【冬の福井グルメ旅】福井で建築と庭園が楽しめる日本料理の名店3選

冬の味覚の筆頭「せいこがに」の旨みに感動!, ご主人の食材に対する強い思いと丁寧な仕事ぶりが光る!, 庭園と福井の幸を満喫できる『古志の国 愛山荘』, 歴史を感じる非日常空間「丹厳洞(たんがんどう)」

食楽web

●北陸新幹線の延伸により、福井県・敦賀まで乗り継ぎなしに新幹線1本でアクセスできるようになりました。そこでこの冬、東京駅から新幹線に乗り込み約3時間半、終点の敦賀、さらに県庁所在地である福井市へ。そこで出会った建築と庭園、そして料理が美味しい名スポットを3軒ご紹介します。

御食国(みけつくに)という言葉をご存じでしょうか? かつて皇室や朝廷へ特別な食材を献上していた、志摩(三重県)、若狭(福井県)、淡路(兵庫県)などのエリアを指します。中でも若狭の豊富な海産物は、鯖街道を通して京都へ運ばれ、皇室や朝廷に珍重されました。その名前を冠した日本料理店が、2025年11月にオープンした『御食国 温(みけつくに たずね)』です。

冬の味覚の筆頭「せいこがに」の旨みに感動!, ご主人の食材に対する強い思いと丁寧な仕事ぶりが光る!, 庭園と福井の幸を満喫できる『古志の国 愛山荘』, 歴史を感じる非日常空間「丹厳洞(たんがんどう)」

大正期に料亭として使われていた古民家の一角に暖簾を掲げる。2階には往時が偲ばれる能舞台もいまだ残っている

ご主人である友本尚兵さんは福井県の小浜出身。京料理の名店『菊乃井 露庵』などで研鑽を積んだ後、「地元・福井県の豊かな山海の幸を使った日本料理を楽しんでいただきたい」との思いから、ここ福井市に店を開くことを決意したと言います。

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ご主人の友本尚兵さん

果たして、京料理の技法×福井食材のシナジーから生まれる料理とは? 期待せずにはいられません!

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シンプルだからこそ料理に集中できるカウンター席。他に個室も用意されている

福井駅からだとおよそ徒歩20分。『御食国 温』は市内を流れる足羽川のほとりに佇む古民家に暖簾を掲げていました。

店内に入ると、歴史を感じる木造建築ならではの温かみのある雰囲気が感じられます。さらに奥に進むと雰囲気は一変。凛とした佇まいのカウンター席の目の前に厨房が広がります。客は、ご主人が調理する様子を臨みながら料理を楽しめるというワケです。まさに料理人と客の真剣勝負といった趣です。

冬の味覚の筆頭「せいこがに」の旨みに感動!

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「せいこがにの飯蒸し」。濃厚な旨みとカニ味噌をまとったもち米の優しい甘みが絶妙にマッチ。※漁期は毎年12月末まで

席に着き、まずは三方産の自家製梅干しと百花蜜を白湯に溶いた「梅湯(ばいとう)」で胃をゆっくり目覚めさせたら、次に供されたのはせいこがに!

福井を代表する冬の味覚の筆頭といえば何と言っても越前がに(ズワイガニ)。中でも産卵を控えたメスは内子(卵巣)と外子(卵)を抱えていて、甘く濃厚な旨みから「せいこがに」と呼ばれ珍重されています。

そのせいこがにをもち米とともに蒸し上げた後、炭火で炙った一品がこちら。外子のプチプチとした食感とともに、身や味噌の濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。地酒との相性は言うまでもなく、これぞ「冬の日本海に来た」と実感できる瞬間でした。

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上から時計回りに、「柿なます」、「栗の茶巾絞り」、「大野の里芋」

次に供されたのは八寸。大野産の里芋を炊き、あられ粉で揚げた一品をはじめ、柿なます、栗の茶巾絞りなど、随所に丁寧な仕事が光ります。特に里芋はサクサクした食感と、ねっとりとした里芋の旨みが絶妙! いずれも、食材の滋味深さが感じられ、前菜として、酒のアテとしても申し分ないひと皿です。

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自ら八寸を供する友本さん。日本酒造りを学ぶため、秋田の人気蔵元・新政酒造でも修業した

今回は残念ながらクルマで訪れたため、お酒のペアリングを試すことはできませんでしたが、さきほどのせいこがにといい、日本酒が進みそうです。

ご主人の食材に対する強い思いと丁寧な仕事ぶりが光る!

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鯖江市河和田で製造された越前漆器を使用した「若狭ぐじの椀物」。だしが利いた滋味深い味わい

料理はさらに、若狭ぐじの椀物へと続きます。若狭で獲れたぐじ(甘鯛)に、丹波産のしめじと菊菜が添えられた一品。鮮やかな紅葉が描かれた椀に見入っていると、甘く香ばしい香りが立ちのぼり、思わずひと口。ぐじの上品な旨みと昆布だしが見事に調和し、絶品です。聞けば、福井県敦賀市に店を構える老舗、奥井海生堂の昆布を使っているそう。

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石垣鯛(左)とアオリイカのお造り(右)

お造りは、石垣鯛とアオリイカ。造り醤油やすだち塩でいただきます。石垣鯛は朝揚がったものを神経締めしたもの。鮮度抜群で、コリッとした食感と噛んだ後にくる旨みがたまりません、同じく、アオリイカも心地よい食感と甘みが際立っています。

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小蕪とりんごの和えもの[食楽web]

その後、登場したのは和えもの。小蕪とりんごの酢の物で、さっぱりと口中をリセットしつつ、これまで味わった料理の余韻に浸っていると、ふと香ばしい肉の香りが漂ってきました。

厨房を見ると、塊肉が炭火で香ばしく焼かれている最中。すでに腹八分目の胃もこの香りにつられ、再び活性化していくのがわかります。

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軽く炙られた京都・七谷鴨の鴨肉のほか、根せり、ごぼう、水菜が彩りを添える

満を持して登場したのは、本日のメイン料理とも言える小鍋仕立ての鴨鍋! ぐつぐつ煮え立つ鍋から鴨肉を箸でつまんでひと口。うーん、脂身と赤身のバランスが絶妙で、思わず唸ってしまいました。鴨鍋を平らげた後は、鴨や野菜の旨みが溶け込んだ濃厚なだしに蕎麦を入れていただきます。まさに口福、至福。福井の幸を十二分に堪能できました。

最後に水菓子として供された「越前柿と柚子のソルベ」を楽しみながら、ご主人に「カニ料理を主体にしたコースを供する予定はありませんか?」と尋ねると、「まずはカニだけでなく、福井のさまざまな魅力ある食材を使った料理を出すことに集中したいと考えています」との返答。福井産の食材への強いこだわりと、実直なまでに料理と向き合うひたむきさが伝わってくる友本さん。今後の活躍から目が離せそうにありません。

●SHOP INFO

住:福井県福井市照手1-16-16

TEL:0776-87-0633

営:18:00〜(カウンター席18:30〜)

休:日・月

https://miketsukuni-tazune.jp/

庭園と福井の幸を満喫できる『古志の国 愛山荘』

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福井県内には、歴史を感じさせる古い建築物や美しい日本庭園が数多く点在しています。そんな「和」の趣に浸りながら、福井ならではの絶品料理を味わえるスポットをご紹介します。

まずご紹介するのは『古志の国 愛山荘』。大正期に建築された登録有形文化財で、こだわりの懐石料理を堪能できる日本料理店です。

池泉庭園と越前富士と呼ばれる日野山の借景が望める和モダンな空間で、ランチ時にはミニ懐石、ディナー時には本格的な懐石料理といった、四季折々の福井の旬をゆったりといただけます。春先には、美しく整えられた梅林も見どころのひとつです。

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●SHOP INFO

古志の国 愛山荘

住:福井県越前市若竹町6-27

TEL:0778‐29‐3590

営:11:00〜15:00(L.O.14:30)、18:00〜21:30(L.O.20:30)

休:月曜(祝日の場合は翌火曜)

https://aizansou.com/

歴史を感じる非日常空間「丹厳洞(たんがんどう)」

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『丹厳洞(たんがんどう)』は、江戸後期の弘化3(1846)年に、福井藩医だった山本瑞庵が別荘として建てた草庵と広大な庭園です。草庵は「丹巌洞草庵」として国登録有形文化財に指定され、一帯が福井市指定史跡となっています。

敷地内には、かつての笏谷石(しゃくだにいし)の石切り場の跡も残っていて見応え十分。敷石や橋、門構えなど、そこかしこに苔むした笏谷石が使われた静寂の空間では料亭も営業しており、当時の歴史に思いを馳せながら懐石料理を味わえます。

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●SHOP INFO

丹厳洞(たんがんどう)

住:福井県福井市加茂河原1-5-12

TEL:0776-36-2668

見学のみも可。要予約

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