「生まれ変わらない限り、片づけられない」そう思っていた私でも変われることを知った

5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
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■case.110 片づけは「これまでの人生の棚卸し」 夫・義母/主婦
「もし生まれ変わったら、どんな人になりたい?」
誰でも1回は考えてみたことがあるのではないでしょうか。
「海外で暮らしてみたい」「お金持ちになりたい」など、人によっていろいろな答えがあるかと思います。
今回紹介する女性の答えは、「生まれ変わったら片づけができる人になりたい」。片づけができないのは生まれつきであり、生まれ変わらなければ片づけができるようにはならないと考えていました。
「子どものころから、本当に片づけが苦手でした。部屋を片づけられないから、友だちや彼氏を家に呼べない。そんな生活が当たり前でした」
自分なりに頑張って片づけてみても、きれいな状態は長くは続きません。片づけてもすぐに元に戻ったり、右から左へモノの場所を移動しているだけ。そんな状況に「自分は片づけのセンスがない」のだと思い込み、片づけに関してはあきらめていました。
「家庭力アッププロジェクト®を知った時も、最初は信じられませんでした。『片づけられたとしても、数日したらまたぐちゃぐちゃになるでしょ?』って。でも、リバウンドせずにキープしている人が多いということを知り、それならやってみようかなと思ったんです」
左手首の骨折により、パートを休んでいたタイミングだったことも参加を後押ししました。
「思いがけず時間ができたので、『時間があったらしたいと思っていたこと』を思い返してみたんです。片づけは、半ばあきらめてはいるものの、ずっとどうにかしたいと思っていたことでした。片手をケガしている状態でしたが、『時間が作れるのは今しかない』『やり方がわかれば、手が治った後に片づけることもできる』と、思い切って申し込みました」

手首をケガした状態での片づけは、思った以上に大変でした。しかも季節は夏。納戸などのエアコンがない部屋の片づけは、暑さとの闘いでもありました。
「部屋によっては40度を超えていました。しかも私は手首をケガしているので、時間が余計にかかります。『あー、もう』とうんざりする気持ちになることもありましたが、一緒に片づけをする仲間の言葉や、スタッフの方からのエールが励みになりました」
片づけをする中で、自分がなぜモノを捨てられないのか、という理由に気づきます。
「私は多分、過去にとらわれていたんだと思います。『これは、あの人たちと一緒にいるときに買ったな』とか『この時こういう生活してたな』とか、記憶がよみがえってきて捨てられなかったんです。でも、そうやって過去にとらわれていたことを自覚してからは、手放すことが楽になりました。人生の棚卸しができた気分です」
そして片づけは、今まで知らなかった夫の想いを知るきっかけにもなりました。
「片づけができるようになったら、『すごい!』と本当に喜んでくれたんです。『片づけ以外のことですごいと思うことはあったけど、苦手な片づけでもこんなに成果を出せるなんて本当にすごい』って」
それまで彼女は、夫が自分を「何もできない人間だと思っているのではないか」と感じていました。
「私は今まで『これはできる!』みたいな自慢できることが、自分の中に何もなかったんです。夫からもそう思われていると思い込んでいました。だからこそ、片づけができたことを認めてくれて、しかも片づけ以外の部分ではすごいと感じていたことも伝えてくれて、本当にうれしかったです」
さらに片づけができたことで自信がつき、新たな分野への挑戦も決意します。
「年明けから、教育関係の仕事をすることが決まったんです。プロジェクトに参加して気持ちが前向きになったのが、新たな分野へ挑戦できた一因です。プロジェクトの中でみんなが私の自己肯定感を伸ばしてくれたように、子どもたちの自己肯定感を育てながら、好きなことに邁進できるようサポートしていきたいと思っています」

彼女に起こった変化は、それだけではありません。
「クラシックバレエを習っているんですが、その発表会でずっとやりたかった役をやれることになったんです。片づけができるようになってから、いい巡りを感じます」
「家庭力アッププロジェクト®に直接的な関係はないかもしれませんが……」と前置きしつつ、時間の使い方が変わったことがその一因ではないかと彼女は語ってくれました。
「前は、動画やSNSを見るなど、スマホを持って座っている時間が多かったんです。今もゼロではないですが、『この時間でこの家事ができるかな?』と考えるようになり、時間の使い方が変わりました。質と効率の両方の面でいい時間の使い方ができるようになったように感じています」
「それに、気持ちが前向きになりました。もしまた散らかしたとしても、片づけられるという自信があります。片づけられたという成功体験があるから、もう前のような絶望的な気持ちにはなりません」
そう語る彼女の表情には、「生まれ変わらなければ片づけられるようにはならない」と思い込んでいた頃の面影はもうありません。
「変わりたいと思って行動すれば変われるんだということがわかりました。同じように悩んでいる人には、『思い込みだよ』『変わろうと思えば変われるよ』と伝えたいです」
「昨年は整える年でした。年明けからはチャレンジの年になると思う」と彼女は語ってくれました。「片づけられない」という自分の中のハードルを越えた彼女であれば、そのチャレンジもきっと輝かしいものになるでしょう。彼女の新たな挑戦の日々を、またいつか聞かせてもらおうと思います。

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