ほぼ全員が“エスカレーター式”で大学進学する学校は? 首都圏の大学付属・系属校、併設大学への「内部合格率」ランキング

■併設大学への内部合格率が高い付属校は?, ■1~4位の慶應義塾大の付属校はいずれも97%以上の合格率, ■5位、6位はいずれも早稲田大の付属・系属校, ■新たに大学の付属校になるケースや、系列校への推薦枠の拡大も

 首都圏に300校以上ある中高一貫校。教育方針や校風、偏差値など、志望校選びの判断基準は多々ありますが、なかでも大学合格実績は重視される要素の一つです。各校がどんな大学に強いのかを知るために、首都圏の中高一貫校をさまざまな切り口の大学合格実績でランキングにしました。本稿では、大学付属校の併設大学への合格状況のランキングを紹介します。

■併設大学への内部合格率が高い付属校は?

 近年人気が続いているのが、大学付属校(ここでは系属校や系列校なども含む)です。大学までエスカレーター式で進学できることに加え、大学受験の心配がないため、中高で自分のやりたいことに打ち込むことができるのが、付属校の大きなメリットです。

 ただし、付属校でも学校によって併設大学への内部進学率には差があります。ほとんどの生徒が併設大学に進学する学校もあれば、生徒の大部分が他大学を希望して外部受験する学校もあり、大学と中高とのつながりの強さによって、それぞれ異なります。

「併設大学の学部や学科が限られている学校では、希望の進路に合わないために外部受験する生徒が多くなります。一般的に、総合大学の付属校は内部進学の割合が高い傾向にあります。ただし、すでに進学校として高い合格実績を挙げている中高に、あとから大学が設置されるなどしたケースでは、内部進学者は少ないことが多いようです」(大学通信情報編集部の大野香代子さん)

 併設大学への進学を希望しても、進みたい学部や学科の内部進学枠が限られていて、進学がかなわないというケースも考えられます。特に医学部などは枠が少ないことが多く、どうしても進学したい場合は外部受験せざるを得ません。

 また、併設大学の各学部がどこにキャンパスを置いているかも重要だと、大野さんは言います。「自宅から通えるのか、下宿が必要なのかなど、最初に知っておくと心構えができます」

 では、内部合格率の高い付属校はどこなのでしょうか。「内部合格者数÷卒業生数×100」で算出した、大学付属校の併設大学への内部合格率のランキングを紹介します。

■併設大学への内部合格率が高い付属校は?, ■1~4位の慶應義塾大の付属校はいずれも97%以上の合格率, ■5位、6位はいずれも早稲田大の付属・系属校, ■新たに大学の付属校になるケースや、系列校への推薦枠の拡大も

■1~4位の慶應義塾大の付属校はいずれも97%以上の合格率

 1~4位を慶應義塾大の付属校が占めました。1位は慶應義塾志木(埼玉県志木市)で99.6%、2位は慶應義塾(横浜市)で98.8%、3位は慶應義塾女子(東京都港区)で97.9%、4位は慶應義塾湘南藤沢(神奈川県藤沢市)で97.5%と、いずれも97%以上の合格率です。なお、慶應義塾大の付属中学は、共学の慶應義塾中等部(東京都港区)と慶応義塾湘南藤沢中等部(神奈川県藤沢市)、男子校の慶應義塾普通部(横浜市)の3校あり、高校進学時に先述の4高校から進学先を選びます(学校によって一部制約があります)。

■5位、6位はいずれも早稲田大の付属・系属校

 5位と6位はいずれも早稲田大の付属・系属校で、5位は早稲田大高等学院(東京都練馬区)で96.4%、6位は早稲田実業学校(東京都国分寺市)で96.2%です。早稲田大の系属校としては早稲田(東京都新宿区)も有名ですが、こちらは早稲田大への推薦枠は約50%で、毎年東京大にも多くの合格者を出すなど、進学校として知られています。

 以下、7位:明治大付明治(東京都調布市)96.1%、8位:明治大付八王子(東京都八王子市)93.5%、9位:法政大第二(川崎市)91.7%、10位:法政大(東京都三鷹市)91.6%、11位:中央大附(東京都小金井市)86.7%、12位青山学院(東京都渋谷区)85.5%、13位:立教池袋(東京都豊島区)85.3%と続き、7~13位はMARCHと呼ばれる5大学の付属校が並びました。

■新たに大学の付属校になるケースや、系列校への推薦枠の拡大も

 ここ数年、既存の中高が大学の付属や提携校になるケースが増えています。日本学園(東京都世田谷区)は2026年度から明治大の系列校となり、明治大付世田谷に校名変更します。順天(東京都北区)は学校法人北里研究所との法人合併により、2026年度から北里大の系列校となります。宝仙学園(東京都中野区)は2024年から6年間、順天堂大の系属校となる協定を結んでいます。

 また、系列大学への推薦枠の新設や、大幅な拡大をしている学校もあります。獨協(東京都文京区)と獨協埼玉(埼玉県越谷市)には2022年度大学入学者から、系列の獨協医科大の医学部に合計10人の系列校推薦枠が設けられました。立教女学院(東京都杉並区)と香蘭女学校(東京都品川区)はいずれも2025年度大学入学者から、立教大への推薦枠が一学年の定員と同数にまで拡充されました。

 このように、新たに大学の付属校となったり、併設大学への推薦枠を拡大したりする学校が増えている背景には、加速する少子化の影響があると、大野さんは言います。

「大学側は少子化で受験生が減少するなかで、早期に学生を確保するため付属校を増やす戦略をとっています。また、付属校や系列校の出身者はその大学の特色を受け継いでいるため、大学入学後に中核となる学生に育つとも言われています」

 中高側にも、大学の付属校や系列校となるメリットはあります。「付属校になることで人気が上がり、多くの受験生を集められます。有名大学であればあるほど、その効果は大きいと言えるでしょう」(大野さん)

(文/白井裕子)

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