、調理工程や食材の切り方に工夫したほうがおいしく作ることができます(写真:筆者撮影)

料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作れる方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。今回は、実はお正月明けに多くの人が食べたくなる人気メニューを取り上げます。

ルーの箱には書かれていない2つのポイント

一昔前まではカレーには夏のイメージがありましたが、近年レトルトカレーやカレールーの売り上げが大きいのは冬とのこと。「お正月明けに食べたくなる食べ物は?」というアンケートをとると、カレーは上位にランクインする食べ物でもあります。

【写真deレシピ】ルーの箱の裏面に惑わされてはいけない! ジャガイモをホクホクに、肉をジューシーに仕上げるカレーの作り方のコツとは?

そこで今回は、市販のカレールーを使ったカレーの作り方をご紹介します。ポイントは「野菜を炒めないで水から煮出す」と「牛肉は煮込まない」の2点です。

ビーフカレー

材料

牛切り落とし肉 120g

タマネギ    1個

ジャガイモ   2分の1個

ニンジン    2分の1個

水       550ml

ニンニク    1片

ショウガ    1片

カレールー   半箱(80g程度)

ジャガイモは煮崩れしにくいメークインがおすすめです(写真:筆者撮影)

タマネギは皮を剥き、半分に切ります。芯を取り除き、縦半分に切ってから3〜4等分に切り分けます。ニンジンは一口大の乱切りにし、ジャガイモは皮をむき、半分に切ります。

カレールーの箱の裏に書かれているような通常の作り方は、野菜と肉を油で炒めてから水を加え、ある程度の時間煮込んでからルーを溶かすというものです。この作り方のメリットは、野菜を炒めることで味が凝縮し、香ばしさが出ること。煮崩れしにくくなるというメリットもあります。

一方で、野菜のやさしい味わいが弱くなるというデメリットもあるので、今回は切った野菜をまず鍋に入れ、水を張り、中火にかけます。

18cmの鍋を使用しています(写真:筆者撮影)

どちらも一長一短で、正解はありませんが、いつも炒めている方はぜひ一度、炒めずに作ってみてください。新しい味わいに出会えるはずです。

煮込み方が味を大きく左右する

沸騰したら弱火に落とし、ふたを少しだけずらした状態でかけ、15分煮ます。少しだけずらすのは吹きこぼれを防ぐためです。

ジャガイモを柔らかくするには、90℃以上の高温でしっかり加熱することが重要。ふたをすることで高温を維持できるので、ホクホクと柔らかく仕上がります。

肉を入れずに野菜だけで仕上げてもおいしいです(写真:筆者撮影)

ジャガイモに竹串を刺して、柔らかく煮えたのを確認したら火を止めます。3〜4分置いてからカレールーを割りながら加え、ゴムベラでぐるぐると混ぜます。火を止めた状態で温かい液体にカレールーを加えることで、ゆっくりと溶けます。

カレールーは油脂と小麦粉が混ざったものなので、火をつけたままカレールーを溶かすのは避けましょう。ルーが溶ける前に回りの小麦粉が糊化すると内側に水分が入らず、結果としてルーが溶けないからです。

ルーが溶けたことを確認したら、時々混ぜながら弱火で5分煮込みます。とろみが出たら野菜カレーの出来上がりです。

調味料を加えるよりもおいしく作るコツ

今回は煮込み用の牛肉ではなく、薄切り肉を使っているので、長い時間煮込む必要はありません。フライパンに分量外のサラダ油小さじ1とニンニクとショウガのすりおろしを入れ、中火にかけて軽く炒めたら、牛肉を加えます。薄く塩をかけ、さっと炒めて焼き色をつけます。

赤みが少し残っていても熱いソースに加えるので火は通ります(写真:筆者撮影)

さきほどの野菜カレーに加え、なじませたら出来上がり。肉を加えてからは長時間煮込まないこと。肉から水分が抜け、パサパサになってしまうからです。

温かいごはんにかけていただきます(写真:筆者撮影)

市販のカレールーは完成度が高いので、調味料を加えるのではなく、調理工程や食材の切り方に工夫したほうがおいしく作ることができます。カレールーにもいろいろな種類があるので、好みの製品を見つけるのも楽しいでしょう。