トゥを浮かせるだけでスライスやシャンクが止まる? 芯に当たる人のアドレス習慣とは?

ライ角どおりにインパクトすることが重要

「アマチュアに見られる飛距離の減退やスライスは、かなりの確率でヒールヒットが原因です」と吉本巧プロ。

 ヒールヒットとはフェースの芯を外れてヒール側に当たるミス。インパクトでヒール側が前に出るため最悪シャンクになることもあります。

 この症状を止めようとスイングに手を加えるのがアマチュアの常ですが「ほとんどのアマチュアのヒールヒットはアドレスに原因があります」と吉本プロはいいます。さっそく解説してもらいましょう。

【写真解説】ドライバーの飛距離が伸びるアドレスのボール位置

※※※

 スイングに伴うクラブの動きを理解していればヒールヒットは防げます。ご存知のようにクラブにはライ角があり、ライ角どおりにインパクトできるといい球が出ます。7番アイアンのライ角を一例にとると61~62度で、この角度でインパクトできるのが理想的です。

5~15度くらいの範囲でトゥ側を浮かせてアドレスすると、グリップアップとトゥダウンの影響が加味されて、クラブのライ角どおりにインパクトできる確率が高まる 写真:西村恵

 アマチュアの方の多くは、理想のインパクトを実現するべくアドレスでライ角通りペタッと地面にソールしています。実はこれが間違いの元なのです。

 地面にペタッとソールすると必然的にアドレス時のグリップ位置は高くなります。そのままスイングするとインパクトでグリップ位置がさらに高くなってヒール側が前に出ます。

 これはバッドムーブの最たるもので、いわゆる手が浮いたインパクトです。つまり“ソールぺったんアドレス”が原因で手が浮いたインパクトになる人が多いのです。加えてインパクト付近ではクラブヘッドのトゥ側が2~3度下がるトゥダウンという現象が起きますが、ソールぺったんアドレスでは、これもヒールが前に出るのを助長させることになります。

アドレスとインパクトの比較。腰が回って左腰が高くなるのに伴い左肩の位置も高くなるインパクトでは、アドレス時よりも手の位置が高い状態(グリップアップ)になる 写真:西村恵

 ちなみに、このアドレスでライ角通りに打つには腰を止めなければなりません。その意味ではソールぺったんアドレスが腰の回転を阻害しているともいえて、いいことが一つもないのです。

 もっとも、インパクトでグリップ位置が少し高くなるのは間違いではありません。インパクトの瞬間はアドレス時よりも腰が左に回って左腰の位置が高くなり、これに伴って左肩も高くなります。

ソールぺったんアドレスでスイングするとインパクトで手が浮く。クラブヘッドはヒール側が浮いた状態に。ヒール側が前に出てボールに当たってしまう 写真:西村恵

 そのためグリップ位置も高くなるのです。私はこれを“グリップアップ”と呼んでいますが、グリップアップと手が浮くのは全くの別もの。前者はOK、後者は絶対ダメです。

7番アイアンでトゥ側を浮かせてアドレスする

 これらを防ぐにはアドレスでグリップ位置を下げてトゥ側を浮かせることです。浮かせ度合いは人によって、また番手によっても変わりますが、7番アイアンでトゥダウンを含めて5~15度。平均すると10度くらいです。

 すでに浮かせている方もいると思いますが、足りない人が圧倒的に多いので、思ったように打てない人は多めに浮かせます。グリップ位置を下げても同じです。やってみるとわかりますが、このアドレスからスイングすると腰がスムーズに回るだけでなく、インパクトで手も浮かなくなります。

 先にインパクトの形を作ってみる方法もあります。インパクトの瞬間は左腕とクラブが一直線に近くなると力が入ります。グリップ位置が高いと一直線に近づけても力が入りませんので、力が入るグリップ位置を探すわけです。

 いずれにしても、はじめはトゥ側を多く浮かせてみてください。浮かせすぎるとどんなことが起こるかもわかっていい練習になるはずです。そこからアジャストしていき、フィットするアドレスを見つけるわけです。

トゥ側を浮かせ、グリップ位置を下げたアドレスからスイングすると、インパクトライ角が適正になる。腰を止めなくても打てるので飛距離ロスはもちろん、スライスやシャンクも防げる 写真:西村恵

 トゥ側を浮かせた場合に注意していただきたいのは、構えたときにフェースの中心よりもややトゥ側にボールがくるようにすること。

 フェースの真ん中にボールがあるとヒール側でヒットすることになります。すでにトゥを浮かせていてもヒールヒットする人は、こうするだけでも改善される可能性があります。

 これまでソールぺったんで構えてきた人にはかなり違和感がありますが、ダマされたと思って10球打ってみてください。10球打つと新たなアドレスが上書きされて、ちょっとずつ新しいインパクトができていきます。

トゥ側を浮かせたアドレスで、ボールがフェースの真ん中にくるようにセットすると、正しいインパクトライ角でヒットしてもヒール側に当たってしまう。ボールがややトゥ側にくるようにセットすると、インパクトライ角が正しくなったときにフェースの芯でヒットできる 写真:西村恵

 クラブのライ角はアドレスではなく、インパクトで再現されてこそ意味があります。インパクトライ角こそ真のライ角なのです。

取材協力:ラウンジレンジ日本橋浜町

【指導】吉本巧(よしもと・たくみ)

吉本巧(よしもと・たくみ) 写真:西村恵

14歳で単身渡米。南フロリダ大に進みゴルフ部で全米を転戦するなど11年間修行を積んだのちに帰国。テクニカルコーチはもちろん、フィジカル、メンタル、クラブフィッティングなど多角的な指導を展開する。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

岸和也

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