赤いトウモロコシ全国でSNSの発信注目 奈良の種苗メーカー開発

赤くて甘いトウモロコシ「大和ルージュ」

 黄緑色の皮の中に、ぎっしりと詰まった赤い実―。奈良県天理市の種苗メーカー「大和農園」が赤くて甘いトウモロコシ「大和ルージュ」を開発した。販売開始前から交流サイト(SNS)で発信を続け、生産者は全国に。大阪・関西万博では、販売されるスイーツの材料として使われた。商品開発部の金子久美さん(48)は「色の珍しさが、生産者や消費者の注目を集めている」と話す。(共同通信=古俣友理)

 赤いトウモロコシの種子開発は5年以上前にスタート。トウモロコシと言えば一般的に黄色や白を思い浮かべるが、同社は「食卓に彩りを与え、食欲を増進させるといわれる赤のトウモロコシを作ろう」と着手した。

 開発は自然との闘いだった。日照りや豪雨で育たなかったり、強風のため収穫前に作物が倒れたりと計画通りに進まない時もあったが、チームで試行錯誤し改良を重ねた。東南アジア系の遺伝子を取り入れ、暑さに強く、夏秋の2度収穫できる特徴を持つ種子ができた。

 珍しい色が人目を引くのではないかと考え、販売前の2022年春から、インスタグラムで大和ルージュの情報発信を始めたところ、投稿を見た生産者から「作りたい」とメッセージが届いた。試験栽培用の種子を100人以上に配ると、生産者が栽培の様子をSNSで発信し、さらに拡散される好循環が生まれた。

 同年10月に販売開始。一般の認知度も上がり、2024年に天理市の小学校の給食で炊き込みご飯の具として採用された。大阪・関西万博では、地元企業と協力し、大和ルージュを使ったほんのり赤いクッキーやフィナンシェを販売した。

 食用だけでなく、化粧品への活用も。抗酸化作用のある成分に着目した化学メーカーが、大和ルージュを使って化粧品に配合できる原料を開発している。

 「瞬く間に広がっていった」と振り返る金子さんは「SNSのつながりをさらに広げ、大和ルージュの持つ可能性を多くの人に届けていきたい」と意気込んでいる。

◎大和ルージュ

 大和ルージュ 大和農園が開発した赤いスイートコーン。実だけでなく、芯やヒゲまで鮮やかな赤紫色で、モチモチとしたかみ応えのある食感と大きな粒が特徴。糖度は16度程度で、一般的な黄色いスイートコーンより優しい甘さ。スイーツやスープなど多彩な食べ方ができる。種子は全国の種苗店や大和農園のオンラインショップで購入できる。

大和ルージュの情報を発信している大和農園のインスタグラム画面

大和ルージュを手にする大和農園商品開発部の金子久美さん

奈良県天理市「大和農園」

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